バスタブ
うさぎ娼館
1
草原を越えて、林を抜けて、深い森の大木のうろの中。性欲を持て余すうさぎ達が集まる娼館がある。雄のうさぎも雌のうさぎも気に入った男娼、娼婦を一晩買う。
「ヨル、お客だ」
娼館の支配人が、まだ入って日の浅い少年うさぎに言った。嬉しそうな支配人の様子。ヨルと呼ばれたうさぎは、ゆっくりと立ち上がった。
普通、男娼や娼婦は贔屓の客を複数持つ。しかしヨルは、ひとりの客の肌しか知らない。ヨルを独占するために娼館に大金を落とす、若くして成功した社長のうさぎ、タマキがそれだ。美貌の一流うさぎに見初められ、独占されているヨルを、妬むうさぎも多い。それを聞いたヨルはいつも小さく俯く。
ヨルはたどたどしい歩みで奥の襖に入って行った。
部屋の中はしんとしていた。清潔な布団に組み敷かれたヨル。タマキは無言のまま、ヨルの青みがかった黒い襦袢の中へ手を差し込み、乱暴に乳首を押した。
「んっ」
ぴくんとヨルの身体が跳ねる。
タマキは無口で無表情だ。行為の最中も、後も。メディアの前のタマキは、寡黙だがはっきりと言葉を放つ。表情も乏しいが苦笑ぐらいはする。
ヨルは、一度もまともにタマキの声を聞いたことがない。そして、乱暴な手にもてあそばれる。ヨルを妬むうさぎが知れば驚いて、自分をせせら笑うに違いないとヨルは思っている。妬む罵声に、そんなにいいものじゃないのにと思っている。
2
タマキの手が薄い布のショーツにのびた。ぴくんと羞恥に震えるが、ヨルは仕事なのだと脱がせやすいように温かく柔らかな足を少し浮かせた。少し冷たい手がヨルを掴んで揉みしだく。
「んぅ・・・ぁ、ぁ・・・」
襦袢を身体に纏わりつかせたまま、片足首にショーツを絡ませたままのヨルの足を、タマキは肩にかけさせた。ヨルのいやらしい器官をぐっと自分に近づけたタマキは、いじり始める。
「はぅ、ぁ、らめぇ・・・んん、おちんちんの、さき、やぁ・・・」
布団をぎゅっと握ったヨル。タマキは睾丸やアナルをべろりと舐めた。
「は、く、ふぅぅん・・・」
ヨルは小さな唇を薄く開いて、は、はと息をつく。
「ひゃぁん、ぁ、ぁ・・・はぁ、ん」
アナルにずぷりと指が入って、ヨルは性器を震わせた。受ける側の男娼が先に自分で慣らしておくのは娼館での決まりだ。ヨルは丁寧に丁寧に解して、タマキを待っている。タマキも承知のことだ。
「はぅ、ぁ、はぁ・・・ぁあんン」
前戯として弄るにしても、今日は長い。
「たまき、さん・・・ぁ、ん・・・ぼく、ちゃんと、ならしてます・・・」
くちゅくちゅと水っぽく淫猥に潤うアナル。
「ん、たまきさ・・・はやくぅ・・・」
思わず漏れた言葉に、ヨルは頭が真っ白になった。自分は男を欲している。
3
「初めて欲しがったね・・・」
耳元に吹き込まれた声に、ヨルはびくびくと震えた。甘い低音に脳みそが溶けそうだ。
「こえ・・・」
性器から透明な露が落ちた。ぐちゅぅと握り込まれて、ヨルは大きく布団に背中を押しつけた。
「ゃぁぁあんっ」
ぴゅくと粘ついた白い液体を飛ばす。アナルにくちゅと熱いタマキの先端がつけられた。
「ぇ、だめ・・・ふ、ぁ・・・ごむ、つけてぇ・・・」
男娼が病気をうつされるのを防ぐための娼館の決まりだ。亀頭がアナルに差し込まれた。ひくくんと可愛らしくヨルが痙攣した。
「はにゅぅ・・・ぁ、らめっ、おちんちん、そのままいれちゃ、ぃゃあ・・・」
いやいやと首を振る。いつもは決まりを守るのにとヨルは怯えた。
「どうして?」
耳元に唇。顔が近い。ヨルは愛し合うものの睦言のような声の甘さにどきどきして、頬を染め、瞳を潤ませた。
「きまり、だか、ら・・・あぁん、おちんちん、ぬいてくださぃ・・・ゃ、たまきさん、ぬいてぇ・・・」
タマキがいやらしく微笑んだ。ヨルは再びどきどきする。
「病気はないから安心して。ヨルが俺を欲しがったら、生でしていいって支配人が言ったんだ。会話も許される」
4
タマキが乱暴なのは変わらない。ずちゅんずちゅんと激しく穿つから、ヨルは自制も効かず精液を飛ばす。襦袢はいつも通りべとべとに汚れた。
「ぁぁあんっ、あぁっ、ぁ、ぁ、ひゃぁぁあぁっ」
「ヨル、出すぞ・・・・・・」
びゅびゅっと中に大量にかける。
「はぁぁあん・・・とろとろ・・・きもちぃ・・・」
再び激しく穿ち始めたタマキ。
「ヨル、ヨル・・・」
「ふぁっ・・・ん、ぁあん、ああぁんっ」
大きな瞳は潤んで、アナルはきゅんきゅんと締める。タマキは前立腺を擦り立てた。
「ひあぁああんっおちんちん、すぢゅずちゅ、きもちぃの・・・ぁんあぁあぁっ」
熱い性器に串刺しのヨル。淫らに息を吐く。
「可愛い・・・」
「ふぇ・・・ぁんン・・・っ」
初めて、タマキが自分を嫌っていないのだと知ったヨルは、心が軽くなった。快楽を能動的に受け入れる理由が、ヨルの前に現れた。
タマキに可愛いと思ってほしい。
「ぁ、あぁっ」
ぎゅっと目を閉じて股にとろとろといやらしい液体をかける。襦袢が汚れた。
「ひゃ、ぁんっあん・・・あぁん・・・」
腰を揺らして男をアナルで揉む。タマキは尽きない性欲でヨルを犯し続けた。
5
「俺は、支配人と賭けをしているんだ」
「か、け・・・?」
頷いて、ゆっくり腰を振るタマキ。
「ヨル、俺とつがいになってくれないか?ヨルが、はいと答えてくれたら俺は、君をこの娼館から身請けすることができる」
柔らかい唇が額に触れて、ヨルは抱きしめられていた。
「一目惚れなんだ。大事にするから・・・」
瞼や頬に降る口づけ。
「ヨル、好きだ」
ヨルは小さく上目遣いにタマキを見て、言った。
「たまきさんのこと、いっぱい教えてください・・・」
タマキは嬉しそうに唇を緩ませて、もちろんと言う。
「ぁ、あひっ、ぁ、あん、ひぁあっ」
ぱんぱんと肉を穿つ音。ヨルはタマキに縋りついて、嬌声をあげ続ける。
「ヨルを前にすると、抑えがきかなくて、困るんだ」
「ぁ、らめっ、しょこ、は・・・はぁんン」
可愛らしい性器が、再び液体を飛ばす。
「やぁあんっ」
「ヨル、愛してる」
タマキはゆっくりとヨルの首筋に顔を寄せた。