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お仕事じゃない



「義樹、この子、おじいちゃんの会社の新人さんらしいのよ」
可愛いわぁと母が言う。確かにと、俺、永瀬義樹(ながせよしき)は思う。目の前の少年は、少年というよりは少女のような愛らしさがある。くりくりした大きな黒目がちな瞳と桜色の唇、柔らかそうなパーマの髪。
「また見かけたら声かけてあげて」
「ああ。名前は?」
少年を見つめた。少年は少しぽやぽやした雰囲気で、粟屋流雨(あわやるう)と名乗った。


爺さんに用があって、高校の帰りに事務所に寄ると、流雨がいた。猫耳をつけて、不安そうにうろうろしている。
「どうしたんだ?」
声をかけると、安心したのか涙を流した。
「おといれ、わかんなぃの・・・」
なんだそんなことかと安心して、トイレへと連れて行く。
「よしき、しゃ・・・ん」
ふるふると膝を小さく震わせる。
「ぁ、あ、もれちゃ・・・」
「あと少しだ、がま・・・」
言う前に、流雨は漏らしてしまっていた。

後始末をして、適当に使っていない部屋に入る。流雨は既に仕事は終えた後らしい。汚れてしまった衣装を着て泣きじゃくるのを宥める。
「ふぇっ・・・~っ、ひくっ」
「気にするな」
きぐるみのような服だ。白い猫を模したらしい繋ぎのふわふわした服。透明なカチューシャには耳がついている。
「今日はどんな仕事をしてたんだ?」




「ぼくね、るうにゃんっていう役をもらったの」
話を聞いていればどうやら子ども向けの教育番組で、流雨のような格好をした少年達が10分程度じゃれあいながら、真紀お姉さんと算数に挑戦するらしい。
「るうにゃん、な」
ほほえましい。自然と口元が緩む。
「さて、脱ごうか。替えの服はこれだ」
「ぅん」
ぬぎぬぎと脱いでいく流雨。
「・・・え?」
繋ぎの下は裸だった。
「どうして裸なんだ?」
「真紀お姉さんが今日はぼくだって言ったから。ぼく、初めてお姉さんに呼ばれたけど、お姉さん急な用事が入ったって」
「は?呼ばれ・・・?何をするんだ?」
「・・・こう君はきもちいいことって」
楽しみ、とはにかんだ流雨。俺は思わず押し倒していた。
「次、仕切直しに呼ばれても、行くな」
ふぇと流雨が泣きそうな顔をする。
「やだ・・・どうして」
「・・・こう君達は特別に猫の練習をしてるんだ。流雨はいい」
「何で・・・?ぼくも、するの・・・」
うりゅうりゅと瞳が潤む。
「よしきさんは、しってるの?僕に猫の練習してくれるなら、真紀お姉さんのとこには行かないから」
練習したいと流雨が抱き着いた。なんだ、この展開は。
「・・・ああ」
どうした、俺。承諾する場面じゃないだろ。




わけがわからないが、それらしく猫の練習でもさせて、終わらせよう。
「猫の鳴きまねをして」
「にゃぁん」
心臓がびくつく。何だ、この可愛さは。
「・・・ずっと鳴いてて」
流雨は汚れた服を着たままだ。服の上から脇を優しくくすぐる。この歳の子どもはこのくすぐったさを性的刺激に結びつけることは難しいだろう。
「にぁあっにぁっ・・・にゃあ、ぁ」
かわいらしい喘ぎにも似た鳴き声を聞いて、今更、優しくくすぐってはいけないと知る。もっと豪快にくすぐるべきだった。それこそ、笑いすぎて猫の真似なんかできないくらいに。
今からでも遅くはないが、俺はもう戻れないところまで来ていた。流雨のやらしい声を聞きたい。顔も見たい。俺は欲望に忠実だった。
「にゃんっ、にゃぁあんっにぁぁっ」
乳首をこねる。流雨の服の背中のチャックを大胆にも腰のあたりまで下ろした。乳首を舐めて吸う。
「にゃふぅん・・・に、ぁ、ぁ」
性器が立ち上がっているのを見て、堪えられず触った。
「ふにゃ・・・?」
不思議そうにこちらを見た可愛い流雨。俺は、流雨の性器を口に含んだ。




「ひにゃあぁあん・・・」
ぶるると腰が震えて、快感を示す。唇で扱きながら吸う。
「ひぁ、はにゅぅ、にゃぁん、にゃぁ・・・」
気持ちよさげな流雨。
「あ、ぁぅ、はなしてぇ・・・あぁあぁあんンっ」
くたりとする。口の中に苦みが広がる。
「るうにゃん、どう?」
「にゃん・・・」
幼いながらも、快感に従順ないやらしい表情だった。

替えの服を着せてやりながら、俺は言う。
「真紀お姉さんのところには行くな。・・・仕事がなくなっちまうかもしれないが、爺さんに俺から頼んでやるから」
稚児趣味の女に流雨は任せられないと思うが、自分は早くも過ちを犯していて、人のことなど言えない立場。
「流雨、ごめんな・・・」
許してもらうとかそういう次元ではないと知りながら、謝った。
「いいの・・・」
ぎゅうと抱き着いた流雨。
「ちゃんと教えてくれて、ありがとぅ・・・」


俺が流雨の気持ちを知り、小さな恋人を持つのはもう少し後のことだ。

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