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つくします



ピンポンとベルが鳴って、母親がエプロンで手を拭いながら、玄関へ行く。恥ずかしがりの少年は、黒猫を抱いたままリビングのドアから顔を覗かせて、客を見た。客はすらりとした若い男で、180センチある少年の父親よりも背が高いと思われた。
にぃにぃと腕の中の猫がもがくから、少年は猫を離してしまった。猫は男へと走って行く。母親のあらあらと言う声が聞こえた。男が猫を抱き上げて、こちらを見た。少年は男の視線に射られ、なぜか真っ赤になってすくむ。男は母親に視線を戻すと、引越し蕎麦を渡し、去った。

「お母さん、あの人はだれですか?」
少年の問いに、上機嫌の母親が答える。
「城戸柊耶さん。大学での勉強のために上京したんですって。ハンサムで背も高いし、T大だなんて、きっともてるわ。このお蕎麦もいい趣味だし・・・。泉、お父さんが帰ったら頂きましょうね」

少年、芹沢泉(せりざわいずみ)が城戸柊耶(きどしゅうや)と出会ったのは、泉が小学校への入学を15日後に控えた暖かい春の日だった。
以来、品がありしとやかだが大胆な泉の母親が、一人暮しの柊耶を気にかけて夕飯を対価に泉の勉強を見て欲しいと頼み、泉は柊耶と過ごす時間を持つようになった。




「・・・泉」
勤めている大手広告代理店からマンションに帰った柊耶は、玄関の端に揃えられた靴を見て呟いた。足早に部屋を一つずつ確認していく。寝室へ入り、眠り姫のような愛らしい少年を見つけて傍へ寄った。
「泉」
声をかければ、大きな黒い瞳がゆっくりと開かれた。
「ぅ・・・?しゅぅちゃ・・・?・・・!!」
顔を真っ赤にして上半身を素早く起こし、お帰りなさいと羞恥からの涙目で、柊耶を見つめる。
「ぁの、あの・・・っ勝手に上がって、シャワー、かりました・・・しゅうちゃんの、ベッド、きもちくて、ぼく、寝ちゃ・・・っ。ごめんなさぃ・・・」
焦って謝る泉を堪らなく可愛いと思う柊耶だが、口からでたのは構わない、のたった一言。
「・・・しゅうちゃん、今日は帰らないと思ってました・・・」
柊耶は大事なプレゼンを控え、忙しい身だったが、泉の父親からメールを受けて帰って来た。

柊耶と初めて会った時の、まだ小さかった泉は、母親と同じ様に柊耶のことを柊耶さんと呼ぶのが大人びすぎているようで恥ずかしく、ちゃんづけで呼んだ。小学6年生になった今でも、泉は柊耶のことをしゅうちゃんと呼んでいる。幼い呼び方だと恥じる気持ちはあるが、今更柊耶さんと呼ぶのは尚更ためらわれた。それに実は、恋人を呼ぶような、自分だけの特権を持っているようで、止められない。

泉は、柊耶のことが恋愛の意味で好きだった。ちゃんと、自覚もしている。




4年前に母親を亡くしてから、泉が柊耶を訪ねることは多くなっていた。父親は仕事柄、会社に寝泊まりすることの多い人で、柊耶が俺のところでよければ預かりますと合鍵を渡したのだ。泉の父親は頼りになる隣人の好意に甘んじ、泉を任せることにしている。

ずっと父親のいない夜は柊耶に世話になっていたが、最近の泉には6年生にもなって、迷惑に思われていないだろうかと不安を持っていた。柊耶はただ口にしないだけかもしれない。


「・・・起こしてすまない。飯は?」
「コンビニで買ったご飯を、家で、食べました」
「キッチンは自由に使っていいと言っただろう?食材もまだあった筈だが」
泉の料理の腕はなかなかのものだ。訝しげに聞いた柊耶に、泉は首を振る。
「ひとりじゃ、何食べたいか、わからなくて・・・」
俯く泉に柊耶は言った。
「明日、早く帰るから。夕飯楽しみにしてる。・・・・・・おやすみ」
言葉は少ないけれど、優しく、真摯だ。甘えすぎだと自分を叱咤するが、泉は頬を緩ませておやすみなさいと言った。

泉は幸せを感じ、満足していたのだが。




プレゼンが終わって、一週間程経ったある日、いつものように帰宅すると、美味しそうな香りと一緒に、泉が柊耶を迎えた。食卓にはビーフシチュー。
「さっき、テレビを見てたら、凄くおいしそうだったから、今日はビーフシチューにしてみました」
微笑む泉。心なしか頬が上気している。声も、上擦っているようだ。ビーフシチューは香り通り美味しく、柊耶はぺろりと平らげた。


柊耶はいつものようにシャワーを浴び、黒いスウェット上下をパジャマ代わりに着てリビングに入った。そこにはパンツだけを身につけた泉がいた。白い肌を惜し気もなく曝し、柔らかな体の線を見せる。恥ずかしそうに頬を染め、柊耶を上目遣いに見る。
「しゅうちゃん、きて・・・」
手を引かれ、ソファーに座らせられた。
「泉・・・?パジャマは?」
まさか無いわけがない。どういうつもりなのかと思いながらも、少しぴんと尖っているように見えるピンクの乳首に視線が止まる。混乱を表に出さず無表情の柊耶を前に、泉はぷくりとした唇を動かして自分に言い聞かせるように言った。
「疲れてるしゅうちゃんを、ぼくが、いやすの・・・」

泉は柊耶のズボンに手をかける。




「泉っ、やめろ・・・っ」
柊耶の制止も聞かずに、ボクサーパンツから柊耶の性器を取り出す。泉はためらいもなくまだ柔らかなそれを口に含んだ。
「っ・・・は・・・」
柊耶は最近抜いてなかったことを後悔した。ただでさえ、可愛い泉が舐めている。柊耶はたちまちのうちに性器をむくむくと大きく固くさせた。泉は唇と舌を擦りつける。
「んむ、ちゅ・・・はぁ、ん、しゅうちゃん、きもちい、ですか・・・?」
「ぅ、あ・・・いずみ・・・っ」
はぁ、と柊耶が熱い息を漏らすから、泉はどきどきしながら添えた手も使い、柊耶の性感を高めていく。
「はぁ、ん、ん・・・ふぅ、ちゅくちゅぷ・・・っちゅ・・・」
先端から溢れた少し苦い汁を啜りながら、まだ幼い小さな舌が性器を愛撫する。柊耶は熱に浮されたように、淫らな奉仕に身を任せていた。
「んふぅ、ちゅる、ん、ん・・・」
泉は頑張って喉まで性器を受け入れた。余るところは、手で扱く。性器から先走りがだらだら溢れているのを口の中で感じ、柊耶の限界が近いことを知る。
「くっ、・・・は、でるっ」
のませるなんて言語道断だと、理性を総動員して泉の口からびくびくと歓喜に震える性器を引き抜く。
びゅるるっと溢れた精液が泉の顔を汚した。




顔射してしまったと自らの失態にショックを受ける。すまないと言おうとした柊耶を遮るかのように、泉は恍惚とした顔で精液を指で掬い口に入れた。
「しゅぅちゃんの・・・だから、いいの・・・」
いやらしい泉に、柊耶はずくりと股間に熱が集まるのを感じ、低く呻く。泉は再び柊耶の性器に触れ、手で扱いた。
「ん・・・あつい・・・しゅうちゃ、しゅうちゃん、おちんちん、きもちいいですか?」
ぼろぼろと先走りが流れ始める。泉は手を汚しながら、ぐちゅぐちゅとべとべとの柊耶の性器を愛撫した。
「はぁ、くっ・・・泉、どうしたんだ・・・?」
泉は表情を曇らせて柊耶を潤んだ瞳で見た。
「ぼくじゃ、やっぱり、だめですか?・・・おっぱいも、ないし・・・」
ぺたんこの胸を眺めて、ぽろぽろと涙を流す泉。何か言っただろうかと柊耶は思考を巡らす。
「あの、すーぱーぴんくの愛子ちゃんみたいな、おっぱいが大きい女のひとがすきですか?・・・ぼく、ぼく・・・」
泉はちらりとDVDデッキの方を見た。柊耶ははたと思い至って合点がいった。泉は同僚が柊耶に無理矢理持たせたアダルトビデオを見たらしい。タイトルは「愛子が癒してア・ゲ・ル」。
「泉・・・」
「ぼくも、ぱいずり、できます・・・っ」




「すーぱーぴんくの愛子ちゃん」とは柊耶の同僚のお気に入りのAV女優だ。泉の行動から愛子ちゃんが男優にいかに激しいフェラチオとパイズリ、手コキを施したのかは想像に易かった。デッキのそばに山積みにしておいた数あるDVDに紛れていたのだが、ひょんなことから今日の午後、泉はそれを見つけ、見たに違いない。
「ぁ、ひぁあっ・・・しゅぅちゃ」
柊耶の性器に胸を擦りつける泉。性器が、尖ってこりこりしている乳首を擦ると甘い声を上げる。淫靡なパイズリに、柊耶はどぷっと先走りを溢れさせる。
「ひぃんっ!ぬるぬる、しちゃ・・・んンっ」
泉の乳首が柊耶の先走りでてらてらと光る。いやらしくて、柊耶は知らず知らずのうちに唇を舐めていた。ふと見れば、泉の性器は勃起して、パンツに大きな染みを作っている。濡れた乳首を上下から指で弾くと、泉は声を上げてじゅわっと染みを広げた。
「・・・泉、一緒に気持ち良くなろうか」
柊耶に耳元で囁かれ、泉はうっとりと頷く。
「しゅうちゃん、だいすき・・・」




柊耶には、AVなど必要でなく、想像と右手で事足りていた。おかずは、小学生の、泉。いつからかなど、とうに覚えていなかった。気づいた時には、泉以外をそういった目で見ることができなくなっていたのだ。


床に組み敷き、少しむっちりとした白いふとももを開く。二本の性器を握り込んだ柊耶。震える泉の性器を、柊耶の性器がぐちゅちゅっと擦り上げる。
「ひにゃぁぁあんっ!しゅぅちゃ、あちゅいの・・・っ、らめでしゅ、らめ、らめぇっ・・・はにゅ、やぁぁあんっ!!」
二三度繰り返せば、泉は可愛く鳴いて射精し、失神した。


泉はベッドの中で目を覚ました。パジャマを着せられ、柊耶に抱きしめられている。
「しゅうちゃん・・・しゅぅちゃん・・・ぼく、しゅうちゃんを、いやせましたか・・・?」
すりすりと着痩せする逞しい胸に頬を寄せた。柊耶の匂いに包まれている。柊耶の泉を抱きしめる腕が強くなった。
「しゅぅちゃ・・・?」
ちゅ、とうなじに唇が落とされる。かぁっと泉は頬を染めた。泣きそうになる。
「・・・っ、しゅうちゃん、だいすきです・・・んっ」
唇を塞がれた。熱い舌が口の中をまさぐる。
「ん、はぁっ、ちゅ・・・ぁ、ん、はふ、は・・・」
柊耶は、とろんと胸にもたれ掛かった泉の髪に何度も唇を落として、好きだと囁いた。

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