バスタブ
どきっ☆双子ちゃんと温泉旅館
1
「もぅ、真も時雨君も真面目に勉強なんかしてないで遊ぼうよ~・・・」
折角遊びに来たのに、と柔らかそうな桃色の唇を尖らせる三枝実(さえぐさみのる)。備え付けの机に向かって勉強している、実と一見全く同じ顔をしているように見える三枝真(さえぐさまこと)は振り返った。二人は一卵性の双子で、違いと言えば、白く愛らしい顔に一つある黒子がそれぞれ違う位置にあるというだけ。
「悪いけど、時雨と勉強するから。実は市倉君と旅館ぶらぶらして来なよ」
にこりと、真は実が絶対しない笑顔で笑う。
「ぅ~。直毅、真がつれないよぅ」
「よしよし、実は俺と部屋についているというプライベートな温泉にでも浸かって、いちゃいちゃしようか。真ちゃん奪ったら橘平がカワイソウだ」
実の茶色くふわふわしている髪を撫でる、サーファーのような軽い雰囲気の男は市倉直毅(いちくらなおき)。少し長めの茶髪を一つにくくっている。
「てめぇは昼間っから・・・猿か?」
真の隣の引き締まった体の硬派な男、時雨橘平(しぐれきっぺい)がにやりと笑んで悪態をつく。
「俺は実一筋だからさ、見境ない猿と同じにされるのは心外だね。こちとら実馬鹿だから」
くすくすと笑いながら返す。橘平と直毅は何だかんだで付き合いの長い親友である。直毅はちゅ、と実の額に唇をつけた。頬を染める実の手を引いて奥へ消える。
「ん、じゃ、時雨、数学教えて。国語と英語は後でいいでしょ?頑張って教えるね」
橘平の得意科目は数学である。学校では教師達に恐れられている為に居眠りが黙認されている橘平。数学ができる理由は、彼の大学生の兄が高校教師志望で、弟を使って数学の授業の練習なるものに精をだしているからである。また、橘平自身の理解力も悪くない。
「時雨の教え方、僕のクラスの数学教師よりも分かりやすくて好き」
真がふふ、と微笑む。端整だが不良特有の仏頂面の下で、橘平は喜びを噛み締めた。
2
「直毅、僕ね、時雨君に真を取られたみたいで悔しいの」
「実は真ちゃん大好きだからね。・・・俺のことは好き?」
広いプライベートな浴室には、勿論実と直毅しかいない。実を膝に座らせて覗き込んでいる直毅。昔は女を取っ替え引っ替えしていた甘いマスクが、今は実にぞっこんである。実は赤くなって、直毅にぎゅっとしがみついた。
「お兄ちゃんのことは好きだけど、僕が恋してるのは直毅だもん・・・」
くりくりの大きな瞳で見つめる実。直毅は微笑んで、しっとりとした白い肌に唇をつけた。
「マジでいい湯だった。橘平と真ちゃんも晩飯の前に入って来なよ?」
浴衣に着替え、実の髪を拭ってやっている直毅が言う。国語を始めていた橘平と真の二人は真剣で、橘平の生返事が返ってきた。
「市倉君がババ持ってるでしょ」
毎回一番に抜ける勝負師の橘平に抱き込まれた真が言う。橘平は最早関係ないので、白く艶やかなうなじを堪能し、時折唇をつけてきつく吸ったりして浴衣姿の真を楽しんでいた。
「さぁ、どうでしょう?」
真の言葉を軽くあしらって笑う直毅の手札を、実が真剣に見詰めている。
「これ!」
しゅっと引き抜いた実。
「ぁ!」
確認した途端、悲しそうな顔をする実に、直毅は笑みを深めた。
「残念な実には慰めのちゅーをプレゼント」
和装の仲居さんが夕食を給侍する頃には、橘平と真も風呂を済ませ、実の希望により4人でのトランプをしていた。
3
お猪口を持って直毅に睨みをきかせる橘平。胡座をかいている膝の上には、猫のように甘えてくっつく真の姿。
「ん、しぐれ・・・」
ほんのりと淡く桃色の、白い肌。少し汗ばんでいるように思われた。
「・・・直毅、お前何したんだよ」
「んー?ちょっとお茶にお酒をね」
そう言う直毅もお猪口を片手に胡座をかいて、真と同じような状態の実を抱き締めている。
「・・・酒盛りは二人でしろって真が言っただろうが」
勿論高校生の客に旅館が酒を出すわけがなく、直毅の持ってきた酒だ。
「お酒飲んだことないからパスって二人して言うからさぁ。まさか乱れちゃうなんてねー。真ちゃんもエッチの時はいつもそうなんの?」
実の浴衣の下に手を入れてまさぐりながら、にやにやと橘平に体を擦り寄せる真を指差す直毅。
「見るな」
ぎらっと眼力を強くして、ぎゅっと真を抱き締める。
「さすが、親衛隊どもにまで虎の時雨とか何とか言わせるだけあるね、橘平。束縛してそう。時雨が恋人って発覚して真ちゃんファンがどれだけ泣いたか」
真と実には親衛隊があったりする。
「まこと・・・?まことがいなぃ、まこと、どこ?」
不意に、実が直毅の腕から抜けた。不安からか、泣いている。
「ん、みのる・・・?呼んでる、しぐれ、みのるが、よんでる」
真も、時雨から離れて、実を探す。二人はきゅうっと抱き締めあった。
4
畳に膝をついて向かい合うと、手を取った。ちゅぅとどちらともなくキスをする二人。真に橘平が、実に直毅という恋人ができる以前は、二人で触り合ってキスすることをよくしていたと双子はお互いの恋人に告白していた。
「ちゅ、ぅ・・・む、はむぅ」
「ん、ちゅ・・・は、まこと・・・」
お互いに浴衣を乱して、下着を少し下ろす。実は白い普通の下着だが、真は小さく黒い、女の子の穿くような下着。にやにやと二人を見ていた男は、唾を飲んで二人を見ていた男をちらりと見た。
「そーゆー趣味?可愛いの穿かせてんね。やーらしいの」
「いや、俺じゃない・・・」
橘平は真に下着について何か言ったことはなかった。
「ふーん。じゃ、今晩はいっぱい可愛がってってアピール予定だったのかも」
直毅の言葉に橘平はかっと体温が上がった気がした。脱衣場で、隠れるように真は着替えていた。
「真・・・」
橘平は、直毅にべったりと甘える弟を見ながら不安そうな顔をしている真を、時折見ることがあった。素直じゃなくてごめんね、と泣いた時もある。橘平はそんな真も、全部好きだ。
「ぁ・・・ん、ぁ・・・みのる」
「は・・・ぁ、ぁ、ひ・・・」
互いに腰を押しつけ合う真と実。少し勃起し始めた性器がちらちらと覗く。
「はーい、実、ストップ。こーゆーことは恋人がいる時はお兄ちゃんとしない約束でしょ?」
直毅が実を真から引き離す。橘平も真を後ろから抱き締めた。
「しぐれ・・・?」
5
「真、真・・・」
キスを受けながら何度も低い声で自分の名を呼ばれていた。元々多くのアルコールを摂取したわけでなく、段々と真の酔いが覚めてくる。
「ん、んふ、ちゅ・・・ふ・・・はぁっ・・・しぐれ」
橘平はキスで完全に勃起した真の性器を知りながら、下着をしっかりと穿かせた。きつい下着に、真はかぁっと頬を染め、涙目になる。自ら穿いてきたことを思い出す。そして、橘平に知られた。
「なぁ、何でこんないやらしいの穿いてるんだ?真・・・」
耳元で問い詰める声。真はぞくんと震えた。
「・・・しぐれ、が、よろこぶかとおもって・・・」
「つまり、やらしい格好で誘おうとしたってことだな?」
こくりと頷いた真に、橘平は誘われた、と呟いた。
「俺にやらしいことされたくて、そんな格好してる真・・・興奮しないわけがないだろうが」
下着の上から大きな手で真の性器を揉む。
「ひぁ、ゃぁぁ・・・!きゃぅぅ」
真が涙を流す。橘平が大きく開いてしまっている浴衣の合わせから覗く乳首に噛みついていた。
「たまんねぇな・・・」
一方真を組み敷く橘平とは別に、直毅もまた実を愛撫していた。実の体に見合った小ぶりな性器を口に含んで、ねぶる。
「きゃぁあっ、なおき、らめ、らめぇぇっ、いっちゃ、でちゃ・・・ひぁぁぁーっ!」
快楽に弱いそれをちゅ、と軽く吸って、直毅は実の精液を嚥下した。
「は、ぁ、ふ・・・なおき、の、ぼくもする・・・」
6
「ちゅ、ん、はむ・・・んく、ふ、ぅ」
ちゅくちゅくと実の愛らしい唇と舌が直毅の大きな性器を愛撫する。実は回を重ねて慣れることはあっても、余り上手にはならない。口が小さいこともあるが、直毅を気持ちよくさせるという意識よりも感触を楽しむ方に意識が向いているから。そんな実の表情は酷くいやらしい。
「おチンチン大好きって顔してる」
「ん、ふ・・・くふんぅ」
ちゅと口を離して、小さな舌で丁寧に裏筋を舐め上げた。
橘平が下着を指でずらして、アナルにローションをかけた。解していく。
「・・・っくぅ、ん・・・ひぁ、ぁん」
「可愛い顔・・・」
乳首を舐めて、可愛がってやる。
「しぐ・・・ふ、ぁ・・・むね、やだ・・・」
「・・・名前で呼べよ。つか、乳首触ったらアナルがキュンキュンしてんのに、そりゃねぇだろ」
くりくりと指先で、ぴんとたったベビーピンクの乳首をこねる。真はひくひくと悶えて、悩ましげな瞳を向けた。
「ぅ、ふぁ、だめぇ・・・」
「・・・あ゙ー!!くそったれ、大人しくしねぇとパンツこのままでハメっぞ」
顔を真っ赤にして、色っぽすぎんだよ、と畳に拳を殴り付ける。
「?きっぺい、のすきにしていいよ・・・?」
不思議そうに橘平を見つめる真。
「ひきゃぅうっ、ぁ、ぁ・・・っ」
いきなり入ってきた熱に、震えた。首筋に噛みつかれている。獣のような荒々しさで、真は抱かれた。
7
出し入れされている剛直が、ローションのせいかぬらぬらと光って見えた。橘平に犯される兄を見て、実は直毅に抱きついて挿入をねだる。
「お風呂で散々したのに、まだしたいの?」
からかう声色に、実は少し瞳を潤ませる。直毅は実の性器をつついた。
「ひぁ、ん・・・なおきのおちんちん、で、ぐちゅぐちゅ、してほしいの・・・」
「ぐちゅぐちゅ、ね・・・。お兄ちゃんのエッチ見て、お尻がうずうずしちゃった?」
橘平、獣みたいだ、と笑う。実はこくりと頷いた。
「でも俺はあーゆーのは無理。とろとろのふにゃふにゃな実に興奮する性質だから」
色男が微笑む。実は頬を染めて、再び頷いた。
室内に噎せ返るほどの淫靡な空気が充満する。
「ひゃぁぁっ、きっぺぃ、きもち、ょぅ・・・ぁ、ぁ、ん・・・」
「なぉ、なお・・・もっとちょうだぃ・・・は、ふにゅぅ・・・」
双子は彼氏をくわえ込んで、淫らに煽る。一晩中ねだって、いやらしい汁を搾った。
布団で眠る双子の横で、二人の男が話をしていた。
「なぁ、橘平。ダブルデートって中々良いな」
「あぁ。また旅行の予定立てるか?」
「賛成。次はネズミの王国なんてどうだろ」
「ランドのホテルか・・・高つくな」
「別にランドのホテルじゃなくてもさ、ビジネスホテルとかでもいいだろ?ただ、風呂が小さいのがネック」
「・・・待てよ、ランド歩き回ったら、夜は疲れて寝るかもしれんぞ」
「あー・・・特に実。はしゃぎそうだし。じゃあ、・・・やっぱり旅館か」
「だな」