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ひねもすあまなふ



霊妙な龍笛の音色に、宴に集まった帝や公卿、殿上人たちはうっとりと聞き惚れていた。龍笛を奏している黒い束帯の男は内大臣、名を青桐(あおぎり)という。帝のはらからの弟であるが、骨肉の争いには毛ほどの関心もない。管弦の才と類い稀な美貌に恵まれた青桐の心にあるのは、音楽だけ。青桐はそれが天命であるかのように、飽きることなく屋敷に籠って楽器を奏している。左右大臣が勤勉に出仕している限り内大臣が政務に関わることはなく、青桐は管弦の宴の際にしか参内しない。

曲が終わり、皆が余韻に浸った。
「内大臣様、今の曲の名は?」
存じ上げない曲でしたわ、と一人の女御が夢心地のまま問うた。
「私が作った曲です。名はありません」
美貌の青桐、その声も美しい。感嘆する声があちらこちらから聞こえた。帝が笑う。
「・・・時に青桐よ、元服して5年になるというのに、管弦だけが恋人では寂しくはないか。そろそろ妻をめとってはどうだ」
多くの女御や更衣が一夜だけでも良いから青桐と褥を共にしたいと憧れているにも関わらず、青桐には正室や側室はおろか、浮わついた噂の一つもない。かつては青桐が慮っているのだと考えていた帝だが、3人の皇子に恵まれた今では青桐がなぜ女人を寄せ付けようとしないのかがわからなかった。
「主上、お心遣い感謝致します。しかし、私が妻をめとることはございません」
青桐はそう言うと、静かに頭を下げた。



森の澄んだ空気に青桐の龍笛の音が溶けた。幼い頃、森で龍笛を奏すようにと夢で告げられた青桐は、早朝に森で龍笛を吹く。いつもは荘厳な森が青桐の龍笛の響きを吸うのだが、今日は違っていた。青桐の龍笛の音に、流麗で深い琵琶の音が寄り添った。青桐は立ち上がり、歩く。龍笛を吹きながら琵琶の音の源を探した。

菩提樹の根本、透き通るように白い肌の子どもが瞳を伏せて琵琶を奏しているのを見つける。龍笛の音が消えたことを訝しみ、子どもはその面を上げた。宵の闇のような黒い瞳が、青桐を見た。




子どもは瞳を潤ませ、琵琶をぎゅっと抱き締めた。青桐はしゃがみ、子どもに名を問う。
「あずる・・・」
あずるは年齢や棲んでいる所などの問いには泣きそうな顔をして首を振るばかりだった。では、と青桐は問いを変える。
「また、琵琶を奏してくれるか」
あれほどまでに自分の龍笛の音に調和する音を、青桐は他に知らない。


天候の良い日が続いている。青桐はあずるに会うため、欠かすことなく森の菩提樹へ通っていた。以前の青桐は早朝に屋敷を出れば遅くても昼には帰って来ていたが、最近は帰りが遅い。青桐の屋敷で奉公する雑色たちの間では、森に女を囲っているのではないか、森の精に魅入られたのではないか、など様々な憶測が飛び交っていた。しかし、日々一層の輝きを増しているように思われる主人に、悪いことは起こっていないのだろうという見解は一致していた。



龍笛を吹いて、とあずるがねだる。何曲目かなど、とうにわからない。青桐は笑み、孔に唇をつけた。あずるも、撥で琵琶の弦を弾く。美しい音が響いた。
「ぁ・・・」
あずるが琵琶の撥を止める。ざあ、と急な豪雨が山を襲った。巨大な菩提樹の下のふたりに降るのは、霧雨。
「しばらくすれば止むだろう。・・・あずる?」
顔を隠すようにうずくまっている。
「どうした」
青桐は震えるあずるの小さな手に触れた。その冷たさに驚く。
「・・・!」
青桐は瞠目した。
「ゃ、ゃ・・・、青桐さま・・・っ」
青白い肌が、ぼんやりと光っている。
「みちゃ、だめ・・・っ」
青桐は抵抗するあずるを組み敷いた。光る肌。角度によっては鱗があるように見える。
「そなた、人ではないのか」
驚きながらも、どこか納得したような声色だった。あずるは抵抗を止めた。ぽろぽろと涙を流す。涙が濡らした部分の肌は、真珠のような青みがかった白銀の輝きを放っていた。青桐はあずるの頬を撫で、その肌に指を這わせた。指先に細く浅いが溝が感じられる。
「・・・龍の子か」
泣きながら、あずるはこくんと頷いた。
「なぜ泣く。楽の音に、人も龍もないだろう」
青桐はいとおしそうに、あずるの手に唇を落とす。地面に落ちた撥を拾い、小さなその手に握らせた。




降り続く雨に、菩提樹の下も湿度が上がる。あずるの肌は水に反応して輝いていた。胡座をかいた青桐の膝の上に、向かい合うようにして座っている。水干から露出した肌には、うっすらと鱗の模様が見えていた。青桐はそれを、美しいとすら感じている。
「・・・また、森へ来て龍笛を奏してくれますか?」
潤んだ瞳で青桐を見上げる。いつぞやの自分の台詞に似ていて、青桐はくすりと笑んだ。あずるの琵琶に触れる。
「私の龍笛の音に合わせて、あずるが琵琶を弾いてくれるなら」
あずるの琵琶の音を知ってしまった今、独奏など物足りない。青桐はそうあずるに囁いた。あずるは頬を染めて、震えた。
「はい・・・」
とくとくと心音がしている。



あずるが龍の子だと判明した後も、青桐は変わらず森の菩提樹へと通い続けた。雨の日もいとわない。寧ろ、雨が降ると心なしか普段より機嫌良さげに屋敷を発つ主人に、雑色達が首を傾げる程である。


青桐があずるの琵琶で一曲奏した。あずるは閉じていた瞳をゆっくり開く。息を吐いた。言葉がでない。青桐が龍笛だけではなく琵琶も弾きこなすとは知らなかった。加えて。
「・・・あんな音が出るなんて・・・」
あずるは青桐から受け取った琵琶を撫でた。
「私もあずるの音を聴いたときは驚いたものだ。師はやはり龍か?」
あずるは頷く。
「琵琶を教えてくれたのは、おじいちゃんです。・・・青桐さまの夢に通じて、この森に呼んだのも」
龍が森に人を呼んだのは、青桐さまが初めてです、とあずるは言った。告げの主は龍だったのか、と青桐は思う。
「・・・あおぎりさま、ぁの、」
青桐の様子をうかがいながら、おずおずとあずるは口を開いた。明後日に行われる自らの元服の儀で、龍笛を奏して欲しいと言う。


龍の元服の儀は15歳の誕生日に行われる。成長は遅く、あずるの見た目は、人間の子どもならば10歳程でしかない。




案内するあずるの後に続き、青桐は森を進む。あずるの元服の儀は、森の奥深く、龍しかその存在を知らない湖で行われるという。


「ようこそ」
青桐を迎えたのは青い装束姿の男だった。
「私はあずるの父です。あずるから話を聞いています。この子のためにこのような場所までいらして下さってありがとうございます。この森に龍笛の音を響かせているのがあなただということも、勿論存じ上げております。百年に一人の名手でいらっしゃる。どうぞこちらへ。・・・あずる、準備をなさい」
あずるは青桐の足に一度ぎゅっと抱きつくと、奥へ消えた。
「あなたのことが本当に好きらしい」
あずるの父は微笑む。青桐を連れ、湖へ向かう。ほとりには、既に人が集まっていた。
「あずるは水龍です。今日集まっている者も、あなたの他は皆水龍です。人間でいうところの一族だと考えて頂ければよろしいかと」
青い装束の龍達が、黒い衣冠の客人を歓迎した。
「青桐殿!まさかこうやってお会いすることができようとは」
老人が嬉しそうに青桐の手を取る。
「あずるの祖父です。私達水龍の長でもあります。ご存知のことと思いますが、あなたの龍笛に惚れ込んでいる。・・・まぁ、極上の笛の音に、聞き惚れない龍などはいないのですがね」
あずるの父の言葉に、青桐は光栄に思っている旨を伝えた。謝辞を述べる。


湖に向かって最前列、真ん中の座が青桐の席だった。あずるの父は晴れ晴れとしている空を見上げ、言う。
「よく晴れていますね。水龍の元服の儀にふさわしい日和です。・・・さて、もう暫くで始まります。あずるが現れたら、龍笛を奏してください。曲は何でも構いません」


日の光が柔らかく、湖を照らしていた。あずるが湖の中央に降り立つ。小さな身体は、透けるように薄い白の衣を纏っている。黒い瞳が青桐を見つめた。潤んでいるように見える。

青桐は、龍笛の孔に唇をつけた。

鏡のように静止している湖に小さな白い足で波紋を作りながら、龍の子が舞う。その足元へ真っ直ぐに茎が伸び、濃緑の葉をつけた。数多の蕾が膨らみ、薄桃色の花が開く。急激な成長を見せたのは、美しい蓮だった。雨が降る。雨は、龍の子の肌を濡らした。


「水龍の雨乞いの舞です。これであの子も立派な水龍の仲間入りを果たしました。青桐殿、感謝します」




儀式の後には宴が設けられた。皆が円になっており、あずるの祖父が最初に簡単な挨拶をした。あずるは一人一人に酒を酌して回っている。青桐は久々の賑わいに目を細めた。あずるとの管弦の遊びに夢中で、古くからの知己の催す宴はおろか兄帝が催す宴にも足を運んでいなかった。
「青桐さま」
円を一周し酌を終えたあずるが青桐を伺う。誰よりも先に満たした青桐の器の酒は、空になっていた。徳利を傾け酒を注いだあずるに、青桐は問う。
「・・・寒くはないか?」
雨水に濡れた衣が、あずるの肌に張りついていた。寒さを感じさせることはないが、雨乞いの舞の薄い衣装はあずるの裸体を隠すことを知らない。あずるは、かぁっと頬を染めた。今更な反応にふっと口許を緩めて、青桐はそんなあずるの手を引きその胸に抱き込む。
「美しい舞だった」
微笑まれ、あずるの心臓は激しく脈打った。嬉しい気持ちに比例するように、罪悪感が頭をもたげる。あずるは、青桐に伝えていないことがあった。あずるが逡巡していると、青桐の前にあずるの父が座した。
「青桐殿、この子のために龍笛を吹いて下さって・・・この子をつがいに選んで下さってありがとうございます。あずるは、あなたが龍笛を吹きに森へいらして下さるようになってから、あなたを好いていまして・・・」
あずるは青ざめ、かたかたと震えた。青桐は黙って聞いている。
「楽一筋のあなたにあずるが恋をしたのを知って、祖父はあずるに琵琶を教えました。人間は一夫多妻と聞きますが、あなたがあずるを大切にして下さるように、それはもうみっちりと」
にこやかだが、我が子を手放す辛さが滲んでいた。


青桐は震えるあずるの髪を撫でる。先程、あずるの祖父と4人の兄龍が青桐に挨拶に来た。
「・・・元服の儀式で龍笛を吹くのは、元服する龍の伴侶と決まっているのか?」
青桐が静かに問う。あずるの家族の話から推測されたことだった。青桐の胸に顔を埋めていたあずるは、こくりと頷く。怒っていないから、顔を見せて欲しい。そう言おうとした青桐は、突然の目眩にふらついた。酷い眠気だ。
「あず、る・・・?」
涙を纏い潤むあずるの瞳を見る。綺麗だと思った。




龍笛は、龍なら誰もが子どもの時に親に習い、一通り吹けるようになる楽器だ。

幼いあずるは、早朝の森に響く龍笛の音が好きだった。その音は、どの龍の奏す音でもない。不思議に思ったあずるが父に聞けば、祖父の呼んだ人間が森で龍笛を奏しているという。

早朝、あずるはこっそり龍の棲みかを離れた。音を追い、森を行く。そこには、凛とした雰囲気のある美しい男がいた。以来、あずるは隠れて男を眺めるようになった。

好きで好きで、男を思うと胸が苦しくなる。あずるは祖父に相談した。上手に楽器が弾けたら、男もあずるに興味を持ち、好きになってくれるかも知れないと祖父は答えた。その日から、あずるは祖父に琵琶を習い始めた。祖父があずるを一人前の琵琶弾きとして認め、人前で奏することを許可したのは、丁度、元服の儀式の一ヶ月前だった。

いきなり会うのは躊躇われ、菩提樹の下に腰を据えた。暫くすると、いつものように森に龍笛が響いた。あずるは琵琶を奏した。音を鳴らせば、いつか探しに来てくれるかもしれない。そう思った。龍笛に合わせ琵琶を弾く。あずるは瞳を閉じて集中した。不意に龍笛の音が消え、あずるは顔を上げる。

男は、青桐と名乗った。自分にまた琵琶を奏して欲しいと言った。あずるはそれだけで、天にも昇る心地がした。その後は、予想しなかったような幸せな日々が続いた。あずるが龍であることを知っても、青桐は態度を変えなかった。


「あずる、そろそろつがう者を決めなければいけないよ」
父の龍が言った。元服の儀が迫っていた。元服する龍は儀式で雨乞の舞を踊る。その龍のつがいが舞のための龍笛を吹くのは、古くからのならわしだった。儀式の後には、夫婦の契が交わされる。夫婦の契はまじないだ。引力のようなもので、ある一定の距離以上、つがいを離れられなくする。今までのように青桐に会いに行くことはできない。いっそ青桐がつがいになってくれたなら。そう思った瞬間、あずるはその考えの虜になった。しかし、自分は龍で男、青桐は人間の、それも帝の弟だ。いくら琵琶を上手に奏しても、手に入る筈がない。あずるは4人の兄を頼った。


あずるは青桐に元服の儀の龍笛を依頼した。ごめんなさいと何度も心で唱え、わざとならわしのことは言わなかった。返事は是。その日の晩に父と祖父に報告した。相手が人間であることに驚きはしたものの、2人はあずるに心からの祝詞をささげた。かねてからのあずるの気持ちを知っていた祖父は大いに喜んでいた。
「夫婦の契は兄さん達に教わりなさい」
あずるは頷く。もう教わっていた。




目を覚ますと、青桐は知らない部屋の寝台の上にいた。両の手首は後ろ手に縛られ、裸のあずるが股間に顔を埋めている。身体の至る所に痺れるような感覚がしていた。
「あずる」
あずるの小さな唇が、青桐の性器を扱いている。戸惑いもなく舐めまわし、先端から溢れた汁をちゅぅと吸った。性器に添えた手で陰茎をくちゅくちゅと擦る。管弦に一筋だった青桐とて、あずるが何をしているのかがわからないほどの無知ではない。
「・・・っは」
快楽にのけ反った。勃起してびくつく性器を、あずるは愛しげに撫でる。
「・・・あおぎりさまは、あずるとめおとになるの・・・」
膝立ちになり青桐に跨がった。性器を孔に宛がって、あずるは腰を落としていく。孔はちゅぷ、と亀頭を飲み込んだ。
「ぁ、ぁ・・・ん・・・」
小さな可愛らしい性器からとろりと透明な汁が漏れる。あずるは兄龍達に教わり、毎晩孔を張り子で慣らしていた。今、待ち望んだ愛しい人が自分の中にはいっている。そう思うと、気持ち良すぎてどうにかなってしまいそうだった。内ももが震えて、足の力が抜けた。
「ん、ひゃ、ぅ・・・っ」
ぐちゅちゅっ、と青桐の性器が中を擦りながらみっちりと管に納まる。あまりの快感に、声も出ない。あずるは腰を震わせてぴゅくぴゅくと射精した。幼い裸体が淫靡にくねる。
「はひ、ぅ・・・あおぎりさま」
はぁはぁと息を乱して、射精の余韻に腰を揺らした。汗でしっとりと潤む肌は、ほんのりだが煌々と輝いている。
「っはぁ・・・あずる、腕の縄を解いてくれないか」
わからないことだらけだが、青桐の精神は乱れていない。あずるの快楽にとろけた瞳を優しく見つめて、頼んだ。あずるはいやいやをする。
「では答えてくれ。・・・なぜ、私は縛られている」
「・・・あおぎりさまと、めおとのちぎりをかわすためです・・・しばらないと、あおぎりさまは・・・」
ほろほろと涙が溢れて、あずるの頬を濡らした。
「・・・それで、これがその夫婦の契なのか?」
青桐は結合部を見やった。あずるは頬を染める。首を横に振って、言った。
「あずるのなかに、せいぇき、を、いっぱぃ、かけてもらうの・・・」
青桐はずくりと腰に熱が集中するのを感じた。
「・・・喜んでかけさせて貰うとしよう」
だから腕を、と青桐は言う。想定し得なかった青桐の申し出に、あずるは混乱した。
「・・・っ、めおとのちぎりはまじないで・・・かわすと、いっしょう、はなれられなくて・・・」
初めて聞く。驚かなかったわけではないが、青桐はばっさりと切り捨てる。
「構わない。湖で龍笛を奏した時から既に、あずるは私の伴侶なのだろう?」
あずるの額に口づけた。
「・・・構わない。私の心はあずるのものだ」




まだ指先に若干の違和感があるものの、身体の痺れは殆どなくなっていた。青桐はあずるを組み敷く。
「・・・あずる、口づけても?」
拘束の解かれた手があずるの頬に優しく触れた。右手の親指が柔らかな唇を撫でる。唇を薄く開いてこくこくと頷くあずるに、青桐は笑みを漏らした。


「はぁん、ぁん・・・あおぎりさまぁ」
気持ち良さそうに悶えるあずる。青桐の首に腕を回し、腰を振る。
「・・・すき、すきぃ・・・」
青桐を離すまいとばかりにぎゅっと腕に力を込め、首元に顔を寄せた。青桐は苦笑して言う。
「そんなに強く抱きつかれては動けないだろう?」
はっとして、あずるは恥ずかしそうに腕を下ろした。寂しそうな小さな手。青桐はその手に自らの手を重ねた。あずるの唇を濃厚な口づけで塞ぎ、あずるの良い所に腰を打ち込む。
「ん・・・ちゅ、ふ・・・ぁひ、ぅ、んん・・・ん・・・っ」
力なく震える舌を舐めあげて、唇を解放してやった。あずるは全身を痙攣させて泣く。
「ひ、ぅ・・・しょこ、ばっかり、らめぇ、ひく、ふぇ・・・あずる、ぃっちゃ、の・・・」
いやらしく濡れる小さな性器が、ぱんぱんに張り詰めている。
「イけばいい」
囁く青桐に、あずるは首を振った。
「・・・いっしょがいいの・・・」
ぐんと中で大きくなった青桐の性器に、あずるは嬉しそうに身をよじる。青桐はあずるの涙を舐めた。
「ぁ、ぁ、ん、あおぎりさま、ぁっ、ぁぁあん、おちんち、ごりゅごりゅ、しゅごぃの・・・」
汗があずるの肌を輝かせる。
「んぅ、あおぎりしゃまぁ・・・」
幼くも色めく恍惚の表情に、青桐はぞくっと腰を震わせた。
「っく・・・あずる・・・」
びゅくびゅくと流れ込む体液。
「・・・ん、ひぁぅ、ひゃぁぁ・・・」
爪先を丸める。ぴくぴくと震え、あずるも射精した。



青桐が疲れて眠ったあずるを撫でているところへ、あずるの兄達が入ってきた。青桐の様子に嬉しそうに微笑む。
「良かった。あなたを殺さずに済みます」
安堵の表情を見せた長兄。青桐を無理矢理伴侶にする計画を提案し、酒に混入する薬を調合したのも、青桐をこの部屋に運んだのも自分達であると明かした。
「無理矢理契りを交わしても、心がなければ共には生きられません」
長兄の腰には短刀が光っている。次兄が青桐に今後を問うた。
「私の屋敷に住まわせようと考えています」



雑色達は青桐が連れてきた「妻」に驚いた。美しいが、男の童。何を世迷い言を、と思った。しかし、その琵琶の音に納得せざるを得なかった。音楽を愛する青桐を良く知る雑色達は、青桐が美しい音色にかしずかずにはいられないことを知っている。

屋敷には、龍笛と琵琶の音が響いていた。

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