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イン・ザ・プール



「伸二、聞いたか?俺とお前が監視する土曜日は塩素残留濃度が極端に下がるんだそうだ」
どうしてだろうな?と首を傾げる茶髪のイケメン。
「・・・恐らくは、女性の利用者が増えるからだ。化粧を落とさずにプールに入る女性客が多いと、塩素残留濃度は低下する。プールの衛生が保たれていない状態になる」
そう言うと飯田秋信(いいだあきのぶ)は頷いた。
「へぇ、知らなかった。あ、伸二、それ新しい?」
腰から足首までを覆う黒い競泳用のロングチューブの水着を着用した俺を見て、秋信が言う。
「ああ、スポンサーの新作らしい」
「いいなー、マジかっちょいい」
「秋信のスポンサーは送って来ないのか?」
スポンサーの愚痴を言い始めた秋信。俺は灰色のパーカーを羽織った。

俺、鷺沼伸二(さぎぬましんじ)は土曜日の公営プールで監視員のアルバイトをしている。プールの一般開放は夕方の4時までで、その後にスイミングクラブが予定されており、俺も秋信もアルバイトの後はそのままクラブに顔を出す。



時計を見た。タワーと呼ばれる梯子のある椅子に座って監視を始めてからもうすぐ1時間になる。10分間休憩をさせる為に笛を鳴らした。監視員は、タワー、パトロール、コントロール、エントランス、レストの5つのポイントを交代で回る。俺はタワーを降りた。
「お兄さんは、アルバイト?」
「この後はどうするんですか?」
カラフルな水着を着た女子高生らしき集団に声をかけられた。
「悪いけど、用事あるから」
冷たくあしらい、プールサイドを歩いた。大きな水音と小さな悲鳴が響く。水深2メートルのプールで子どもが溺れていた。




ピーッと笛の音がして、プールから上がります。
「菊池って全然泳げないんだな」
本当にお前の母ちゃん菊池桐子(きくちとうこ)なのかよ、と砂川君が言いました。僕、菊池満(みちる)の母はかつてのオリンピック女子競泳選手です。だけど僕は、運動が苦手で、泳ぐのも苦手です。頷いた僕に、砂川君達はにやにやしました。
「おっとぉ、手が滑ったぁ!」
どん、と押されて、僕はプールに落ちました。
「ふ、ぇ」
足がつかない。嘘、嘘。そう言えば、小学生の使うプールの隣は水深2メートルの大人の深いプールだったっけ。砂川君達がいる方へばた足をするけれど、僕の体は浮き沈みしながら、プールの縁から遠ざかっていきました。死ぬのかな、と思った僕が最後に見たのは、かっこいいお兄さんが、パーカーを脱ぎ捨ててプールへ飛び込む姿でした。


気がついたら、プールの監視室にいました。昔、お母さんがクラブでコーチをしている間よくここで待っていた覚えがあります。
「・・・桐子さんの・・・が、友達・・・」
人の話し声が聞こえました。見ると僕を助けてくれたお兄さんが携帯で電話をしています。綺麗に筋肉がついた引き締まった後ろ姿。水滴が流れているのが見えます。振り返ったお兄さんと目が合って、どきんとしました。
「今、目が覚めたみたいです。代わります。・・・君のお母さん」
携帯を手渡されて、促されるまま耳に当てます。
『満、大丈夫?優秀な監視員がいるうちのプールだったから良かったものの・・・。鷺沼君にありがとうございますってちゃんと言ってね』




色の白い愛らしい子ども。タオルで体を包むと、まるで少女のようにも見える。桐子さんの息子なら以前はよくクラブに見学に来ていたので知っていた。確かにあの頃の面影があるような気がする。暫く見ない内に大きくなった、と考えていると、少年、満は電話を切った。
「ありがとうございました。あの、砂川君達は・・・」
「反省しているようだったし、一般開放の時間は終わったから帰らせた」
言えば、満はほっとしたような表情を見せた。
「伸二、例の子は」
扉を開けて、監視室に秋信が入ってくる。
「お前っ!こんな可愛い女の子に人口呼吸をっ!何て羨ましいんだっ!!」
「落ち着け。女の子じゃない。桐子さんの息子だ。昔よく来てただろ?」
「んん?」
秋信が不躾な視線で満を見た。居心地悪そうな満。
「あー!満かぁ!俺のこと覚えてる?飯田秋信」
首を振った満に、落胆する秋信。苦笑する。こちらはコーチの息子ということで少し意識して見ていたかもしれないが、満は母親を待つ為に監視室にいただけなのだから当たり前だと思われた。名前など知っている筈がない。恐らく俺のことも覚えていないだろう。
「もう直ぐクラブの時間だし、桐子さんも来る。君の着替えはそこだから」
俺はロッカーから移動させた満の服を指した。監視室の幅が広く大きなガラス窓からはプールがよく見える。既に数人の生徒とコーチが集まっていた。俺達もそろそろ行かなければならないだろう。俺は秋信と一緒に監視室を出た。




鷺沼さんと飯田さんがプールサイドでストレッチしています。僕は、様になる2人をじっと見ていました。そう言えば、僕、人口呼吸されたんだ。鷺沼さんは男の人なのに、どきどきしました。
「満」
お母さんが監視室に入ってきて、僕をぎゅっと抱き締めます。よかったと繰り返すだけで、溺れたことや、砂川君達については何も言いませんでした。僕の視線の先を見て、微笑みます。
「あの2人はね、うちのクラブの古株よ。小学生の時からずっと2人で競い合ってて、面白いの。泳ぎもピカ一、顔も良いしで、競泳雑誌に個人のコーナーを持ってる。たくさんの若い競泳選手が2人のトレーニングメニューを参考にしてるくらい」
誇らしげなお母さん。
「ねぇ、まだ幼稚園児だった時、ここでお母さんを待ってたの、覚えてる?」
ふふ、と微笑むお母さんに、僕は頷きました。覚えています。


練習が終わって、皆がプールから帰っていきます。鷺沼さんだけが残りました。
「お母さん、鷺沼さんが残ってる」
「いつものことよ。満、見てく?彼は本当に凄いの」


プールに入った鷺沼さんはクロールを始めました。壁を蹴った後の足が水面を叩くことはありません。綺麗な手の動きが、ゆったりと水を掻く。水を割いて、進んでいく。静かでした。
「クールダウンなんですって。・・・500メートルもよ。信じられる?」
お母さんは楽しそうに目を細めました。
「もしかして、鷺沼さんはずっとこれを続けてる?」
僕はこの美しい泳ぎも、覚えていました。




「ここんとこずーっと来てんね」
秋信が見る方向には、満。桐子さんがコーチとして参加する日はもちろん、そうでない日も監視室で見学している。俺が毎回行っているクールダウンまで見てから帰るようだった。


500メートル泳ぎ、水から顔を上げる。ゴーグルをあげて、監視室を見た。満がいる。手招きして呼んだ。
「いつも最後まで見てる?」
頷く満。
「ごめんなさい」
「いや、構わない。・・・明日から水着持っておいで」


桐子さんに許可を貰い、毎回行っているクールダウンの後に水泳を教えてやることにした。


「鷺沼さん」
たたっと水着姿の満が俺に走り寄る。
「お願いします」
「ああ」
わしゃわしゃと頭を撫でると、満は嬉しそうにふにゃっと微笑む。
満は、プールサイドに座って、俺のクールダウン代わりの手抜きクロール500メートルが終わるのを待つ。監視室にいていいと言ったのだが、満は近くで見たいと言い、断る理由もないのでそうさせている。

俺が満に施したのは水に慣れるためのレクリエーションで、数回で満は水に慣れた。今は、プールで遊ぶ満が溺れないように見ている。
満は疲れると俺の元へ帰ってきて、首に手を回して抱きつくことで休む。秋信が見たらからかわれそうな上に、俺も満更じゃないので困る。少し息の上がった満。濡れた長い睫毛を見下ろしていると、変な気分になった。

苦笑する。このままでは桐子さんに申し訳がたたない。

「そろそろクロールでも教えようか」




僕は鷺沼さんの首に腕を回し、抱きついてうっとりしました。肌と肌がくっついて、気持ちいい。人口呼吸された時のことを覚えていないのが残念でした。きっと、唇が凄く気持ちよかったに違いないです。
「そろそろクロールでも教えようか」
首にしがみついた僕の濡れた前髪を横に流しながら、鷺沼さんが言いました。鷺沼さんのクロールは、僕の憧れです。


クロールを習い始めた僕は、深いプールしか用意されていない日を除いて、毎日クロールを練習しています。もちろん鷺沼さんのようにはできないけれど、クロールで泳げるようになってきました。
「上手くなったな」
撫でられて、ふわふわします。僕の鷺沼さんの唇への欲求は日に日に高まっていきました。溺れたら、きっとまた人口呼吸をして貰える。でも、騙すのは嫌でした。僕はひたすら毎日我慢します。

キスしてください。こう言えたら、どんなにいいだろう。僕は人口呼吸のもうひとつの意味を知っていました。だけど、僕は男だから。女の子だったら良かったのに。

僕は自分の気持ちに気づきました。鷺沼さんのことが好きなのです。


いつものように鷺沼さんの綺麗なクロールを見ながら、僕は涙を堪えました。今日、僕は告白しようと思います。

だからきっと、今日が鷺沼さんに会える最後。


泳ぎ終えて、水から顔を上げた鷺沼さんに、僕は言いました。




「僕、鷺沼さんが好きでした」
泣きそうな顔をする満。言い逃げるつもりらしく背を向けた満を、俺はプールに引きずり込んだ。クロールを教え始めてからは、専ら隣の浅いプールを使っていた。水に慣れたとは言え、深いプールがまだ怖い満は、咄嗟に以前のように俺にしがみつく。
「聞き捨てならないな」
怒られると思っているのか、満はぽろぽろ涙を溢した。
「好きでした、って過去形?今は嫌いですって意味?」
問えば、ふるふると首を振る。可愛い。抱き締めた。驚きに見開かれた大きな黒い潤んだ瞳。俺はそこから溢れた涙を、舐め取った。


「ちゅく、ん、ん・・・」
舐めて、吸って、舌を絡める。満の気持ち良さげな表情を堪能しながら、キスをした。
「ん、ちゅ・・・はふ、ぅ」
「・・・キス、好き?」
こくこくと頷く満。
「すき・・・。ずっと、きすしてほしかったの・・・」
可愛い。ひくん、と震えた満。俺はその足の間に手を伸ばした。
「ぁ、ゃ・・・おちんちんは、だめぇ」
水着の中に手を差し入れる。小さな性器が勃起していた。
「キスだけで固くなってる」
囁くと、何も知らないらしい満は、不思議そうに首を傾げた。


「はにゅ、ぁ、はぁ、ん・・・」
やわやわと性器を揉む。
「はひ、ゃ、ゃ、でちゃ、おしっこ、でちゃ・・・」
びくっびくっと痙攣し始めた満。何を出すにせよ、プールの中では少しまずい。俺は満の水着を脱がせて、プールの縁に座らせた。




水着を脱がされて、プールの縁に座る僕。足を大きく広げられて、おちんちんを鷺沼さんの口に入れられました。
「ぃゃぁん・・・っ、きゃふぅ・・・ん・・・ひぁぁ・・・」
とろりと熱い口の中で、鷺沼さんの舌が僕のおちんちんを優しくいじめる。腰がひくひくして、気持ちよくて、頭が真っ白になりました。
「ゃ、ぅ、でゅぅ・・・っ」
いつものおしっこよりも全然少ない。それに、ぽーっとするくらい体がきもちよく痺れています。こくんと鷺沼さんが喉を鳴らして、僕は青ざめました。
「ふぇ、おしっこ、おくちに・・・ぁっ」
ぺろりとおちんちんを舐められて、腰が跳ねます。
「おしっこじゃなくて精液。・・・気持ち良かった?」
僕は頷きました。鷺沼さんに再びプールに入れられて、水着をはかせて貰います。鷺沼さんを抱き締めて、キスをおねだりすると、鷺沼さんは笑って、唇をくっつけてくれました。



『今日は遅かったわね。お母さんちょっと今迎えに行けそうにないのよね。・・・鷺沼君に代わってくれる?』
お母さんが言います。僕は携帯を私服に着替えた鷺沼さんに渡しました。
「はい、代わりました」


僕は鷺沼さんの車に乗せて貰って、家まで送って貰いました。
「満」
助手席を下りようとした僕の手を、鷺沼さんが掴みます。耳元で囁かれました。真っ赤になって車から出てきた僕に、お母さんは不思議そうな顔をしましたが、窓を開けた鷺沼さんに僕を送ったお礼を言います。鷺沼さんの車が見えなくなってから、お母さんは僕に聞きました。
「何言われたの?」
何も、と僕は秘密にします。


明日はもっと可愛がってあげる。

どうしよう。どきどきが止まりません。
僕は、鷺沼さんにめろめろです。



番外編:プールサイド



クラブが終わり更衣室から人が出て行った後、満は水着に着替える。着替えて、俺のいるプールへ来る。日課のクールダウンを終えた俺は、組んだ腕をプールの縁にのせて満がこちらへ来るのを見ていた。どこかたどたどしい歩みに、俺を意識しているのがありありと見て取れる。昨日の夜、別れ際に俺が言った言葉を、満は満なりに解釈してくれたらしかった。頬は染まり、瞳は潤んでいる。
「鷺沼さん・・・」
満の解釈は、概ね正解と言えそうだ。小さな手を取り、柔らかな頬にキスをする。俺の目の前でしゃがんでいる満を、水の中へ引き入れた。

俺は今から、満を可愛がる。



「ちゅ・・・はふ、ん・・・」
ピンク色の唇を塞ぎ、舌を愛撫すれば、満は気持ち良さそうに息を漏らした。いつものように俺の首には、満の腕が回されている。甘い唇をたっぷりと堪能した。段々と力の抜けていく満を抱き締める。膜とも言えそうな薄い水を挟んで、白く柔らかい肌がぺったりと密着していた。
「満・・・」
昨日と同様、キスだけで固くなっていく満の性器に触れる。
「ぁぅ・・・ひぁぁん・・・」
水着を脱がせて、震えるそれを柔らかなふぐりごと揉み上げた。
「ん、ん・・・」
身体に感じる水の動きで、くねくねと満が腰を揺らしているのがわかる。ぱんぱんに膨らんだ先端を擦れば、爪先が弱く水をかいた。物欲しそうに舌を覗かせる唇に、くちづける。


「ゃぁん・・・ぁ、ん、ん・・・」
鼻にかかった甘い喘ぎ。性器が痙攣を始めた。手で包んだふぐりがひきつる。俺は満を抱き上げて、プールサイドへ寝そべらせた。




背中がぺたりと床につく。濡れた素足で歩くことを考慮したプールサイドの床は、滑りにくくて肌に優しい。ざばっとプールから出た鷺沼さんが僕に覆いかぶさりました。黒い髪や綺麗な鼻から、ぽたぽたとプールの匂いのする雫が落ちる。鷺沼さんは邪魔くさそうに片手で前髪を後ろに流します。見惚れている僕に薄く笑む。僕の腰は震えました。


「ん、ぅ、おちんち、らめぇ、でゅ、でゆぅ・・・ぁ、ぁ、ひぁぁん・・・っ」
つま先から足首までぴんと伸ばして、気持ちいいのを味わう。頭がぽーっとしています。ぴゅ、ぴゅとおちんちんはせいえきを吐き出して、鷺沼さんの手を汚しました。大きな手がそのまま、くちゅくちゅと僕のおちんちんを触る。
「気持ちいい?」
問われて、僕はこくこく頷きました。
「ひ、はぁぅ・・・おちんち、きもちぃ・・・」
すぐに固くなって、またせいえきを出す準備をしているおちんちんから、鷺沼さんは手を離しました。昨日みたいに舐めてもらえるかもしれないと期待する僕をよそに、ぬるぬるの指が、にちゅにちゅとお尻の穴を撫でる。
「ん、ゃ、ゃぁ・・・」
汚いのに、鷺沼さんの指は中に入ろうとしています。信じられなくて、恥ずかしくて、僕は鷺沼さんを伺う。鷺沼さんは僕の目尻の涙を舐め取りました。
「・・・昨日俺が言ったことは覚えてる?」
僕は頷きました。思い出すと、どきどきします。
「今日、満は俺に可愛がられるためにここへ来た」
違ったか?といじわるに囁かれて、僕はふるふると首を横に振りました。違わない。
「・・・かわぃがってください・・・」
おちんちんがきゅんとしました。




耳の裏や首を舐めるように吸う。どこか甘いような気がした。そのまま、しっとりと濡れる額に唇を落とす。
「はぁぅ・・・・・・さぎぬまさん・・・」
狭く熱いアナルは、俺の指を3本くわえこんでいた。
「ぁ、ぁ、ん・・・」
く、と指を折る。
「ひぁぁん」
甘やかな声が俺の耳を擽った。指先に小さなしこりが触れている。アナルがきゅぅっと指を締めつけた。
「・・・ぃまの、なぁに・・・?」
期待と不安に揺れる涙目が俺を見つめる。


「んん・・・はひ、ぅ・・・でちゃ、でちゃぁ・・・・・・」
指から逃げをうつ満。
「ひっ・・・ぁっ、ぁっ・・・んん・・・」
いやらしく腰を揺らめかせた。ひくんひくんと痙攣する。
「は、はぅう・・・」
前立腺の刺激で何度絶頂を極めても、小さな性器は射精せずに勃起していた。熱を燻らせ震えている。ぱくぱくといやらしく動く小さな穴から溢れる液は、まるで涙だ。
「ぁ、ぁ・・・ぉちんち、じんじんしちゃ・・・」
指先であやすように、柔らかなふぐりを撫でてやる。
「こっちもして欲しい?」
囁けば、こくんと頷いた。恥ずかしそうに震える。
「ぉくちで・・・おくちで、してくださぃ・・・」
頬は赤く染まり、涙で潤む瞳が俺を見ていた。柔らかな太股の内側にキスをして、俺は露を零すそれを口に含む。
「くふぅん・・・」
柔らかな肉を揉むように舐め、ぐりぐりと指で前立腺を圧迫した。
「ひはぁ、ぁぅぅ・・・ぁひ・・・ふぁぁあん・・・っ」
満は泣いて、腰を痙攣させる。吐き出された蜜を吸い、飲み干して、俺は満の快感にとろけた顔を見下ろした。
「はふ、ぅ・・・さぎぬましゃ・・・すきぃ・・・」
すきを繰り返す舌足らずな告白に、キスで応える。
「続きはまた明日」
囁けば、満はこくんと頷いた。抱き上げて、タオルと小さな水着を拾う。




番外編:シャワールーム



鷺沼さんに抱っこされて、シャワールームに入りました。肌がぴったりとくっつくのが好きな僕は、離れるのが惜しい。鷺沼さんは名残惜しげにする僕を、いつも笑います。でも、笑って、キスをくれます。床に降ろされて、一緒の個室に入りました。僕の身体に、鷺沼さんがシャワーをかけてくれます。いつものように、更衣室で着替えて待っていてと言われて、僕は首を横に振りました。鷺沼さんがきょとんとします。
「・・・足りなかったのか?」
そう言って、僕の額にキスをくれました。確かに今日は、いつもより可愛がって貰っていません。明日から、鷺沼さんは代表選抜の強化合宿に参加します。我がままは言えませんでした。だけど、そうじゃなくて。僕は鷺沼さんにぎゅっとして、恐る恐る水着の上から鷺沼さんのおちんちんに触ります。鷺沼さんは驚いた顔をしました。
「満」
やっぱり、鷺沼さんのおちんちんは固くなっていました。いつも、きもちよくしてもらっているだけの僕。鷺沼さんをきもちよくしてあげたいけど、恥ずかしくて今までできませんでした。明日から合宿で、少しの間会えません。だから。
僕は鷺沼さんの水着から、おちんちんを出しました。初めて見る鷺沼さんのおちんちんは、大きくて熱い。ちょっと血管が見えます。どきどきして、震えました。舐めてみます。熱い。大きいから、鷺沼さんが僕にしてくれるみたいにはできないけど、全体を舐めて、先っぽだけでも口に入れてみました。
「っ、は・・・」
鷺沼さんがえっちな吐息を漏らします。僕は嬉しくて、太い部分を両手で擦って、先っぽをいっぱい舐めました。
「ふ・・・ん、ちゅ・・・」
口の中がおちんちんで擦れて、きもちいい。鷺沼さんを見上げると、きもちよさそうな顔。髪を撫でてくれます。嬉しくて、僕はまた舌を這わせました。




俺は苦しくなるような練習も嫌いではない。それによって更に高みに行ける期待があるならば、苦しい過程もただ苦しいだけではないと感じる。

そんな俺は、快楽の為なら我慢もそう苦ではない。

可愛い満に愛撫しながら、自分の欲望を抑えていた。正直、小さな満にどこまで求めていいのかわからない。プールサイドで可愛がり、満を追い出したシャワールームで自慰をするのが、日課のクールダウンのごとく定着している。今の満との関係に付随する快楽の為に、犯したいという欲望を抑えることは大した苦ではない。満に性的な愛撫を施せる今の位置に、満足していた。獣は今、与えられる餌を黙って食べている。この獣が、今の餌より美味い餌を知ればどうなるかなど、容易に想像がついた。


フェラチオをする満。柔らかい粘膜で亀頭を包み、舌で擦る。
「ん、ん・・・はぁふ、ちゅ、んむ・・・」
飲みきれなかったカウパーと、唾液の混ざった液体が、満の唇から垂れた。時折ちらりと、潤んだ瞳が俺を見上げる。頬は上気していた。堪らない。快楽を追って、柔らかな喉奥まで突きあげたくなる。
「は、・・・満、もういい」
正確には、これ以上はヤバい、だ。今後はもう、愛撫だけでは満足できそうにない。満が俺の獣に美味い餌を与えてしまった。


適当な台を見繕って、満をその上に立たせる。壁に手をつけた満が、振り向いて俺を見ていた。
「さぎぬまさん・・・」
口元を汚す粘液が卑猥だ。キスをするようにして舐めとり、足を閉じるように指示をする。満の性器に触れると、それは固くなっていた。
「・・・おしゃぶりして、興奮したのか?」
小さくこくんと頷く満。満は俺の獣に、いったいどれだけ美味い餌をくれてやるつもりなのだろうか。


壁に手をついて、爪先立ちになる満。ふるふると震え、内股になっている。俺は満の尻のわれめとふとももの内側に性器を擦りつけていた。いわゆる、素股。柔らかで敏感な肌を、欲望で汚す。一番美味い餌の夢を、獣に見せた。




おちんちんがぬるぬる擦れて、きもちいい。僕のおちんちんの下から鷺沼さんのおちんちんの先っぽが見え隠れして、えっちです。
「んく、ん・・・」
鷺沼さんが僕のうなじに、ちゅ、ちゅとキスをしています。
「満・・・」
「はひぅ・・・ん、ふ・・・」
僕は内股をぎゅっとして、きもちいいのに耐えました。力を入れた爪先が痛いです。おちんちんがぴくぴくしました。鷺沼さんのおちんちんもびくびくしているのをふとももで感じて、僕は震えます。
「ひ、ん・・・も、でゅ・・・ゃ、ゃ・・・ひ、ぁ・・・」
きもちいい。僕のおちんちんからぴゅっぴゅっとせいえきが出ました。震えながら、まだ熱くて固いままの鷺沼さんのおちんちんを、ふとももできゅ、としました。恥ずかしいけど、もみもみします。
「・・・ぉちんち、みちるで、きもちくなって・・・」
大きな手に、お尻を掴まれました。撫でられて、揉まれて、今日は可愛がってもらっていないお尻の穴がひくひくします。おちんちんが穴の上を擦りあげていきました。うなじに鷺沼さんの熱い吐息がかかります。
「ぁ、ぁ、でてゅ・・・ぁちゅぃの、きもち・・・」
僕のおちんちんの後ろに、いっぱいせいえきがかかりました。ふとももとお尻で挟んだ鷺沼さんのおちんちんがどくどくしています。ずるりと抜かれて、僕は震えました。
さっき、おちんちんがお尻に入りそうでした。指でくちゅくちゅされるときもちいい、お尻。ここに、鷺沼さんのおちんちんが入ったら。
僕は、鷺沼さんを見上げました。見たことのないようないやらしい目と視線が絡みます。
「ぁ・・・」
凄くえっちなことを考えてしまったのかもしれない。そう思うと、顔が熱くなりました。俯きます。鷺沼さんが壁に両手をつけて、顔を近づける気配。耳に、唇がくっつく。
「入れて欲しい?」
低い声に、ぞくぞくしました。身体が熱くなって、視界が潤みます。きっと、もっときもちいい。僕はこくりと頷きました。耳にちゅ、とキスをされます。
「・・・合宿から帰ったらな」
鷺沼さんの声に耳を擽られて、僕は腰を震わせました。




番外編:オン・ヒズ・ベッド



洗濯機の電子音に目を覚まし、シャワーを浴びた後眠ってしまっていたことを知る。時計を見れば、約束の時間まで1時間もなかった。洗濯機から衣類を取り出し、ベランダへ出る。合宿所で洗濯できなかった、1日分のトレーニングウェアを干した。床に転がるダンベルや鞄を片付け、一通り掃除機をかける。ジーンズに履き替え、顔を洗い、歯を磨く。数時間前にコンビニで買ったチョコレートをテーブルに置いた。一息ついて、携帯を確認する。彼女によろしくと、わざわざ夜行バスに乗り合宿所から帰った俺をからかう秋信のメッセージを受信していた。メンバーで観光してから帰ることになった、とも。秋信は女子選手に気になる子がいるらしく、楽しみにしていることがウザいくらいに伝わってくる。良い1日を。短いが、珍しく返信をした。



落ち着かない様子で視線をさまよわせた満をソファーに座らせ、グラスにオレンジジュースを注ぐ。
「鷺沼さん」
満は本棚を指差した。
「あの、水色の」
サイズが大きく本棚に立てられず、他の本の上に横になっているそれは、他のものとは見るからに毛色が違っている。幼少期の写真を使いたいと雑誌記者に言われ、競泳関係で数枚と実家の母に頼んだ時に、何を思ったか送られてきたアルバム。



「鷺沼さん、ちっちゃいのにもうかっこいい。あ!プール!・・・あざらし?」
アルバムを見る満が笑う。まだ4歳の俺の写真。「幼稚園の先生にあざらしみたいにとても上手に水の中を進みますと褒められました。才能があるのかも。スクールに通わせることに」と、当時、母親が書いた黄色いメモが添えられている。
「水の中に沈んでいるのが好きで、この頃は潜水ばかりしていた」
幼稚園から歩いて数分の小学校のプールへ行ける日が好きだった。市のプールでのスクールはもっと好きだった。深いからだ。そんなことも、母のメモにはしっかりと残されていた。「プールは深いのがとてもいいそうです」


「これ、飯島さん?」
写真を指差して、満が俺を振り返った。ソファーに座る満を後ろから抱き込み、その整ったつむじを見ていた俺は、満の手元を覗き込む。首にメダルをかけた、小学校低学年の、俺と秋信がいた。変わらない。笑ってしまう。
「あ!お母さん!」
満が桐子さんを見つけた。確か、まだ結婚して間もない。俺は少しページを進めた。遠足や運動会の写真を通り過ぎる。
「これとか、満」
まだ赤ん坊の満が桐子さんに抱かれていた。またページを繰れば、少し成長した満がビート板を持って、プールサイドにいる。
「苦手そうにしてたな」
桐子さんの期待は裏切られ、満がプールに入ったのはほんの数回だった。満は少し俯く。
「・・・満がこの時、泳ぐのが好きにならなくて良かったと思ってる」
顔を上げた満の愛らしい瞳が、俺を映す。
「そうでなかったら、こんな風に満に触れることはなかった」
頬に、唇をあてる。小さな身体がひくりと震えた。白く薄い耳を食み、舐める。




ただ耳を舐められているだけなのに、息が上がって、声が漏れます。腰のあたりがむずむずして、はやく、さわって欲しい。
「ん・・・っ」
太ももの上に置いたアルバムが落ちて、僕はぎゅっと目をつぶりました。お部屋にいるのが恥ずかしくて、鷺沼さんをちゃんと見られなくて、見せてとねだったアルバム。動機は不純だったけど、ずっと見ていたいくらい素敵でした。大事なものなのに、鷺沼さんは気にしない様子で、僕の服に手を入れる。脇腹を撫でられて、身体がひくひくしました。鷺沼さんの部屋に入るまで、ずっと頭にあったのに、そればかり考えてたのに、すっかり忘れていました。僕は、今日。
「・・・ん」
恥ずかしくなって、鷺沼さんの首に額をつける。鷺沼さんの肌からは、塩素じゃない、甘い匂いがします。
「満」
唇を指で撫でられうっとりしました。僕も、鷺沼さんを呼ぶ。もっとくっつきたくて、おずおず逞しい首に腕を回したら、そのまま抱き上げられました。



「ひぁ・・・」
少し冷たい液体。ボトルから流れ出て、鷺沼さんの右の掌に溜まり、裸の僕に落ちる。僕のおちんちんを、とろとろにする。
「ひゃぁぁ・・・ン」
大きな手に包まれて、くちゅくちゅ、音がします。僕はシーツを掴んで、きもちよさに腰を浮かせました。ぎし、と耳元でベッドが軋みます。鷺沼さんの顔が近づいて、唇が触れました。
「ちゅ、ふ、ん・・・ン・・・・・・ん、ひゃ、ぁ・・・っ」
乳首も指でちゅくちゅくされて、身体が跳ねます。鷺沼さんの手の中で、いってしまいました。
「ん・・・はぁ、ぅ・・・」
腰がまだひくひくして、じわじわ、きもちいのが身体にまわる。顎から口元へ、鷺沼さんの舌が、僕の涎を舐め取ります。
「ふぇ・・・ゃ、ゃ、ぃっちゃったの・・・」
出したばかりのおちんちんを、鷺沼さんが手を休めずに優しくもむ。知ってる、と囁かれました。とろとろの指がおちんちんの下に入って、おしりの割れ目をなぞる。
「ひ、ぁ・・・っ」
穴に、指が入ってきました。ぬるぬるして、ちゅぽちゅぽ、水音がしています。僕のいいところを刺激する。鷺沼さんが、じっくり僕を甘やかす。いつもとはちょっとちがう、指の動き。いつのまにか指は3本になっていて、きもちよさに、また僕のおちんちんはせいえきを出そうとしています。
「・・・ふ、ぁ、ぁあ・・・でちゃ、でちゃぅ・・・」
また、でちゃう。僕は、爪先をぎゅっとします。気休めの我慢でした。爪先をぎゅっとしても、腰をくねらせても、きもちいのからは逃げられません。僕の身体は、僕の意思なんかより、鷺沼さんにされるきもちいことに従順なのです。でも、鷺沼さんは手を止めてしまいました。僕を見る、あのいやらしい目。
「満にいれたい」
いれさせて、と聞いたことのない鷺沼さんの声。僕はこくんと唾をのむ。鷺沼さんが、僕を欲しがってくれている。嬉しくてほっぺが熱い。とろとろの液体でおちんちんと一緒にいっぱい可愛がってもらったお尻は、うずうずしています。鷺沼さんで、いっぱいにして欲しい。僕はお願いしました。
「ん・・・ぉちんち、ぃれて・・・」
恥ずかしいけど、ちゃんと言います。何か小さく呟いて、鷺沼さんは僕から顔を背けてしまいました。怒らせてしまったのでしょうか。ひとつ息を吐いて、僕に覆いかぶさっていた上体を起こす。Tシャツを脱いで、ジーンズに手をかけます。
「ぁ・・・」
おおきい、鷺沼さんのおちんちん。その熱さも、かたさも、知っていました。ベッドに身体を預けて、僕はまた、ぎゅっと目をつぶる。




最初は、水に身体を預けることの心地よさを知ればいい、泳げるようになればいいと思っていた。愛くるしい尊敬の眼差しが尊敬を越えた好意であることを知り、俺は満を文字通り、引きずり込んだ。俺の愛撫に悶える姿は堪らなく愛しく、そして今や俺は触るだけでは飽き足りず、自分の雄で征服しようとしている。
「ん・・・ぉちんち、ぃれて・・・」
俺の懇願に答えた満は、恥ずかしそうに震えた。



「ぁっ、ぁっ、ひ、さぎぬましゃ、ふぅぅん・・・っ」
満のアナルは俺を受け入れ、ローションで濡れた、はしたない水音を立てる。
「ひぅ・・・ゃら、ゃ・・・・・・っ」
息をつめ、全身を痙攣させる満。俺の腹の下、触れていない小さな性器が精を吐く。
「くふぅん・・・はぁ、ぁ・・・はぅ・・・」
気持ちよさそうに目を細め身悶える満を見下ろし、今度はゆっくりと腰を使う。満の甘い声が腰に響いて、俺は何度も、たまらず深く息を吐く。射精をこらえる。まだイきたくない。深いプールの底を潜行する感覚に似ている。心地よい水の中にいたい気持ちとは裏腹に、次第に息は苦しくなるのだ。永遠に水底にはいられない。
涙で濡れた満の視線を感じながら、俺は白く細い指を舐める。ちゅ、ちゅ、と音をたてると、恥ずかしそうに吐息を漏らし、身体をふるりと震わせた。俺を呼ぶ。目をやれば、俺の与える快楽に緩む顔がある。俺はまた、息を吐く。ああ、ずっと見ていたい。
「くちびるにも・・・」
可愛いおねだりを断る理由などなく、桜色の唇に口づける。柔らかいそれを堪能し、味わった。
「ちゅ、む・・・ふ、はぁん・・・」
満が腰を揺らす。不安げに、俺を見た。
「・・・みちるのなか、きもち・・・?」
気持ちいいに決まってる。体位を変える余裕すらなく、堪えているのだ。
「すごくいい」
耳に吹き込む。満は小さく喘いで震えた。涙目が俺を見る。
「・・・うれしぃ・・・だいすき・・・」
ダイレクトに、脳と腰を刺激する。我慢できるわけがなかった。汗ばむ甘い肌を抱く。腰を打ち込んだ。





真剣な表情で写真とにらめっこをしている満の濡れた髪に、ドライヤーを当てる。落ちた時にアルバムから出た写真を、貼り直してくれていた。
「どうして泣いてるの?」
満の手元を覗き込む。ああ、と思わず声が出た。 写真を撮られた当時の記憶こそないが、数年後に家族でアルバムを見返した時、父にからかわれ恥ずかしく、こっそり同日の他の写真の下に隠したので良く覚えている。
「初めて深いプールのある施設に行った時の写真だ、この辺りか」
片手でアルバムのページをめくる。
「鷺沼さんでも怖かったの?」
満が驚いて言った。
「いや、帰りたくなくて駄々を捏ねたらしい。・・・でもそうだな、二度と来られないことを恐れていたという意味では、怖かったんだろうな」
幼心に寂寥感や喪失感があったのだと思う。ましてや、親なしではどこへも行けない子どもだ。満はじっと写真を見つめ、動かない。貼らないのかと声をかけると、振り返り、抱きついた。俺はドライヤーのスイッチを切る。
「満?」
また来てもいい?、と俺の胸に額を当てた満が小さな声で言った。まだ少し濡れている髪を指で漉いてやる。
「・・・勿論」
水中で息が保つ時間は有限だ。回数を重ねる他に、その心地よさを享受し続ける術はない。またおいでと言えば、満は嬉しそうに微笑んだ。

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