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快楽に閉じ込める



「広い・・・」
蜂蜜色のショートヘアを揺らして、成瀬咲智(なるせさち)は屋敷を見回した。
「咲智、ここへ」
屋敷の主、藤坂基(ふじさかもとい)は扉を開ける。咲智は基にくっつくようにして部屋に入った。西洋風の屋敷の洗練された雰囲気に、咲智は飲み込まれそうになる。まるで従者のように、咲智のために椅子を引いた基。その美貌に笑みが浮かんだ。
「どうぞ」
咲智は少し赤くなって、椅子に座る。どきどきと高鳴る胸を押さえながら、基を見つめた。
「咲智は・・・ミルクティーでいいですか?」
スーツの上着を脱いで、腕まくりをする。咲智は頷いた。
「畏まりました」
ふと笑って、清潔そうな麗人はキッチンと思われる部屋に入って行く。


咲智と基は、一週間前に出会った。
咲智は道に迷い、途方に暮れていた。見たこともない場所。枯木が茂り、落ち葉が土の道を覆う。咲智が知る、コンビニがあり車が走る道とはあまりにも違っていて、咲智の瞳からは不安に涙が溢れていた。少しさ迷い、やっと見つけた古びてはいるが豪奢な洋館。そこに、基はいた。泣きながら道に迷ったのだという咲智を車に乗せて、基は咲智を家の近くに送ってやった。意外にも、屋敷と咲智の家は近かった。




「咲智、あの日、家の人には何か言いましたか?」
コーヒーを飲みながら、基が言う。ミルクティーの甘い湯気を楽しんでいた咲智が、基を見た。
「基さんが、何も言うなって言ったから、何も言ってないの」
咲智は桜色の唇をカップにつけた。
「あまい・・・」
幸せそうな笑み。基も微笑む。
「ならば、今日は?出てくる時、親には何と?」
基が問う。
「公園に遊びに行くって・・・。基さん、ここのこと、知られたくないみたいだったから」
基は少し目を見開いた。
「それは・・・私が車の中で一度口止めしたからですか?」
咲智がこくりと頷く。
「ぁの、やっぱり、僕が来ちゃ、迷惑・・・?」
基は首を振った。
「咲智の判断は正しい。屋敷と私のことを外部に漏らさないこと、水曜日には絶対にここに来ないこと。この二つさえ守ってくれるなら、構いません」

それから水曜日を抜いた毎日、咲智は基を訪れた。

24日のクリスマス。咲智は家族よりも誰よりも基に会いたかった。特別な日を、基と過ごしたかった。プレゼントを用意できなかったことが気掛かりだったが、屋敷へと歩いて行く。

今日が水曜日だということを、すっかり失念していた。




ドアは開いていた。古い建物だからか、屋敷にベルはない。咲智は中を覗き込んだ。
「こんばんは」
奥に、人の気配がある。
「基さん・・・?」
いつも通される部屋の隣の部屋に明かりが灯っていた。扉を半分開く。咲智は目を疑った。咲智よりも大きい中学生くらいの少年達が、お尻に何かを入れて震えている。床に股間を押しつけて、狂ったように喘いでいる少年もいた。何人かの厳つい、スーツを着た男の姿も。咲智は言い知れぬ恐怖を感じて、扉を閉めた。とにかく帰ろうと振り返る。基がいた。
「今日は水曜日ですよ?咲智・・・」
咲智は目を見開いた。
「ぁ、ぁ・・・ごめ、なさ・・・っ」
何かを嗅がされて、視界が暗転する。


気がつくと、咲智は見知らぬ部屋の柔らかなベッドの上にいた。壁紙や家具の雰囲気から、屋敷の中だとわかる。
「ぇ・・・?」
天蓋つきのベッドの柱に、右足が鎖で繋がれていた。がちゃと音がした。見ると、風呂上がりらしい基がいた。ワイシャツに黒いズボン。いつもはひとつに束ねている長く美しい黒髪は下ろされ、しっとりと輝いている。
「起きましたか」
いつもとは違う少し冷やかな視線に、咲智はすくんだ。
「水曜日は来るなと、言いましたよね?」
咲智は頷く。基を怒らせた。その事実は、咲智を悲しみに突き落とす。
「ごめん、なさ・・・っ嫌いにならなぃで・・・」
瞳に涙が溢れる。




「ぁっ、ぁっ、きゃぁあっ」
白いシーツの上、咲智は両手首を紐で縛られて喘ぐ。裸の咲智の周りには、破かれた洋服が無惨に散っている。お尻の穴では、ローションでぬるぬるの基の指が暴れていた。鎖で繋がれていない方の足は基によってぐっと抱えられ、咲智は柔らかで真っ白なふとももの裏を曝している。
「しょこ、らめぇ、しなぃで、らめっ・・・ひぁぁあーっ」
びくびくと痙攣する。勃起した性器も快感に震えた。
「はーっ、はーっ・・・う、ふ、はにゅぅ・・・」
ぽやぽやと咲智の瞳が揺れて潤む。不意に、基の携帯電話が鳴った。
「はい・・・わかりました。至急」
携帯電話を閉じてポケットに入れると、どこからかディルドを取り出した。咲智は男根を模したグロテスクなそれに、びくりと身体を震わせる。
「それ、なぁに・・・?」
「咲智を気持ちよくさせるもの」
くちゅんと先端がお尻につけられた。
「いゃ、いゃあ・・・」
ぼろぼろと涙が溢れる。基は容赦なく突き刺した。
「ひっ、くぅン、あぁぁあっ」
痙攣する咲智。幼くも美しい白い裸体がしなった。基はリモコンのスイッチを押す。ディルドが振動し始めた。咲智はきゅうと締めつけてしまい、すすり泣きながら身をよじった。
「帰って来たら、その皮被りのペニスを剥いてあげます」




意識が朦朧とする。咲智は何時間もディルドによって緩く淡い焦らすような快楽を与えられていた。
「ぁ・・・ぁ・・・ふぅ、ぅ・・・」
幼い咲智は射精を知らず、熱が性器に集まることに気づいていたが、どうすることもできずにいる。体勢を変えて性器をベッドに擦りつけるという思考には至らない。くねくねと悶えて、やり過ごしていた。

がちゃと扉の開く音。基が帰って来た。
「さて。始めましょうか、咲智」
スーツの上着を脱ぐ。ネクタイも取り去って、ワイシャツのボタンを二つ外す。震える咲智に覆い被さった。
「ひぁっ」
ディルドはアナルにくわえさせたまま、基は咲智の性器を握り込んだ。皮を被ったそれを、ローションをかけて剥いていく。
「ぃ・・・ぁ、ぁ、しなぃで・・・は、んンっ」
ぷるんとした桃色の亀頭が現れた。外気に触れて、震える。基は親指を当てた。
「ひゃぁあっ」
びくんびくんと咲智が跳ねる。くりくりと擦られた咲智は、精液を放った。
「初めてですか?」
返事もままならない咲智にくすりと笑んで、基は再びくちゅくちゅと亀頭をいじり始める。
「ひ、く・・・おちんち、らめぇ、らめ、ぁ、ぁ、ん・・・」
身をよじり逃げようともがく咲智。基は咲智をベッドに縫いつけた。




見えない湯気が充満した湿度の高い風呂場。基はぐったりとする咲智を抱えて、風呂に入れていた。咲智の精液と汗を流す。ディルドをくわえていた咲智のアナルはまだ緩く開いていて、性器は少し充血している。泣き過ぎた目元はうっすらと色づいていた。
「・・・咲智、咲智・・・可愛い私の咲智」
ちゅと額に唇を落とす。
「何故、今日ここへ?」
咲智の瞳からつぅと一筋の涙が流れた。咲智の桃色の唇はくりすますと小さく言った。
「・・・そうですか」
基は微笑んだ。だがその微笑みは、咲智が見たことのないもので咲智をぞくんと震わせた。
「何か、知りたいことは?」
基の言葉に、咲智の頭の中はぐちゃぐちゃになる。知りたいことなど五万とあった。
「・・・ぁ、の、ひとたち、は・・・?」
「仕事仲間です。低俗な輩ですが、ボスのお気に入りなので蔑ろにはできません。水曜日だけ場所を貸しています」
見られたくはなかったと嘲笑する。
「なに、してたの・・・?」
「あの子ども達は組の肥やしになります。扱いは人以下でしょうね」
「・・・もとぃ、さんの、おしごと、は・・・?」
「やくざです」
即答した基。咲智は恐怖を感じたが、身体はぐたりとしたまま動かなかった。
「ぼくを、ど、するの・・・?」
基は唇を閉ざして微笑んだ。
「見られた以上、暫くの間は咲智をこの屋敷に閉じ込めます」




「ゃぁあぁ、ぃっちゃ、の、でりゅ、ちんち、が、ひぁあぁーっ」
射精する。咲智の身体は乳首とディルドの挿入でイけるようになっていた。
「ぁ、ぁ・・・ひ、は・・・」
はぁはぁと息をする。
「たくさん出ましたね」
基は咲智の腹にほとばしった白濁に指を這わせる。いやらしく舐めた。咲智からディルドを抜く。
「ぁ、ふ・・・っ」
ひくんと震えた。基はズボンの前をくつろげて赤黒く猛った性器を取り出した。ディルドと同じくらいあるいはそれ以上の質量がある。初めて目にする、血管が浮き出た、ディルド以上にグロテスクな基のそれを、咲智はどこか期待しながら見ていた。ひくんひくんとアナルが収縮する。
「これをそこに入れたら、どうなると思いますか?」
基が少し扱くと、先端に先走りが玉になった。咲智は腰に甘い痺れを感じて身をよじる。くすりと笑う基。
「天国を見せてあげます」
ぐちゅちゅっとローションでとろけるアナルに挿入する。
「ぃ、ぅゅぅ、ん・・・ひゃぁぁぁあっ」
早速、前立腺をえぐられて、アナルをきゅんと締めた。咲智の性器はびんと揺れ、睾丸が小刻みに震える。基は一度全て納めて息を吐いた。
「は・・・」
ぴくぴくする咲智は瞳を閉じて、浅く息づいていた。ぴっちりとする粘膜を確かめた後、基は性器を引く。
「ぁにゅぅ、ぅ・・・っ」
咲智は瞼の奥でちかちかと光るものを見る。




「にゃあぁぁっ、ひっ、くぅぅん・・・らめぇ、め、らめぇえっひきゃあぁぁんっ」
びびっと精液を飛ばす。基が二三度出し入れするだけで快楽の汁を発射する咲智。基はその指を搦め捕ってシーツに縫いつけ、可愛く淫靡な表情を楽しんだ。
「やーっ、やらぁあ、ぁぁぁあっ、はひん、むり、ぁ、ひにゃぁぅ、ぅにゅ、ぅ、ゆりゅして、おちんち、ぬぃて、じゅこじゅこ、ゃらぁあ」
幼い咲智には余りにも気持ち良すぎた。愛らしい声で泣き叫ぶ。基は咲智の言うとおりに抜いた。唇を舐める。勝負所だった。荒い息を吐きながら、咲智はまだ痙攣し続けている。咲智の瞳に動揺の色が映って、基はくすくすと笑いを堪えられない。
「はー、はー・・・ふぇ・・・だめぇ・・・」
「はて。何がダメなのです?」
咲智は真っ赤になって、基を涙目で見つめた。
「おちんちん、ぬいちゃ、だめ・・・」
「では、さっきの言葉は嘘だったのですか?」
こくんと頷く。基はベッドに放ってあったディルドを掴んで、嫌がる咲智のアナルに差し込んだ。
「嘘つきの言うことは聞けません」
「やぁ、やぁあっ」
バイブ機能を最大出力にして、咲智をいたぶる。
「ぁ、ぁ、ぁっ、ぁ、ぁぁあっ」
それでも咲智は物足りなくて、腰を揺らした。最大出力の振動で何回もイけた筈なのに、基の性器を知った今は、とてもイけそうになかった。
「ゃ、や、うそついて、ごめ、なさぃ、もといさんの、おちんち、がい・・・」
基は自分の性器を何度か扱くと射精した。
「っは・・・残念ながら、今日はお預けですね」
咲智はいやらしい表情の基を見て胸を高鳴らせた。基はそんな咲智の両手首を縛って、部屋を後にした。




「咲智・・・っ!どこに行ってたの!?11日間も、何してたのよ!!」
驚いて、喜んで泣きながら咲智を抱きしめた咲智の母。咲智はわからないと頭を振った。
「覚えてないの?」
頷いた咲智。今までになくつやつやとし、多少痩せた気がするものの健康そうな我が子に、とりあえず母は安心した。
「この服は?」
大人びた子供服。全て名のあるブランドの物だった。

咲智のことはその日の地方夕刊の隅に、小さくお騒がせ家出少年程度に報道された。


ぐちゅぐちゅと水音が部屋に響く。
「ぁ、ん、おちんちん、ぃ・・・もっと、はげしく、して・・・」
咲智は気持ち良さそうに基にしがみついて、腰を揺らしていた。
「あぁん・・・ぁ、きもちぃの・・・ぁあぁん、ふぁあ・・・」
ぽっちりと立った乳首を舐める基。固く尖る乳首は舌に跳ねた。
「ぁ、ふにゃ・・・ん、すってぇ」
ちゅぅうっと強く吸うと、咲智は射精した。基の腕の中で滑らかな身体をしならせる。
「っは・・・」
咲智の中で基が震えた。咲智は腰を振る。
「で、りゅぅ・・・ひぁぁあぁんっ」
熱い液体がほとばしった。

咲智は毎日、基の屋敷へ来ていた。もう、水曜日もいとわない。
「また・・・僕をとじこめて・・・」
スーツを纏う基に、咲智はベッドの中で言う。
「はて・・・私はもう既にそのつもりでいるのですが」
咲智は一日でも私を欠かすことができますか?と基は笑う。

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