バスタブ
早く帰ってきて
1
在原悠嗣(ありわらゆうし)は小さな身体を組み敷いて、愛らしい唇に濃厚なキスを与えていた。
「ふ、ぁ・・・ん、ゆぅし・・・ちゅ・・・ん」
くちゅくちゅと唇を吸われている上鶴忍(かみづるしのぶ)は裸のふとももをもじもじと擦り合わせる。
悠嗣は26歳。職業は、暴力団幹部。着痩せする無駄のない身体と道行く人々が皆振り返る涼しげな美貌で、女からは引く手数多。名家在原の次男坊だが、ほとんど勘当されたも同然で、実家にはかれこれ9年帰っていない。頭が切れて、腕が立つ。組長にも気に入られており、組の中には熱狂的な信者がいたりする。
16歳の忍はそんな悠嗣と同棲する普通でない高校生。両親を亡くし孤児院に入るところを逃げて、悠嗣に匿ってもらっている。暴力団の悪知恵の有効範囲内で、公的な書類などが改ざんされている。戸籍上は、悠嗣の養子だった。
「・・・ゆ、し・・・いっぱぃ、して・・・」
毎晩のように悠嗣を求める忍の身体はいやらしい。乳首はぴんと上向き、アナルは熱く男を包み込む。性器はぴくぴくと震えて淫靡な蜜を漏らしている。悠嗣は忍のふわふわの茶髪を撫でて、囁いた。
「嫌になるくらい愛してやる」
「・・・嫌になんかならないもん・・・」
幸せそうに言った忍に、悠嗣が笑む。鉄仮面の悠嗣の甘い笑顔が見られる人間は忍だけだが、当の忍は何も知らずにいる。
「イきまくった揚げ句、もうやめてって言うのは誰だ?」
「いじわる・・・」
忍は頬を染めて可愛い瞳で悠嗣を見つめた。
2
普段は忍が高校から帰って来る時間の方が、悠嗣が帰る時間よりも早い。マンションの部屋、扉の横にカードキーを入れ、指紋を照合して中に入る。人の気配。悠嗣は寂しがりな忍のために、いつもできる限り早く帰るようにしてくれているが、この早さは考えられないものだった。
「・・・悠嗣?」
忍はリビングに入って息を呑んだ。
帰り支度をして、悠嗣はメールをチェックした。差出人は忍、本文はなく、動画ファイルが添付されたメールが一通。再生する。
がっちりとした覆面の男が3人、画面に並んでいた。
『久しぶりだな、在原悠嗣。私達は君一人に壊滅させられた組の幹部だ。覚えているかな?』
悠嗣は覚えていた。やたらとこちらの組にちょっかいをかけてきた小さな組だ。内部情報を錯乱させ、一人で組に入って潰して来た。
『それじゃあ・・・ここがどこだかわかるか?』
中央の男がカメラを掴み、室内を映した。見知った内装。間違いなく自分のマンションの部屋だった。
『この可愛い高校生は恋人だろう』
黒い布で眼隠しをされた裸の忍が映された。椅子に身体を縛られ、正面には大掛かりな機械が置かれている。
『これは男根を模している。もう言わなくてもわかるな?これはピストンマシーンと呼ばれる装置だ・・・。こいつには薬を盛った』
男が笑う。忍の勃起した精器が映された後、胸上のアップ。男の手が忍の乳首を突く。
『ぁ、あん・・・っ』
忍がびくんと震える。黒い布は瞳の位置が二つ、周りより黒くなっている。涙だ。
『恋人が可愛けりゃ、一人で来るんだな』
悠嗣は飛び出した。
3
「可愛こちゃん、薬はどうだ?この薬は性感帯を桜色にするんだ。お前が気持ちイイところは全部わかる。・・・触って欲しいだろう?」
忍の身体はうっすらと桃色に染まっていた。特に乳首周辺や精器、アナルは可愛らしい桜色。じんじんするが、忍は首を振る。
「嘘つきだな・・・」
別の男の声。両の乳首をくにくにといじられて、忍は性器から透明な先走りを漏らした。
「ひぁぁっ、さわっちゃ、らめぇ、ぁ、ぁ、ひゃぁ、ぁ、ん」
「エロい顔しやがる。在原はこんなの抱いてんのか」
「どうりで女には目もくれねぇわけだな。ピストンマシーン、使ってみようぜ」
男の声と共に、アナルに固いものが入る。機械的なリズムで、ゆっくりと柔らかな肉を穿つ。
「いゃあっ、ぁ、ぁっ、ぁぁんっ、しなぃで・・・っ」
眼隠しの布がぐっしょりと濡れる。
「いつも在原のチンポをはめてんだろ?あのオールバックのすかした奴とこの機械とどっちがいい?」
「ゅぅしっゆぅしの・・・ぁんっ」
「機械でイっちまったら、申し訳がたたないよなぁ」
「・・・ぃかなぃっ・・・んんっ、ぁ、ぁっ・・・きもちくなぃもっ・・・んっ」
震える忍のいじらしい姿は男達を欲情させる。
「このピンクの菊門見ろよ。ヤりてぇ・・・」
「在原を縛り上げたら、あいつの前で犯すんだよ・・・考えただけでたまんねぇだろ?」
忍は射精したいのを必死で我慢していた。
「この機械、レベル上げれるんだったな」
男が一人、機械に手をのばしたのが感じられた。更に強い快感が自分を襲うと知り、忍は身体を緊張させた。意地でも射精はしないと心に誓う。
「っ」
「ぅっ」
忍は男のうめき声を聞いた。罵声も。
「てめぇ!ありわらぁ!!」
4
悠嗣は気配を消して忍び寄り、二人の男を手刀で気絶させた。うめき声を上げてどさどさと倒れる男。少し離れた所にいる男が振り向いた。悠嗣を見て、向き直る。
「どうやって入って来たんだ!」
喚く男に対して、悠嗣は至って冷静だった。
「何を言ってる?俺の家だぞ・・・。第一、見張りもつけずに皆で同じ部屋にいるなんて、とんだ馬鹿だな」
「・・・俺はっ、柔道六段の男だぞ!丸腰なお前なんかなぁ」
男が構える前に、悠嗣の重い拳が男の鳩尾に入った。男が床に崩れ落ちる。悠嗣の瞳は冷徹に男を見下した。
「雑魚の分際で俺の忍に手ぇだしやがって。しっかり落し前つけてもらうぜ・・・」
悠嗣は男達を縛り上げた。
「ゆ、し・・・やぁ、たすけて、らめ、らめぇっ」
唇を噛んで堪えている忍。悠嗣は機械を止めて眼隠しを取った。
「ん、はにゅ・・・ゅぅし・・・っ」
「・・・忍」
オールバックの黒髪。優しい声。忍は大好きな人を信じていた。
「・・・こわかったょぅ・・・っ」
忍の布と涙で少しかぶれ、赤らんだ目元から、更に涙が溢れた。悠嗣は舐めてやる。
「・・・ゆ、し、ゆぅし、きもちくして・・・も、我慢できなぃの・・・さわって・・・」
うるうると水を纏う瞳。悠嗣は忍の拘束を解いて抱き上げると、寝室へ向かった。
5
「ぁぁあっ、ん、ぁ、ぁあっ、ゅぅし、もっと・・・っぐちゅぐちゅ、ほしぃの・・・」
自分で乳首をこりこりといじりながら、アナルに悠嗣をはめる。激しく腰を振る忍を制するように、悠嗣はゆっくりと動いた。
「ぁ、あぁあんっ、ぃくっ、ぃっちゃぅ、ぁぁあぁ・・・」
ぶるぶると震えて射精する忍。どろどろの精液で、忍の股間は汚れた。
「ぃぁぁ、はぅ・・・いっぱぃでてゆ・・・とまんなぃ・・・」
腰を小刻みに震わせた。
「我慢してたんだな・・・」
機械が動いていたが、忍の腹はカウパーしか付着してなかったことを思い出す。
「ん・・・ゆぅしじゃなきゃ、やなの・・・」
睫毛がしばたたかれる。悠嗣は忍にキスをした。
「ん、ちゅ・・・ふ・・・は、ぁ・・・」
角度を変えて、何度も唇を貪る。忍の唇の端から唾液が伝った。
「は・・・忍、危ない目にあわせてごめんな・・・俺の仕事が堅気じゃないために、恨みを持ってる奴らは法外の手段で襲ってくる・・・」
一歩間違えると、犯されていた。存在を確かめるように、ふわふわの茶髪を撫でる。忍は甘えるように悠嗣の胸板に顔を寄せた。
「・・・でもちゃんと助けてくれた・・・」
きゅうきゅうと悠嗣を締める。小さく華奢な身体を寄せた。
「えっちな薬も、ゆうしとならいぃの・・・」
とろけそうな表情。悠嗣は愛しい忍をかき抱いた。
6
薬の効果は思った以上に長引いて、忍は啜り泣き悠嗣を求めた。自分の指でこねていた乳首を悠嗣に差し出して、誘う。
「ぁ、にゃんっ、ちくび、なめなめして・・・ちゅぅって、すって」
「いけにえみたいだ」
健気で可愛い。悠嗣は苦笑して腰の動きは止めずに、ぷっくりと熟れた肉芽に舌を這わせた。
「ぁ、ぁ、きもち・・・」
吸い上げると、忍は痙攣して射精した。忍が息をするのに合わせて、真っ赤な肉芽をのせた白く柔らかい胸が上下する。
「やらしいな・・・」
ぐちょぐちょと忍の性器を扱き上げてやりながら、激しくピストンする。中出しした悠嗣の精液が泡だって、とろとろと溢れた。
「ゆぅし、ゅうし、あ、あ、ぃ、ぁ、きちゃ、おちんち、でりゅぅ・・・っ」
悠嗣の手の中で小さな性器がぴくぴくと跳ねる。アナルは熱くとろけ、悠嗣を射精へと導く。
「ぁ、ぁぁあぁんっ、んーっ」
硬直して、忍はどぴゅどぴゅと精液を悠嗣の腹にかけた。
「くっ・・・」
「ぁ、あ、ゆ、しの、いっぱぃ・・・ゅぅしも、きもち・・・?」
忍は首を傾げる。
「はぁ、は・・・最高・・・」
悠嗣の額から汗が流れた。忍はきゅんと胸を高鳴らせ、頬を染める。首で悠嗣の唇を受けながら、もう一回をねだった。
7
膝の上に甘える忍を乗せて、悠嗣は頭と携帯電話で話をしていた。
「処分はこっちで済ませたい」
悠嗣の視線は3人の男に刺さっている。
『不法侵入で警察に立ち入ってもらったら、政府の役人の前で忍ちゃんはいろいろとまずいんだよな・・・?そっちで処分って悠嗣、何するつもりだ?』
「こいつらの汚いイチモツを切り落として半殺しなんて考えてます。・・・俺の忍にあんなことして、本当なら足りない・・・」
3人の男達はひぃと息を呑んで悠嗣を怯えた目で見た。一人が口を開く。
「でも、ほら、在原さん、俺達結局その子のこと犯してないし・・・切り落とすのは・・・」
「黙れ」
男には一瞥もくれずに悠嗣が言う。頭は考えているのか黙っている。
「山の第三倉庫を借りる許可を下ろしてください」
悠嗣は、今からぱっと終わらせて来ますと言う。
「忍、留守番してるんだ。いいな・・・?」
額にキスをして、車のキーを握る。
「ゆぅし、いっちゃ、や・・・」
ぎゅっと抱き着いた忍。
『・・・忍ちゃんもそう言ってることだし、こっちに引き渡しな。きっちり切り落としてやるから』
悠嗣は苦笑した。
「面倒事を済みません・・・。お言葉に甘えて、お願いします」
『じゃ、今からそっちに勘田と赤野送るぞ』
頭の言葉が聞こえていない男達は悠嗣の言葉に安堵している。
「おい、誰が切り落とさないって言った?」
お楽しみだなと無表情で言った悠嗣に、男達は青ざめた。