バスタブ
枷坐弥と珀露
1
大きな岩の前で法師が真言を唱える。地鳴りの後に岩が割れ、山に窪みが現れた。砂埃が落ち着いたと見ると、恐れながらも村人達は汗をかく法師の傍へ集まる。洞穴のような巨大な窪みの中には、逞しい男が一人、胡座をかいていた。
「施無畏与願印か・・・。釈迦によって封印されたというのは虚構でなかったらしい」
法師が男の組む印を見て言う。
「枷坐弥よ・・・」
法師が呼び掛ける。枷坐弥(かざみ)と呼ばれた男は瞳を開く。途端に威圧感が村人達を襲った。
「くぅっ、止めよ!その施無畏与願印は見せかけか」
法師の言葉に、枷坐弥は村人達に地獄のような苦しみを味あわせている威圧感を消した。村人達は皆意識を失って地面に倒れる。
「・・・好きでこんな印結んでるわけじゃない。アンタ知ってるんだろう?」
端正な顔は幾らかの怒気を孕んでいる。法師は、しかして結んでいることに変わりはなかろう、と答えた。
珀露(はくろ)は神社の中で息苦しさにぐったりとしていた。神社には麓の、自分を祀っている村人達のものとおぼしき負の感情、邪気が集まり、珀露を苦しめている。邪気が発生する理由、村人の苦しみや怒りが神社に集まる理由は明白だった。麓の村が未だ嘗てない干ばつに襲われているのだ。珀露は、辛いながらも書物を繰る手を止めない。そんな頑張りも虚しく、欲しい情報は手に入らない。
2
珀露は、五穀をつかさどる神、稲魂(うかのみたま)の使いにして、九尾の妖狐である。まだ未熟な五尾の妖狐だが、幼くして先代の父母を亡くしたため、独り、懸命に神社の麓の村の災厄を祓っていた。
珀露は父母の思想に染まっており、会ったこともないというのに、人間という生き物が好きだ。妖狐として成熟していた父母のような妖力が無いため、金の髪と瞳の異端の姿を隠す変化ができず、まだ一度も麓に下りたことがない。
そして今、邪気で淀む神社の一室で、書物に埋もれるようにして座している珀露は、かつての神々しい金の色を失いつつあった。髪は伸び放題で顔にかかり、着物は薄汚れている。
「これもだめ・・・」
美しい瞳を潤ませながら、読み終えた巻物を巻く。かれこれ2ヶ月近く、珀露は飲まず食わずで書物を調べていた。夏が始まった時、微弱な妖力ながら、不吉な予感を感じていた。否、微弱な妖力でも感じとることができるほど、来る災厄が大きなものだったと、珀露は今なら言える。
この2ヶ月、珀露を祀っている麓の村に、雨が一滴も降らないのだ。
猛暑の中で夏が盛りの野菜は萎び、稲は枯れた。本来なら稲を刈り入れる時期であるが、村人達に収穫はない。神社に集まる邪気が村人達のもので、この災厄を未だ解決できずにいる自分に向けられていることに、珀露は気づいている。そして、書物など読まずとも、解決方法はわかっていた。水神に頼むしかないのだ。だが、珀露には、神である上に格まで高い水神に口利きする力はない。どうすることもできなかった。
「一晩泊めて欲しい」
神社には人間や魔物が入れないように結界が張ってある。先祖のかけたもので、善いものと悪いものを淘汰する。珀露は数十年振りの客を迎えた。
客は、鬼だった。
3
月を背負った、殺伐とした雰囲気の色男。艶やかな短い漆黒の髪と、二本の角、紅い瞳。黒い麻の浴衣をだらしなく着込み、腰に刀を控える、枷坐弥と名乗った鬼を、珀露は客間に案内した。とりあえず、茶をすすめる。
「粗茶ですが、どうぞ・・・」
珀露は対応に困っていた。何をすればいいのか、検討がつかない。緊張に白く細い腕が震えた。一晩泊めて欲しいと言う彼は、鬼。それも、無頓着に垂れ流される法力は、濃くて強い。一度、父母に連れられて行った神々の集いを思い出す。枷坐弥の法力は、近づいてはいけないと言われた格の高い神のそれに似ていた。
枷坐弥が茶を飲む。座してもなお珀露を見下ろせる長身。珀露はじっと見つめられ、逃げたくなった。
「ぁ、ぁの、お食事、お作り致します」
枷坐弥に聞かずに逃げるように部屋を辞す。出てしまった後に、不要だったらどうしようと思った。土間に着いて、食物が殆どないことに気づく。
「精進料理ですが召し上がってください」
珀露は料理を差し出した。器に比べて明らかに量が少ない。枷坐弥は無言で受け取った。手を合わせ、箸を取る。米を口に運んだ枷坐弥を見て、最後の食料を自分が食べることにならなくて良かったと思った。村人達は水もなく苦しんでいる。それにしても、と珀露は思う。
「枷坐弥さまは、格の高い方と見られます。・・・こんなに少なくて、馬鹿にされた、とわらわを怒ったり、なさらないのですか?」
珀露の言葉に、枷坐弥は言う。
「お前を祀る村があのように荒廃していれば、仕方のないことだ」
その一言に、珀露の瞳から、今まで堪えていた涙が溢れた。
4
「ぅ、ひくっ・・・ふっ・・・わらわの、わらわの所為なのです。わらわが、っ、まだ未熟な五尾だから・・・っ」
枷坐弥は目の前で嗚咽を漏らす妖狐の子どもを観察する。ぼさぼさの髪で、容貌は伺えない。姿と声から、幼いのだとは分かる。村人達は守り神の狐が夏前に失踪したのではないかと疑っていた。そして、まだ神社にいたならば、新しい神を祀りたいから役にたたぬ狐を殺めてくれ、と言った。聞けば、自分を眠りから起こした法師が村人達に新しい神を祀ることを提案したらしい。荒廃した村からの報酬は期待できるものではないが、枷坐弥は釈迦によって「畏れるな、我は与えよう」という意味を持つ印、施無畏与願印を組まされていた。
「わらわは、っ、早く、雨をふらせなくては」
そう言って下がろうとする珀露の腕を枷坐弥は引いた。枷坐弥は、五尾の妖狐が雨を降らせることは不可能だと知っていた。それに、珀露は今晩自分が殺めるのだ。
「その必要はない」
珀露は枷坐弥を見た。どういう意味か、考える前に、人肌が珀露の心を揺さぶった。最後に触れた父母の熱さえも思い出すことができない憐れな幼い妖狐は、抑えられずに枷坐弥の熱にすがった。畏れも全て忘れ、その胸に飛び込み、泣いた。
5
珀露は布団の中で目を覚ました。眠ったのも久方ぶりだった。慌てて枷坐弥を探す。今更ながら、何て無礼なことをしたのだろうかと後悔した。布団を敷いてくれたのも、枷坐弥しかいない。
「枷坐弥さま」
帰ってしまったかと思ったが、枷坐弥はうず高く本が積まれ、散らかっている珀露の部屋にいた。胡座をかいて、書物をぱらぱらと捲っている。
「珀露、お前は雨を降らせたいのか?」
殺伐として、表情が読めない。珀露は頷いた。
「今まで護られていた恩など知りもしないかのように膨大な邪気を寄越す麓の村人達のためにか?」
珀露は再び頷いた。
「わらわが悪いのです。村人は、本来なら皆優しく穏やかなのです」
枷坐弥は何も言わない。ふと、珀露は違和感に気づく。体が軽い。邪気がない。
「枷坐弥さま・・・」
「邪気ならば今朝払った」
邪気を払える法力の高さに感嘆し、礼を言いながら珀露は顔を伏せた。
「どうして喜ばない」
枷坐弥が無表情で問う。
「邪気は、わらわへの戒めだったのです。村人が苦しんでいるのに、わらわだけがのうのうとしているなんて・・・」
また涙が流れた。昨日と言い、涙脆くて嫌になる。自分以外の人がいるから、と珀露は思った。涙なんて甘えだ。甘えてしまう自分を叱咤する。
6
「枷坐弥さま、どうですか?」
「この書にも載っていない」
神社に来て3日になる。枷坐弥は未だに刀を握れずにいた。それどころか、ある筈がないと分かっている五尾の狐でも可能な降雨の術を探す手伝いをしている。しかも、雨を降らせようと思えば、枷坐弥一人で行うことができるのに。
枷坐弥は自身の不可解な行動について、少し考える所があった。枷坐弥が釈迦によって山に閉じ込められた理由は、法力が高いばかりで善悪の判断が未熟、愛を知らないのは致命的、と言うものだった。珀露を殺すことは、悪だと思われた。
「枷坐弥さま!これ、どうでしょう」
珀露が書を指差す。穴を掘り、水脈をあてるというものだった。早速、神社から出て枷坐弥が地表に割と近い水脈を神社の傍で探し、2人は、穴を掘る。暫くして水が噴き出した。
「・・・温水か」
水脈は水脈でも、温泉。肩を落とす泥だらけの珀露に、枷坐弥は言う。
「まさか温泉とは。悪かったな」
ふるふると首を振る珀露。枷坐弥は健気な様子に無意識に頬を緩める。珀露の顔が朱に染まる。
「どうした。熱があるのか?」
「ちがいます・・・」
小さな声。潤む瞳。枷坐弥は疲れと解釈した。
「疲れたのだろう。出会った時から埃まみれだったのだ。少し位休め。神社から着物をとってきてやる」
枷坐弥が穴に帰ってくると、まだ珀露は裸で湯を浴びていた。くすんでいた髪に、美しい金の色が戻っている。白い透き通るような肌と、桜色の乳首。枷坐弥に気づいた珀露。枷坐弥は布を渡した。
「わらわより先に枷坐弥さまに休んで貰うべきなのに・・・」
申し訳なさげに俯く。とても丁寧とは言えない手つきで髪を拭きだす。枷坐弥は布を奪って、珀露の金の髪を拭いた。
「・・・珀露、綺麗な髪だ」
珀露の肌がぽっと染まったことに、枷坐弥は気づかない。
7
枷坐弥の手によって丁寧に拭われ、着物を着替えた珀露は見違えていた。
「枷坐弥さまも浴びてください」
そう言って枷坐弥を見上げた珀露。枷坐弥は傍で不審な気配を感じた。
「いつになっても狐の気配が神社から消えないと思って来てみたら、神社には結界が張ってある。鬼の妖力を追って来てみれば鬼は狐と仲良くしてるときた」
どうなってんでしょうね、と言ったのは、あの法師。
「枷坐弥さまのお知り合いですか?」
不安げに枷坐弥を見上げる珀露。
「おや?その狐、やたらと美しいですね・・・枷坐弥、情が移りましたか。殺せなくなりました?」
物騒な言葉に、珀露はびくっと震える。
「ころ・・・枷坐弥さまが、わらわを・・・?」
「その鬼は村人達に雇われて、貴方を殺しに来たのです。村人達は貴方の代わりに他のものを祀ると言っている。貴方は邪魔なのです」
珀露は枷坐弥を見上げる。枷坐弥は何も言わない。珀露は涙を流す。枷坐弥から体を離した。
「枷坐弥は貴方を騙していたのです。大体、枷坐弥の力を持ってすれば、雨を降らすことなど造作もない」
法師の言葉が追い討ちをかける。
「・・・未熟なわらわが、書を繰っている姿は、面白かったですか?滑稽でしたか?」
珀露の声が震える。枷坐弥はそんな風に思ったことはなかった。
「違う」
珀露に手を伸ばす。珀露は後退りした。
「嫌です、来ないでください。わらわは、枷坐弥さまの何を信じればよいのですか?・・・来ないでください。来ないで。もう、二度と」
気づけば、枷坐弥は麓の村にいた。
8
「枷坐弥様、狐は殺して頂けましたか?」
村人が言う。
「早く、我々に雨を・・・っ!」
枷坐弥はとある村人の家に来ていた。鬼でも何でもすがりたいと言うその村人は、息子が危篤状態なのだと言う。
「血でも魂でも、私が持っているものなら何を売っても構いません。息子をどうか救ってください・・・!」
白目を剥いて震えている少年。枷坐弥は何も要らないと一言言った。少年の胸に手を当てる。術を唱えた。少年が安らかに寝息をたてはじめた。
「このまま、栄養が不足し続けたならいずれは死に至るが、応急処置にはなるだろう」
「ありがとうございます!」
感謝する少年の親。家に入ってから邪悪な気を感じている枷坐弥は、家の中を見回した。柱に貼られた札に目が止まった。怒りを増幅させる作用の札。
「あれは?」
「あの札ですか?煕儡様が与えて下さったのです。飢えが和らぎます」
飢えが和らぐのは怒りに意識が向くからだ。根本的な解決にならないどころか、神社に集まっていた異常な邪気にはこの札も一役買っていたに違いなかった。そして、聞き慣れない名前、煕儡(きぐつ)。
「煕儡様?」
訝る枷坐弥の問いに、少年の父が答えた。
「枷坐弥様を起こして下さった徳の高いあの方ですよ。村の災厄に、すぐに気づいて来てくださったのです」
「・・・つまり、奴は干ばつと共にやってきたのか?」
枷坐弥の問いに、そうとも言えますね、と不思議そうに答える。
枷坐弥は、珀露を法師煕儡と2人きりにしてきてしまったことに気づく。
9
一人では結界に阻まれて入れなかった神社にも、神社の主である妖狐と一緒になら入ることができた。ほくそ笑み、煕儡は珀露をじっと見つめた。先程から、この幼い妖狐は精気を失い虚ろな目をしている。それでも、愛らしい容貌と美しい髪、儚げな白い肌の神々しさは失われていない。
煕儡は、己が使える悪神に献上する村を一つ用意するために、幼い妖狐が護るこの村に目をつけた。雲を寄せない術を発動させ、干ばつする村に、救世主然として現れる。五尾の狐とは言え神の使いというだけあり、神社には入れず、不本意ながら、徳不足のために釈迦によって封印された凄まじい法力をもつ枷坐弥を起こした。初めは枷坐弥に殺させるつもりで、狐に興味はなかった。
「・・・珀露殿」
煕儡の声に、珀露は涙に濡れた虚ろな目を向ける。
「こちらは、悲しいことや苦しいことを忘れさせてくれる薬です」
珀露に黒い丸薬を見せる。
「辛いことを・・・?」
「そうです。さ、お口を開けて」
珀露はつぅ、と涙を流して口を開いた。舌の上に乗った丸薬を嚥下する。
枷坐弥が神社に駆けつけると、煕儡が着物をはだけさせた珀露を撫でまわしていた。
「はぁん、ぁ、ぁ・・・」
煕儡に後ろから抱き込まれて、乳首と性器を刺激されている。煕儡が枷坐弥を見つめながら、珀露の首に舌を這わせた。
「貴様、珀露に何をした・・・」
ぶわっと枷坐弥の法力が膨張する。村人達を失神させた以上の凄まじい威圧感が、煕儡を襲う。煕儡は冷や汗をかいた。格の違いは封印を解く前から知っている。しかし。
「そんなことをしたら、私よりも力の弱い珀露が先に死にますよ」
にやりと笑う煕儡。青い顔でくったりとする珀露に、枷坐弥は威圧を解く。
10
「ぁぁん、ふ、はぁ・・・ん」
くちゅくちゅと小さな性器を煕儡がしごく。くぷくぷと溢れる先走りを指に絡め、煕儡は珀露の肛門に触れた。淡い桃色のすぼまりに、ずぷっと差し込む。
「ん・・・っ」
びくんと震える珀露。
「っ!」
煕儡はどっと汗が吹き出るのを感じた。首にはいつの間にか、枷坐弥の刀があたっていた。枷坐弥と目を合わせて、挑発するように珀露を弄んでいたのに、煕儡には枷坐弥の動きが見えなかった。
「珀露を、離せ」
ゆっくりと告げると、煕儡は静かに珀露から離れた。畳に転がる珀露。
「まだ生きていたいならば貴様が村にかけた術を解いて、去ることだ。二度とこの地に踏み入ることは許さない」
今度は珀露という盾さえもない。煕儡は脱兎の如く逃げ出した。
枷坐弥は珀露に近寄ると、はだけを気にしないよう努めながら、額に手をあてた。記憶を読む。
「黒いな・・・。淫魔の精液から作られた丸薬か。正気に戻すことはできるが・・・」
かざした手に集中する。
「・・・枷坐弥さま・・・?」
珀露が枷坐弥を見た。
「騙した者がのこのこと、すまない」
「わらわを、殺さないのですか?」
枷坐弥は頷いた。
「ああ。どうせ殺せなかったが、今ははっきり言える。殺す理由がなくなった」
窓の外はどしゃ降りの雨が降っている。人為に止められていたこの雨は、しばらく止まないだろう。
「あめ・・・。枷坐弥さまが・・・?」
「否。全てはあの法師の仕業だった」
法師と聞いて、珀露は真っ赤になった。
「わらわ・・・」
「・・・まだ薬の淫気はしばらく残る。己で処理するがいい」
去ろうとする枷坐弥の黒い浴衣を、珀露が引く。
11
「・・・どうした。雨が降り、自分を騙していた鬼が去る。まだ何かあるのか?」
早く熱を処理したいだろうに、と優しい目をした枷坐弥に、珀露は想いを確信した。きゅぅっと胸を締めつけられる。
「枷坐弥さまが、すきです・・・。どこにも行かないでください」
珀露は紅い瞳を見つめた。枷坐弥はゆっくりと思案するように言った。
「それは、愛か?」
最初の殺伐とした雰囲気はない。あるのは頬を撫でる手と、慈しむように細められた紅い瞳だけ。
「ひぁあ、ん、かざみさまぁ・・・」
布団の上に組み敷かれた珀露は裸に剥かれて、枷坐弥の大きな手でまさぐられている。
「ちくび、すっちゃ、らめ・・・っ」
「吸う度に可愛い魔羅から汁が溢れているのに?」
ぐちゅぐちゅと珀露の性器を擦りあげる。
「ひゃぅ、らめ、ん、ぁひぃぃん・・・っ」
小さな柔らかい体を痙攣させて、精液を飛ばす。小さな性器はまたむくむくと大きくなった。
「はぅ、はひぅ・・・かざみしゃま・・・」
とろんと、瞳が溶ける。ぽんっと、耳としっぽが現れる。
「ふぇ?・・・ゃぁぁっ」
耳を手で隠すように触る。恥ずかしそうな珀露。枷坐弥はごくりと唾を飲む。耳とともに現れたふさふさとした一本一本が太い五本の尻尾が、まるで局部を枷坐弥に晒すかのように珀露の腰を持ちあげている。
「尻尾はいいのか?ひくひくしているのがよく見える」
言いながら、枷坐弥は珀露の菊門に舌を這わせた。
「はぁぁん・・・」
ひくひくする珀露。ぐちゅぐちゅと性器を擦りあげながら肛門に舌を入れると、可愛らしく鳴いて、きゅぅっと枷坐弥の舌を締め付けた。
「きゃふぅ、ひぁ・・・」
気持ち良さげに射精する。
12
亀頭の立派なかさをぱんぱんに腫らせた長大な枷坐弥の魔羅が、とろりと汁を垂らしながらびくびくと震えている。珀露は初めて見る巨大な性器に、怯えと、いやらしい期待を感じていた。
「はぅぅ・・・わらわの、おしりに・・・」
慣らされて自分の精液でぐちゅぐちゅの肛門を、きゅんきゅんと締める。熱っぽい瞳が枷坐弥を煽った。
「入れるぞ・・・」
くちゅ、と先端を宛がわれる。珀露は身悶えた。
「ぁ、ぁ、あちゅぃ・・・んっ」
「はぁ・・・っ珀露・・・」
小さなふにふにの唇を奪い、口内を舌で犯す。
「ん、ちゅ、ふ、ん、ん、ん・・・」
ずりゅ、と入れられていく魔羅に、珀露は柔らかな太ももを痙攣させる。
「んーっ、はっ、あふ、かざみしゃま、ん、ん、ゃっ、ぁぁ」
ずず、と奥に到達する。珀露はふるっと震えて、びちびちと射精した。
「気持ちいいか?」
こくこくと頷く珀露の頬に唇をつけて、枷坐弥は出し入れを始める。
「は、ぅ・・・まだ、まだらめぇ・・・ひぁぁん、しゅごぃょぅ・・・っ」
ずるる、とゆっくり抜かれる魔羅にぶるぶると震えながら、珀露はゆらゆらと腰を振る。いやらしい仕草に、枷坐弥は、はぁっと息を吐く。
「ゃ、やぁっ、かざみしゃま、ぁ、ぁ、また、でちゃ、でちゃぅぅっ、ん、ぁひん!」
びちっと吐き出す。耳と尻尾がぴるぴると震えていた。
「いやらしい小さな魔羅だ。ぴちぴちと魚のように跳ねて・・・」
枷坐弥が握り込む。珀露は瞳を潤ませて、腰を振った。
13
ずぱんっと後ろから一気に魔羅を埋める。
「きゃぁあんっ!」
ぶじゅじゅっと溢れ出た精液は先に中に注がれた枷坐弥のもの。2回分の精液が珀露の中には注がれていた。そして、珀露自身は何度射精したかわからない。珀露の性器は、壊れたようにとろとろと精液を出し続けている。
「珀露、愛している・・・」
尖った鬼の歯が耳を噛んだ。珀露は返すように、愛らしいお尻を揺らした。
村人達は新しい神を祀ることを止めた。自分達の過ちに気づいた村人達はお稲荷さんに謝りたいがどうすればいいか、と枷坐弥に尋ねた。枷坐弥は丁度良いと、先日当てた水脈のある地に、立派な温泉を作らせることで罪を償わせた。完成以来村人達の立ち入りが禁止されたその温泉からは、愛らしい声が聞こえると噂された。物見遊山で温泉へ向かった村人は記憶をなくし鼻血を出して帰ってくる。村人達は皆、お稲荷さんの仕業だろうかと首を傾げるのだった。