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童貞君の初めて



俺、上野齋(うえのいつき)が所属するバスケ部はイケメンが多い。そして、非童貞率が高い。
「おぉ、ついに童貞脱出か!」
「はい、先輩達のアドバイスのお陰です」
嬉々として語る同級生を羨ましく思いながら、俺のいないところで語れと言いたくなる。部室で交わされるこの手の会話に、俺が慣れることはない。なぜなら。
「あっさりヤっちゃうなんて食えない後輩だよ。それに比べて齋たんは今日も可愛いくらいのチェリーっぷりですね~」
先輩に絡まれるから。俺は童貞ネタでからかわれるのが本当に嫌だ。先輩は俺を背後から抱き締めてにやにやしている。むっとした。
「バスケ部の非童貞率に貢献できなくてすみません」
「怒った顔も可愛いー!」
ぎゅうぎゅう締め付けてくる彼女持ちのイケメンに腹が立つ。どうせ童顔ですよ。
「はは、齋はずっと童貞でいてくれよなー。バスケ部先輩命令」
「それってアイドルみたいじゃないですか。バスケ部は事務所ですか?」
童貞なのを気にしていると相談したことがある同級生が、笑いながら、でもたしなめるように先輩に言ってくれた。
「いやいや、齋たんは我がバスケ部のアイドルだからね~。齋たんが女の子だったら今頃は可愛いマネージャーだったのかな?」
「俺なら食ってる」
「つかマネージャーになれば良くね?齋」
最早セクハラじゃないだろうか。マネージャーになれ発言は選手として不要と言われたのと同じだし。
「タオルとかドリンクとか渡されるのか・・・」
「先輩権力で汗拭いてもらう」
「それはたまらんなぁ」
好き勝手言っている先輩達。俺は一生童貞な気にさせられる。




朝練を終えて教室に入る。着席して、机に突っ伏した。ずっとマネージャーネタでからかわれた。もう嫌だ。
「おはよう、齋君。いつにも増してぐったりしてるね。朝練お疲れさま」
聞き慣れた可愛い声。視線を上げると、学校指定の鞄を肩からさげた遠藤優(えんどうゆう)が立っていた。

優は俺の友達だ。出席番号が近かった俺達は、入学式の時知り合った。初めて優を見た時は、そのあまりの可愛さにびっくりした。色白で、柔らかそうなふわふわの茶色い髪と、長い睫毛。童顔故に可愛い可愛いとからかわれている俺とは全く違う。可愛いとはこういうことだ。更に優は性格も良い。俺は優とすぐに仲良くなった。優と一緒にいると優の可愛さに俺が別段可愛くないと皆が気づいてくれるかもしれないと思ったのは秘密だが、しかも現実はそんなに甘くなく、寧ろ可愛い2人と一括りにされ、逆効果だ。
まぁ、それを含めてもあまるくらいに優は俺の善き友で、大抵一緒にいる。

「今日の一時間目って文化祭の出し物決定だっけ。齋君、文化祭は一緒に回ろうね」
楽しみ、と優が微笑む。本当に可愛い。




「文化祭の我がクラスにおける出し物は、性別逆転カフェに決定です」
委員長が言う。クラスのムードメーカーのふざけた案が通ってしまったことに、俺は憤りを感じた。
「俺は女装なんか興味はないけど、優ちゃんと齋ちゃんの女装見たくない?」
ふざけた一言に、票が集まったのだ。うちのクラスの女子も、男装には抵抗ないらしく。
「遠藤君と上野君の女装があるうちのクラスは、普通の男子でギャグ、お花2人でサプライズ!最優秀賞も狙えるかも!!」
お花って言うな。



あれよあれよという間に文化祭当日になった。
「似合いすぎ・・・っ」
「優君と齋君が、あたしの作った衣装着てくれるなんて感激・・・!この日をどれだけ待ったことか」
衣装班の女子が言う。衣装班の班長はロリータとしても有名なデザイナー志望。衣装の完成度は高い。しかし俺は、この可愛いフリルやレースをふんだんにあしらったドレスは、是非とも可愛い女子に着て欲しかった。
「スカート短めで恥ずかしい・・・」
優が恥じらう。可愛い。白い綺麗な足を包む太ももまでのソックスが眩しい。優ならアリだ。眼福ですありがとう優。
しかしどうだ。俺のこの痛々しい格好は。
「優君足綺麗で羨ましい。齋君はバスケ部だからスカートはロングにしておいたけど・・・ミニでもいけたねー。こんなに綺麗な足をアピールできないなんて!残念!!」
さらりと言われた台詞にぞっとした。確かに先輩や同級生のようなかっこいい足ではないが。
「優君はあとお化粧するだけ。齋君はこの真面目すぎるきっちりな黒髪は変更」
くるりと内巻きのショートボブのウィッグを被せられた。
「可愛いー!!!」
きゃぁきゃあとはしゃぐ女子。ショックなことに、鏡の中にいたのは女だった。




「3名様です」
「いらっしゃいませ」
「どうぞ、こちらのお席へ」
客の入りは良く、女装した男子と男装した女子は皆忙しなく動いていた。衣装は脱げないし、俺と優はここから離れてはいけないと言われ、楽しい文化祭満喫は消えた。俺はがっくりしながらテーブルをまわる。
衣装のテーマはヴィクトリアンらしい。皆、黒と白が基調の衣装で纏められており、お屋敷の召し使いのようだ。優や一部の男子がミニスカートだったり、優と俺の衣装がやたら可愛らしかったりと掟やぶりはあるものの、全体的に落ち着いた雰囲気。本来はギャグ狙いの男子も給仕役になりきり、丁寧な接客を心がけているため客もそこまであからさまにはしゃぐ気配はない。奇妙な空気ではあるが俺としては嬉しい。時折写真を頼まれたり、視線が痛いだけで、実害はなくお昼を迎えられた。


「齋たんカワユス!」
「日焼け肌少女萌え!!」
「最早童貞というより処女だな」
出た。
出し物に力が入るクラスと、展示にして文化祭を楽しむクラスの二種類がある。この3人の先輩のクラスは展示で、生徒会が文化祭のパンフレットを発行した時から絶対行くからと言っていた。そう、俺をからかいに来たのだ。
「童貞童貞言わないでくださいよ。ご注文をどうぞ」
「じゃあ次から処女で」
「もっと嫌です」
「注文かー。なら、齋たんここに座ってよ」
先輩が自分の膝を指す。
「嫌です。何しに来たんですか。ご注文をどうぞ。美味しい紅茶が揃ってます」
「つれないな」
「ほんとにー。スマイルもないしどうなってんの?」
ぶーたれる先輩。もう嫌だ。




あの3人が来た以外は滞りなくことが運び、文化祭は終わった。学年の優秀賞に選ばれた。学校全体の一番である最優秀賞は3年生のクラスが選ばれた。嬉しくないことに、学年の優秀賞を獲ったので行事の後に発行される生徒会誌に出し物の様子の写真や投票者のコメントが掲載されるらしい。そう言えば写真部も写真を撮っていった筈だ。売り出される可能性がある。・・・鬱だ。

クラスに残って、この日のために先生が家から持ってきた長いソファーに座りぼんやりしていた。皆は打ち上げに行ったため、ひとりだ。打ち上げの参加を断ると、齋が来なくてどうする、と言われたのだが、気分が悪いとごり押しした。衣装は女子からのプレゼントだと言われ、いらないと思ったが取り敢えず感謝を述べた。疲れた。
「齋君」
優が来た。俺もだが、優もまだ衣装を来たまま。可愛い優に癒された。
「気分が悪いって聞いたけど、大丈夫?」
「半分嘘だから大丈夫」
良かったと優が微笑んで、俺の隣に座る。優からはいつもの甘い匂いがした。
「ねぇ、齋君は童貞なの気にしてるの?」
優がじっと俺を見つめた。どうやら、先輩と話してるのを聞いたようだ。知られてしまったことが恥ずかしい。
「うん、早く捨てたいんだけど」
苦笑した。最近は既に諦めかけている。女子に異性として対象にされないのでは童貞脱出は遠い。


「僕じゃ、だめ?」


優が、頬を染めて可愛らしく首をかしげた。




「え、優・・・?」
優が立ち上がる。
「実はね、齋君が童貞ってことを気にしてるのは知ってたの。それでね、僕、いっぱいえっちなことを調べたんだけどね、男の僕でも、お尻の穴で齋君を気持ちよくできるかもしれなくて・・・」
優は俺に背を向けて、振り向くように、顔だけをこちらに向けた。ゆっくりとスカートを捲り上げて、白いお尻を見せた。パンツは履いていなかった。白い指が柔らかな尻たぶを掴んで開く。とろりとした液を垂らすピンク色の穴が、ひくひくしている。
「齋君におちんちんを入れてもらうのを想像して、ローションを使って毎日自分で解してたの。今日は、女の子の格好してるから・・・チャンスだと思って・・・」
涙目で優が俺を見る。
「齋君、僕を女の子だと思って、筆下ろしして・・・」
いやらしい優の姿に、俺の性器は勃起していた。
「いいの・・・?優」
頷く優。俺は優のアナルに指を差し入れてみた。熱くて、柔らかい。優が俺を想像して、アナルを自分で弄っていたなんて。指に反応して、甘い声をあげる優。壁に手を置き、優は震える体を支えた。
「入れるよ・・・っ」
友達なのに、我慢なんかできなくて、俺は優のアナルに性器をあてがう。ずちゅん、と突き刺した。
「ぁぁあんっ!」
「ぅ、ん・・・優のなか、きもちぃ、とろとろ・・・」
あまりの気持ちよさに、俺は性器をびくびくさせた。




柔らかな優のアナルにくちゅくちゅと揉まれて、入れただけで射精しそうになった。
「はぁ、ん・・・いつきくん、きもちぃ?だせそう?」
不安そうな優。
「すごい、きもちいい・・・。どうしよ、もうでそう・・・。ゆうは、痛くないの?」
「いたくないよ、うごいて、いつきくん・・・だして」
可愛すぎる。腰を動かすと足が震える程の快感に包まれる。優があんあんと気持ち良さそうに悶える。
「ひ、おちんち、ごりごり、すごぃの、ひぁぁ、いつきく・・・」
「ゅう、ゆう、ぁ、ぁ、も、でそ、でちゃぅ・・・っ」
俺は優の中にびゅくびゅくと射精した。ぶるぶると体が震える。気持ちよくて、息をつめた。
「なか、ぁつい・・・ん」
優のうっとりした声に我に反る。早漏の上に中出し。最低だ。
「ごめっ、なかに・・・っ」
どろ、と優のアナルから垂れる白濁に、ごくりと唾を飲む。やらしくて、目眩がした。
「い、の・・・それより、いつきくんのおちんちん、またぼっきしてる」
腰を揺らす優。たまらなくて、俺はすぐに再び挿入した。
「きゃふ、ん」
優の細い腰を掴んで性器を抜き差しする。後ろ姿だから気づかなかったが、優の性器も勃起していた。しごくと、気持ちよさそうに、アナルを締める。
「ちんこ、きもちいい?」
「ぁ、ん、ん・・・きもち、ゆぅの、おちんち、ぐちゃぐちゃにして・・・」
興奮した。俺も優もドレスを着ているから、酷く倒錯的だった。




二回、優の中に出した。気持ちよくて虚ろになる俺を、優がソファーに押し倒す。長いスカートを捲られ、俺は赤くなる。
「ゆう・・・?」
まさかの騎乗位かとどきどきしていると、優はローションを取り出して手に広げた。精液でどろどろの俺の性器にもローションをかける。くちゅちゅ、としごかれた。
「ぁはぁぁん」
腰が揺れる。
「いつきくん、かわいい」
優がいやらしく微笑む。性器から先走りがとろりと溢れた。
「あのね、いつきくんが凄くきもちよさそうだったから、ぼくもしてみたいの・・・いい?痛くないようにするから」
快感にとろけた俺は、優に異を唱えるという選択肢を持っていなかった。
「ゅう、きもちくして・・・」



「ぁぁんっ、やぁ、ん、ゆぅ、ゅ、へん・・・ィく、ん、イっちゃうぅ・・・っ」
ソファーの上で悶える。優の指が気持ちいいところをぐりぐりすると、腰が跳ねて爪先がぴんとした。
「いつきくん、入れていい?・・・こんなにおっきくなっちゃった」
優がはぁん、と息を吐く。小さくて可愛い色だけど、優に似合わないびきびきに勃起した性器。俺はむくりと起き上がって、それを舐めた。優を女の子として扱っている訳じゃないと示したかった。
「ぁ、やだ、らめ・・・はぁ、ぅ、きゃふ・・・おちんちん、なめなめ、や、ゃ、イっちゃう、いつきくんに、いれたいのにぃ・・・っ」
ぽろぽろ涙を流す優。
「ん、ちゅ、また舐めてぼっきさせるから、ゆぅのお汁、俺にちょうだい・・・?」
舐めて、吸う。優の性器はびくんっと震えた。




優に乗っかって、腰を振る。
「ぁ、ぁ、いつきく、きもちぃよぅ・・・も、イきたい、ひぁぁぁあ、ん、は、ん・・・ィかせてぇ」
俺の下で、優が悶える。可愛くて、もっともっといじめたくなる。優の性器の根本を紐で縛ったのは俺だ。
「ゆう、ゅう・・・ぁん、ぁ、はぁん・・・」
優の腰が快楽に跳ねる度に性器が俺のアナルを擦る。俺は上下前後に動きながら、優をきゅうきゅう締め付けた。
「ぁ、ぁ、ん・・・はぁ、ゆうは、がまんさせられるの、きもちいいんでしょ?」
優が恥ずかしそうに頷く。でも、と桜色の唇が動く。
「も、らめ、おちんち、こわれゅ・・・いつきくん・・・」
うるうると瞳を潤ませて、優が女の子みたいな可愛い顔で助けを求める。
「・・・じゃあ、ゆう、おねだりしてみせて」
俺は優の頬を撫でて、ふわふわの髪にキスをした。
「ぅん・・・」
優はぽわぽわした顔。
「・・・いつきくんの、おしりでぐちゅぐちゅこしゅって、ゆぅの、おちんちんから、いっぱぃ、ゅうのいやらしいみるく、しぼって・・・」
「ゆう、かわいい」
俺は優の性器を括れさせている紐をほどいて、腰をふりたくる。
「ぁはぁぁん!いつきく、しゅきぃ、ぁ、ぁ、でゆぅ、どぴゅどぴゅしちゃぅの、イくぅ、ひゃぁぁぁっ!」
びくっびくっと優がのたうつ。熱い液を中にかけられて、俺も射精した。


どろどろに汚したソファーを綺麗にして、制服に着替える。
「優、俺達って、友達?」
優が気まずそうに俺を見た。そういう意味じゃないんだけど。
「・・・俺は優にキスしてもいいの?」
優はぽかんとした後、頬を染めて何度も首を縦に振る。
「次は、ちゃんと男の子の優とえっちしたいな」
女の子みたいに可愛い優が、俺に抱きつく。俺達は見つめあって、初めてのキスをした。


おまけ

文化祭が終わった後の性別逆転カフェの扉に貼りつく男達。

「齋、童貞卒業だけでは飽き足らず、処女までも喪失とは・・・」
「優君だっけ?あの可愛い子に跨がって腰振って・・・けしからんもっとやれ!」
「齋たんやっべぇ、えろえろ」
「日焼け肌の足が揺れて・・・うおお!・・・淫靡過ぎる・・・っ」
「ちょっ、おねだりしてみせてキター!!たまらん!!」
「はぁはぁ、齋は女王様だったんですね、わかります」
「トイレ行きたいけど目が離せないんだぜ・・・」




「なぁ、最近先輩達、齋を童貞ネタでからかってこないのな。何かあったのか?」
「さぁ・・・。嫌がらせは良くないって気づいたんじゃないかな?」
まさか自分が童貞を捨てたことを先輩が知るわけないし、と齋は心の中で首をかしげた。

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