バスタブ
罪深き恋
1
もうすぐ冬だ。教会の出口で私は落ち葉を掃きながら暮れ始める空を見上げた。
「こんにちは、ルークさん」
振り向くと、優しげな白髪の老夫婦。
「こんにちは、フラントさん」
笑顔で挨拶するとフラント夫婦は小さく会釈した。
「あの、私たち、次の日曜のミサに出席できないの。土曜の夕方のミサはあるのかしら」
フラント婦人が言う。
「ええ、ありますよ」
もちろんと答えると夫婦は安心したように笑んだ。
「ありがとうございます。ルークさん。では」
軽く手を振る。私、ルーク・アルベルトはいわゆる神父だ。アルベルト家が300年以上もの間、富を布施し続けた立派な教会。幼い頃から祖父に連れて来られていたこの静かな場所で、自分が司祭として働いているのは至極自然なことのように思われた。神の使い。皆人はそう呼ぶが、そうだとしても私はあくまで人間だ。
そう、人間だ。
オルガンの調整をした後、教会を閉めるために鍵を持って礼拝堂を抜ける。
「こんばんは」
鈴の鳴るような声。冷たい外気と共に教会に入って来たのは少女のような少年。名はミツ。この辺りでは見ない淡い茶色の髪はさらさらとして美しい。
「いつも、こんな時間にごめんなさい・・・」
丸い大きな瞳が不安げに私を見つめる。
「構わないさ。奥へ」
私はミツをまだ暖かい祭壇へと案内した。
2
私は祈りを捧げるミツを見ていた。綺麗な横顔。初めて教会にミツが来た日、私はミツを女の子と間違えた。父親がこの辺りの人ではないらしく、珍しい髪の色は父親の遺伝だと思われる。両親を早くに亡くしており、祖父母と暮らしていると聞いた。ミツはよく教会に来る。この迷える子羊は、神に何を祈っているのだろう。
「ルークさん、ありがとうございます」
にこりと控え目に微笑むミツ。
「ミツは・・・いつも何を祈っているんだ?」
単刀直入に聞いてみた。
「・・・いろいろです。お母さんとお父さんが天国で幸せになってますようにとか、どうしたら、神様と仲良くなれるかとか・・・」
真剣な表情に口元が緩む。
「神様と仲良くなりたいのかい?」
頷いたミツに微笑んだ。
「きっと仲良くなって下さるよ。・・・気をつけて帰りなさい」
私はミツに特別な感情を抱いていた。よくわからない感情。他の子どもには感じないもの。間違いなく、私はミツに執着していた。
「ルークさん」
翌日の夕方、落ち葉を掃いていると、ミツが抱き着いて来た。震える肩に、泣いているのだと気づく。教会に入れて、話を聞いた。
3
大事な話だろうと予測がつく。私は教会を閉めた。
「僕、いつも、放課後いじめられてて、今日、僕・・・一人に噛みついてにげてきました・・・」
ごめんなさいとミツは言う。何故気づかなかったのだろうか。ミツの服はボロボロだった。不意に血の臭いがしたような気がして、私は顔をしかめる。
「ミツ、上着を脱ぎなさい」
自分の口から出た言葉の語気の強さに驚く。ミツはびくっと肩を揺らした後、ぎゅっと自分の身体を両手で抱いた。
「ミツ、脱ぎなさい」
「や、だめなのっ、だめぇ・・・っ」
名を呼んで、半ば無理矢理上着を脱がせた。現れた白い肌に、私は言葉を失った。赤や青の鬱血が、美しい肌の上にのっていた。小さいが血を流す生傷もいくつかある。かなり古い鬱血の痕に、以前からの暴力が伺い知れた。ミツは泣いていた。
「ルークさん、僕、も、ルークさんに、あえな・・・っ」
鳴咽だらけの言葉。私は何故?と問う。
「綺麗な人間じゃないと、ルークさんに、神様には、気に入ってもらえないから・・・っ」
まるで私が神だと思っているような口ぶりと、恐らく誤っているであろう神の解釈。私はミツを抱きしめて、その肌を撫でた。
「ふ・・・っ」
ミツが僅かに顔を歪ませる。
「ミツ、君は間違っている」
私はミツの潤んだ瞳を見つめた。
4
「神は綺麗な人間だけを救いたもうのか?」
私の問いにミツは頷いた。
「・・・質問を変えよう。なぜミツは自分が汚れていると思う?」
「友達に殴られるのが証拠です。神様は僕に怒っていて、友達に罰を与えさせているのです。髪が茶色いのは、僕が汚れている証で・・・そして僕は、きょぅ・・・人にかみついてしまいました・・・」
かたかたと震えている。自分に危害を加えてきたものは神の意思だと、自分だけを責めるミツ。どうしたものかと閉口した。
「ぼくは、ゆるされな・・・っ」
感極まったのか、ミツの瞳からまたぼろぼろと涙が溢れた。私の心は意外に冷静で、ミツがどうしたら、許されたと思うかを考えていた。
「・・・ミツ。何か勘違いしているようだが、私は神のしもべだ。神ではない。・・・だが、ミツの罪をしもべである私が許せば、どうだろう」
ミツは私を見つめて、言った。
「神様も、僕をゆるす・・・?」
私は頷いて、ミツの髪に唇を落とした。
「この髪は君がご両親からいただいたものだ・・・君がご両親の息子である証。けして、汚れの証などではない」
肩に残った大きな痣に唇を落とす。
「ミツは、泥棒は神のご意思で盗みを働いていて、盗みにあった者は汚れていたのだと思うのか?」
首を振ったミツ。
「そう、神はそんなやり方で人間に罰を与えたりしない。盗みや他人に暴力を奮う者、どんな理由があろうと、悪だ」
ミツは納得した様子だったが。その瞳はまだ不安に揺れていた。
5
「この痣も、汚れではない」
私はミツの痣に一つ一つ唇を落とした。血を流す生傷には舌を這わせた。
「ぁ・・・ぅ、ルークさん、僕は、許されないの・・・」
私はミツに言う。
「悪に対してだろうが、危害を加えてしまったことを言っているのなら、君が心から反省した時、許される。言うなれば、この傷も、君が悪によって汚されたに過ぎない」
ミツは首を振る。
「それだけじゃ、ないの・・・」
ミツは意を決したらしい表情。私は黙ってミツを見ていた。ミツの美しい下半身があらわになる。
「おちんちんも、汚されたの・・・」
だからルークさんは僕を許せない、とミツは弱々しく微笑んだ。ミツの幼く無毛の性器は土で汚れていた。
「靴で踏まれて、さいしょは、痛かった、けど、だんだんきもちくなっ、て、白いおしっこが・・・」
私はミツを抱き上げると、教会の奥のバスへと向かった。
バスタブにお湯を張りながら、温かいシャワーを浴びせる。私は自分がまだ服を着ていることなど気にせず、ミツを洗うことに集中した。ミツを泡だらけにしていく。普段は誰も使わないバスだから、スポンジがなく、私はミツを手で洗ってやっていた。それが間違いだと後で気づいた。
6
私がミツの性器を洗おうと、手にボディソープを取り、シャワーを掲げた時、ミツは両手で性器を隠して涙目で私を見た。
「ぁ・・・だめ、やっぱり汚れて・・・」
黙ったままミツの手を外させると、性器は勃起していた。
「っ・・・ごめんなさ・・・きらいにならないで・・・」
ぬるぬるの私の手がミツの身体を刺激していたらしかった。
「嫌いになどならない」
私は性器にシャワーでお湯をかけ、土などを落とすと、ボディソープで洗う。
「るーくさん、ぁ、ゃ、らめぇ・・・ん、こしゅらなぃで・・・」
はぁはぁとミツが桃色の唇から息を吐く。私は自分の欲望が疼くのを感じた。曇ってきた眼鏡を外し、ポケットに仕舞う。満遍なく全体にぬるぬるのボディソープをこすりつけながら、親指で先端を皮から剥いた。
「ひぁっやぁぁあんっ」
ミツは身体を痙攣させて、精液を放った。
「ふ、ぅ・・・っまた、しろいの、でちゃった・・・」
私の服を掴んで、恍惚に小さく柔らかい身体をひくんと震わせる。
「あるごじゃなくて、るーくさんが、さわるから・・・いっぱぃ、きもちくなっちゃぅ・・・かみさまをすきになって、ぼく、わるいこなの・・・」
はふはふと慣れない射精に息を乱しながら、そんなことを言う。一気に理性は限界を越え、私は床にミツを押し倒していた。
7
「ぁんン、るーくさ、ちくび、いゃあぁ・・・」
いやらしく震えているミツを組み敷いて、泡も全部流したミツの肌に吸いつく。小さな乳首は私の愛撫に膨れ上がって、まるで求愛しているようだと思う。舌でねぶって、刺激し続けた。
「ぁにゅ、ぁぁん、はぁぅう、ぁ、ぁ、あっ」
びくびくとミツが身体をよじる。
「おちんち、こわれちゃ、みりゅく、だした・・・ぃ・・・るーくさん・・・」
両腕の手首を頭上で私に括られているミツ。
「どうして欲しいんだ?」
耳元で囁くと、長い睫毛が小刻みに揺れた。
「ぁ、ぼく、の、みつの、おちんちんに・・・さわってください・・・こしゅこしゅしてぇ・・・」
従順で可愛らしい。私は虐めたい気持ちがむくむくと大きくなるのを抑えられなかった。
「いやらしいな・・・」
両手首を片手で掴んで腕の自由を奪ったまま、私はミツの身体からどいた。伸ばしている足を曲げるように言うと、ミツはゆっくりと膝を腹の位置に上げた。私はミツの股間にボディソープをかけて、言う。
「自分で擦りなさい」
「ぁ、あ・・・ん、ふぁあっ」
白い柔らかな内股で自分の性器を刺激するミツはいやらしく、可愛い。
「るーくさ、ぼく、も、いっちゃぅ、ぁ、ゃぁぁあっ」
ミツの内股の間で小さな性器が揉まれ、その桃色の先端から淫液を放つ瞬間は、堪らなく卑猥だった。
8
私の寝室で、ミツと私は交わる。私はミツを愛している。
「ぁあっ、ひ、ん、おちんち、みりゅく、ちょうだ・・・みちゅのおしりにかけてぇ・・・」
私の腰の上で淫らに身体をくねらせる可愛いミツ。
「ミツが望むなら」
私はミツの首にキスを落とす。ミツはもういじめられてなどいない。白く美しい肌には僅かな鬱血の痕が残るが、これもいずれは消えてなくなるだろう。
「ミツ・・・」
名を呼ぶとミツは嬉しそうに震えて、声を高くする。私はミツの赤く熟れた乳首を強く摘んだ。
「ひゃ、んン・・・」
ミツが大きく痙攣する。腹筋に熱い液体がかかり、ミツの肛門が私を締めつける。私にくっついてぴくぴく震えるミツに、注ぎ込んだ。
「はにゅぅ・・・ぁっ、ぁぅ・・・とろとろ、いっぱ・・・ぃ・・・るーくさんの、おちんちみりゅく、みちゅに、はぅぅ・・・きもち・・・」
ミツのふとももが痙攣する。ミツの性器が再び勃起した。
「もっと・・・」
ミツはもう、自分が汚れていると言わなくなった。そして、私が神でないとよく理解している。ミツは私に許しを請うことも、救いを求めることもない。
「みつを、いっぱいあいして・・・」
全身で愛を請う清らかな天使に、私は人間としていびつな愛を捧げ続けるだろう。
「ミツ・・・」
私の欲望を受けるミツの、甘い嬌声が耳に心地よく響いた。