バスタブ
蕾と2人の兄様
1
五十嵐蕾(いがらしつぼみ)には兄が2人いる。25歳の葉(よう)と、23歳の洸(こう)。3人は皆それぞれ異なる母を持つ、腹違いの兄弟。有名な実業家だった父親と彼が愛した3人の女性は既に他界し、兄弟は残された屋敷に数名の使用人達と暮らしている。
とは言え、長兄の葉は、国内外問わず人気のモデル業に加えて、最近では俳優業を始めたため、甚だしく多忙。中々屋敷に帰ってくることができずにいる。次兄の洸は海外ブランドに所属しながら、個人としても注目されているデザイナー。本人の希望で自宅で仕事をしているが、多忙故に仕事部屋から出られない。
末っ子の蕾は鉛筆を握って、ノートと対峙していた。10歳。学校に行ったことはなく、自宅で学習している。忙しい兄達を心配させたくない一心で励む勉学の成績は、優秀。飲み込みが早く、既に同い年の子どもよりも上級のカリキュラムをこなしている。しかし最近は。
「葉兄様、洸兄様、・・・」
かれこれ2週間程顔を見ていない兄達が恋しくて、勉強に集中できずにいた。
「蕾」
ソファーに座って本を読んでいた蕾は、名を呼ぶ声に顔を上げた。肩程までの茶色がかった落ち着いた色味の髪と、端正な顔。
「洸兄様・・・!」
本を置いて兄に抱きつく。上目遣いで視線を合わせた蕾は、寂しそうに黒い瞳を揺らした。洸は仕事用の眼鏡をかけている。
「眼鏡・・・お仕事まだ終わらないの?」
「ん・・・あと少しなんだ。充電させて?蕾・・・」
洸はぎゅっと蕾を抱き締めると、蕾の肩口に顔を埋めた。洸の匂いに包まれて、蕾は頬を染めた。
「洸兄様、大好き・・・」
「・・・据え膳・・・我慢だ、洸」
思わず漏れた洸の呟きに、蕾は首を傾げる。
「蕾、今晩、衣装合わせのために葉兄さんが帰ってくる。俺も仕事中断するから・・・」
洸の色めいた視線。蕾は真っ赤になって、こくんと頷いた。きゅぅと抱きつく。
2
再び仕事部屋に帰ってしまった洸。蕾はソファーにころりとして、火照った体をもてあます。長兄が帰って来ると聞き、期待にどきどきしている。幸せな気持ちで、そのまま可憐な瞳を閉じた。使用人達はうっとりと溜め息を吐いて陰から見守っていた。
「私達の主の可愛らしいこと・・・!」
「最近元気が無くて本当に心配でしたからね・・・」
「葉様がお帰りになられるのです」
使用人の纏め役、最年長の森安が言う。使用人達は頷いた。
夜、夕食を食べてお風呂から上がった蕾は、窓の外の黒いベンツを見て、リビングに走った。
「葉兄様!」
長身で、少し長い黒髪の麗しい男。長兄の葉は、リビングで洸と話をしていた。
「蕾」
会いたかった、と低音の甘い声が蕾の鼓膜を震わせる。ぎゅっと抱きついた蕾を抱き締め返して、葉は楽しげに、でも困った風に笑った。
「今、仕事の話をしているから、もう少し待ってくれるか?」
「ごめんな、蕾」
2人の兄が揃っている。蕾はまたたびを与えられた猫のようになっていた。
「ようにぃさま、こうにぃさま・・・つぼみは、いっぱぃ、いっぱい、がまんしました・・・」
早く兄が欲しくて堪らない。お預けを食らっていた蕾は、堰を切ったとでも言うように甘い甘いフェロモンを垂れ流す。
「・・・洸、よく我慢できたな」
「それは、賢く会わないようにしてたから。こんなに誘ってる蕾は初めて見る・・・。葉兄さんもでしょう?」
「ああ。予定を変更する」
蕾の頭上でやり取りされる兄達の会話。
「・・・?」
ふわりと鼻腔をくすぐる煙草の香り。蕾は葉に抱き上げられていた。
「今から洸の服を試着しに行く。終わらせたら、すぐ愛してやる」
3
裁縫道具を持った洸と、スーツ姿の葉。
「スーツ、肩大丈夫?」
葉は胸を張って、腕を回して見せる。
「丁度いい」
「でも可笑しくない?テレビCMで葉兄さんを知った脚本家が急遽配役変更してまで葉兄さんを主役に抜擢したまではいいとして、どうして衣装製作の仕事が俺に?」
「悪いな。事務所の社長が俺には洸の服が一番似合うから、と脚本家に断ってわざわざ手配したらしい。デザイナー、五十嵐洸が俺の弟と知らずに、だが」
口角を上げた葉に洸は白衣を手渡して、まぁ俺以上に葉兄さんに似合う服を作れるデザイナーがいたら嫉妬する、と苦笑した。
「うん、凄く様になってるよ、葉兄さん。蕾もそう思うよな?」
ベッドの隅っこに座って、ぽーっと2人を見ていた蕾は、頬を染めて頷いた。
「・・・葉兄様、次はお医者様なの?」
葉を見つめた蕾。気にしないように努めていたが、見てしまうと捕らわれる。葉は甘い香りを漂わせる蕾の前に、しゃがんだ。
「ああ。・・・診察されたいか?蕾・・・」
いやらしいことをする時の、兄の低い声。蕾は瞳を蕩けさせて頷いた。唇を奪われる。
「ん・・・ふ、ちゅ・・・」
久しぶりの兄の唇と舌。蕾はうっとりと受け止めた。
「ちゅ、む・・・はぅ・・・ひぁぁ・・・」
いつの間にか蕾の後ろに回っていた洸が、蕾の服を捲り上げて、胸を触っていた。
「抜け駆けなんて頂けないな。葉兄さんが開発した蕾の乳首、俺が苛めちゃうよ?」
くりくりと桃色の乳首を指でこねる。
「ひゃ・・・ん」
ひくっひくっと震える蕾。葉と洸は可愛い、と見解を一致させた。
4
蕾は、葉と洸にこれでもかと言うほどにかしづかれて育った。少し過保護だが、その中で蕾はしっかりと成長している。
葉、洸は父親が各々の母親を深く愛していたが故に彼女達の名前の一部を名付けられている。
葉の母親は葉を産んだ時に、洸の母親は洸を産んだ時に、それぞれ他界していた。2人とも素晴らしい女性だった。成功のただ中にいる実業家の父親は、呪われていると世間に後ろ指を指されていた。
蕾が生まれたのは、葉が15歳、洸が13歳の時だった。呪われていると噂されていた父親の3人目の妻もやはり、素晴らしいと形容される女性だった。そして世間の好奇の視線を煽るように、出産後に他界した。
先の二度の不幸については、忘れ形見である息子を愛でることが父親の精神を安定させていた。しかし、愛する女性を三度亡くして、父親は自らを呪わずにはいられなかった。使用人達の慰めも虚しく、彼は妻を追うように自殺した。
末っ子の名付けは葉と洸が行った。2人でも育てられるように、葉と水と光さえあれば立派に育つようにと、蕾と名付けた。愛しい弟が蕾のままで、一人立ちしないようにと願ったことは、秘密にしている。
愛らしく育っていく蕾に初めて欲情した時のことを、葉も洸しっかりと覚えている。それ以来、他のどんな人間も欲しいと思わなくなったのだから。
互いに蕾への気持ちを告白し合った後も、名付けたあの日から2人の誓いは変わらない。
蕾は、2人で愛でる。
5
「ひぁ、ぁ、洸兄様ぁ・・・っ、おちんち、でおしり、ひぁぁあっきもち・・・ぁ、ぁ、っ」
後ろから抱き抱えられて、洸のペニスに貫かれる。蕾は腰をくねらせて、快楽を一身に受け止める。葉はそんな蕾の震える小さなペニスを愛撫した。
「ひ、ぅ・・・ぁん、葉兄様、おちんちん、しちゃだめ・・・」
「とろとろの汁を流して、駄目なんて可笑しいな」
「ぁ、ん、ん、んっ」
しゅっしゅっとしごかれて、蕾は葉にもたれる。洸のストロークも激しくなって、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響いていた。
「は、ひぅ、いっちゃぅ・・・ぁ、ぁぁん」
びちびちと射精する蕾。洸も締め付けに吐き出した。
「なかに、洸兄様の・・・」
うっとりとアナルを締めて、洸を搾る。
「蕾・・・」
洸が蕾の耳を舐める。射精してもまだ固い洸のペニス。蕩ける蕾のアナルからは、いやらしい白濁が流れた。再び蕾を揺すり始めた洸。葉は蕾のペニスの先走りを掬って、乳首に塗りつけた。くりゅくりゅと摘まんで、舌で舐める。
「はぁん・・・」
ぶる、と体を震わせて、蕾は葉を見る。
「乳首、気持ちいいか?」
頷いた蕾。気をよくして、葉は乳首をいじめる。
「はぁ、あ、ん、ぁん、ぁ・・・」
ちゅう、と葉の唇が乳首を吸って、ぺろりと洸が首筋を舐めた。ぞくぞくと快感が蕾を襲う。蕾は小さなペニスを葉のペニスに擦り付けて愛撫した。葉のペニスがびくびくと震える。蕾は嬉しそうにはにかんで、腰を揺らす。
「葉兄さんと擦りあいっこしてるの?いやらしいね」
洸がうっとりと蕾の耳に囁いた。
「洸兄様は、いやらしいつぼみは、きらい?」
「まさか。好きだよ。蕾ならなんだって好きだ」
ちゅ、と唇を奪う。
6
葉に背中から抱えられ、葉の太いペニスを小さなアナルいっぱいで揉み擦りながら、洸と何度もキスを交わす。
「ん、ふ、ちゅ・・・は、ひ、ん、きゃふっ、らめ、らめぇ・・・ひはぁ・・・」
ずちゅっと中を抉られて、蕾はのけ反って洸の首筋に顔を擦り付けた。ぎゅぅっと白いシーツを掴んで、ふるふると震える。汗ばんで、白い肌に張りついた綺麗な黒い髪を、洸が優しく指で払ってやった。
「どうしたの?蕾」
「何が駄目なんだ?」
葉は微笑みながら動きを止めずに、蕾の頬にキスをする。
「ひぁぁ・・・っ!ぁ、んぅ・・・」
とぷとぷと小さなペニスから勢いなく射精する蕾。目を閉じて、震えながら余韻に浸る。は、は、と息をする。くたりと洸に体を預けた。
「・・・何これ。葉兄さんずるくない?こんなイき方見たことないんだけど」
「俺はいつも通りだ。蕾が悪い。射精したいのを我慢していただろう?」
葉は蕾に問う。蕾はこくんと頷いて、潤む瞳で葉を見た。
「つぼみ、さんかいも、みるくだしちゃ・・・っ、葉兄様は、いっかいも・・・蕾のなか、きもちくなぃ・・・?蕾、葉兄様のみるく、ほしぃのに・・・ひぁぁ!」
ぱんぱんと打ち付けられる熱。あーあ、蕾、葉兄さんのスイッチ入れちゃった、と洸の声が聞こえた。
7
兄達は一晩中蕾を愛し続け、シーツも蕾も精液でどろどろに汚した。
ぱちりと目を覚ます。清潔なシーツと、大好きな2人の兄。
「おはよう、蕾」
葉が左頬にキスを。
「体大丈夫?」
洸が右頬にキスをする。
「兄様、大好き」
蕾は微笑んだ。
兄弟3人はリビングでソファーに座っている。
「蕾、このマフィン凄く美味しい」
雛鳥の親のように蕾にマフィンを与える洸。蕾は愛らしい唇を少し油で光らせて、マフィンを咀嚼した。
「葉兄さんのお土産ってホント外れないよね。オプション効果までバッチリ」
「だろう?」
言って、葉は蕾の唇に舌を這わす。
「美味いか?」
「本当に兄弟仲睦まじくあらせられて、天国のご両親はさぞお喜びでしょう」
使用人達は陰から見守っている。