バスタブ
触って欲しいの
1
俺は笹田尚人(ささだなおと)。高校一年。成績は上の下、好きな食べ物は青リンゴ。
「なぁ、雅樹」
前の席の男の肩を叩く。振り返ったのは、長い黒髪を後ろで束ねた、俗に言う美男子の高永雅樹(たかながまさき)。俺の幼なじみである。切れ長の二重の眼と、シャープな顎のライン。女子にきゃあきゃあ言われている。性格は、彼女達に言わせれば、紳士。眉目秀麗、文武両道、何をやらせても人並み以上。
何だと雅樹が俺に目で問う。
「宇野、さっきから様子がおかしくない?」
俺は斜め前の席の宇野裕里(うのゆうり)を指差す。宇野は背中を丸くして、何だか苦しそうにしている。
「僕にどうしろと?」
雅樹の目は冷たい。俺にはさっぱりわからないが、なぜか雅樹は宇野を嫌っているらしい。あまり接点がないから、クラスメートは気付いていないが、雅樹は宇野に対してだけ、紳士でない。
「う・・・そりゃ、保健室にでも連れてってやって・・・」
「行きたかったら自分で行くだろう」
雅樹は話は終わったとばかりに前を向いてしまった。
「次、この問題だが・・・宇野に・・・おい、宇野、大丈夫か?」
教師が宇野の異変に気づいた。
「誰か保健室に連れてってやれ。学級委員は・・・高永か、お前なら授業をちょっと聞かなかったくらい屁でもなかろう。ちょっと頼む」
分かりましたと雅樹が返事をする。苦しそうに胸元を押さえる宇野がふらふらと立ち上がった。小柄な身体が覚束ない足取りで机の間に出たので、俺ははらはらしてしまう。雅樹がそんな宇野の身体をひょいと抱き上げた。それも、お姫様だっこ。
「宇野、できるなら首に腕を回せ」
宇野の白い手が雅樹の首に回された。雅樹の首元にぐっと近づいた宇野の唇が、小さく動く。ごめんなさいと言ったのか。雅樹は当たり前のような顔で宇野を横抱きして生徒が座っている机の間を進む。宇野に、女子の羨望の視線が集中している。
「柴田さん、開けてくれる?」
後ろの扉に一番近い女子に声をかけた雅樹。柴田は慌てたように立ち上がって扉を開けた。
「ありがとう」
微笑んで、雅樹は教室を後にした。誰かがぽつりとうわごとのように、かっこいいと言った。俺も、そう思う。
2
薬でも抑えられずに、年に数回、僕は発作を起こします。激しい動悸と、苦しい胸の痛み。暫くすると収まる小さい発作と、死ぬんじゃないかと思うくらいの大きい発作の二つがあって、今日のは後者でした。どんどん呼吸もままならなくなって、ついに目眩。先生に頼まれた高永君が、僕を保健室へ連れていってくれています。苦しいのに、申し訳ないと思うのに、高永君の体温を感じて、嬉しくなる僕がいます。高永君にこんなに密着したのは、初めてでした。
僕は、生まれたときから身体が弱くて、発育も運動能力もいまひとつです。そして、発作を薬で抑えています。先輩や同級生が優しいのをいいことに大好きな野球をずっと続けているし、高永君と同じ学校ヘ行きたくて、家族に反対されても家から離れた学校に通うことを諦めませんでした。僕は、我が儘な人間です。
眼を開くと高永君がいました。
「気分はどうだ」
僕はどきどきしながらこくりと頷きます。
「ぅ、ぁ、きぶん、は・・・いいです。・・・ずっと、いてくれたの?」
「まさか」
高永君は苦笑しました。向けられた冷たい表情に、悲しくなりました。時計を見ろと促されて見てみると、学校は既に終わった時間でした。
「宇野のご両親は日本にいないと聞いた。掛かり付けの医者いわく発作が治まったなら、取りあえず今は大丈夫らしい。8日前に処方した薬を飲め、だそうだ」
僕は頷きました。学校から親に連絡が行った筈です。仕事の都合で海外に行った僕の親は、一人で残るという僕の我が儘を渋々だけど許したことを後悔しているに違いないなと、僕はぼんやり考えました。
「・・・大丈夫そうだな。顔色も悪くない。行くぞ」
僕の荷物を持っている高永君。ベッドから上半身を起こしている僕に言います。
「?」
「付き添って帰るように頼まれた。今日は施錠も早いから、ゆっくりはできない」
「・・・!」
高永君と下校する。そう思うとほっぺが赤くなりました。どうしよう、緊張する・・・。
3
俺は、政治家の父により内面を外側に出さないことが美徳と教育された。実際、それは正しく、また俺自身のためになる。俺は周りが求める優等生を自ら進んでやってきた。信頼を得ることで俺は好きに動けるようになり、周りは俺に従うようになった。順調だった。それが、なぜか宇野の前でだけ、ありのままの俺が隠せない。「僕」の一人称さえ、宇野の前では使えない。このことは俺のプライドをずたずたにした。
宇野を見ていると、変な気分になる。
例えば、今俺は、かつてない程に焦っている。鮨詰めの電車に乗っているために、宇野が俺に密着している。問題は、そのことに心拍数を上げている俺がいることなのである。俯いている背の低い宇野のつむじが見えている。電車が揺れ、宇野が揺れる。甘い香りが鼻を掠め、俺は自分の頬が赤くなるのを感じた。宇野がぎゅっと俺に抱き着いたのだ。
「ごめ、なさっ・・・ぁっ」
宇野が顔を上げた。耳まで真っ赤になって、大きな瞳は潤んでいる。俺は思わず目を反らす。なんて顔をしてるんだ。
「はぁはぁ、ぁ、う、たかながく・・・たすけて、おねがぃ」
小さな声が聞こえた。考えてみれば、宇野の様子は明らかに変だった。周りを観察する。宇野の後ろには不穏な動きをするサラリーマンが、いた。
「貴方は、何をしているのか、わかっていますか?」
耳打ちする。冴えないサラリーマンは気まずそうに奥へと消えた。宇野がほっとしたような表情をする。
「・・・高永君、ありがとう。僕、よく、ああいうおじさんにお尻とか・・・」
言葉を詰まらせて、宇野は俯いた。宇野の肩を掴んで、壁側に宇野の身体を押し付けた。
「お尻とか、何?」
俺はなぜ、こんなにも苛々しているのか。
「言えよ、宇野」
びくっと宇野の肩が震えた。
「ぃゃぁ・・・」
真っ赤になって首を振る。
「俺が助けたんだ。言え」
宇野はぐずりながら俺を見た。身長差からの上目遣い。ごくりと咽が鳴る。
「・・・おちんち、とか、もみもみ、されるの・・・」
ああ、苛々する。
4
俺は勘がいい方だと自負してる。宇野が雅樹のことを好きっぽいのは結構前から気付いていた。そりゃもう、入学してすぐ気付きましたとも。ありゃ、入学前から雅樹が好きなんじゃないかな。
そんでさ。
「雅樹、昨日宇野と何かあった?」
「・・・何もない」
絶対何かあったな。雅樹の返事で確信しつつ、俺は宇野の席を見た。さっきから何度も切ない顔で雅樹を見ていたのはチェックしてたが、今度はばっちり宇野と目が合った。今日もくりくりの瞳の宇野は、男か?ってくらいに可愛い。へらっと笑って手を振ると、宇野は泣きそうな顔をした。・・・なぜだ。若干落ち込んだ俺、ダメージ500。
「高永君、」
掃除中に宇野が雅樹に近づいた。おお、と思いながら俺は窓を拭きながら観察。雅樹は相変わらず素っ気ない態度のようだが、宇野が自主的に雅樹に近づいたのは殆ど初めてかもしれない。ついに恋のラブアタックが!とにやにやしながら見てしまった。
それから、宇野はそりゃあもう健気に雅樹と仲良くなろうと頑張っているようで、よく雅樹の傍に来る。必然的に俺の傍に来るということで、いつもは遠目から観察するしかなかった俺はほくほくしながら可愛い宇野を見ることが可能になった。可愛いものは存在が癒しである。仲良くなれるはず、と考えていた俺だが、まさかの誤算があった。宇野に冷たい雅樹、その冷たさは異常で、なぜか宇野をかわして俺との話にすり替えたりする。宇野の可哀相なことと言ったら!そんな感じで日々を過ごすうちに宇野の俺を見る目が段々違うものになってきたのである。・・・泣きそうで、かつ親の敵を見るような顔をするんです。可愛いけどさ、俺はもっとこう、笑顔の宇野がいいよ。憎まれることした覚えないし。寧ろ、雅樹の宇野への冷たい意地悪をフォローしている。ここで、俺は一つ、形勢逆転の提案をした。
「今度、雅樹の家に泊まろう!!」
5
笹井君と高永君は、凄く、仲がいい。笹井君は明るくて、基本的に高永君と一緒にいるけど、クラスの誰とでも分け隔てなく接する姿をよく見るし、イベントなどを盛り上げるムードメーカー。羨ましいくらいに、魅力的な人です。・・・僕にも、優しいです。
だけど、だけど、最近の僕は、高永君に近づいて、二人をよく知るようになった僕は、笹井君のことが嫌いになり始めていました。笹井君は高永君と楽しそうに話ができます。僕は、それができません。多分、嫌われているからです。よく痴漢にあうような奴だからかもしれないし、性格とかが生理的にだめなのかもしれない。両方ということもあります。どうして笹井君はよくて僕はだめなんだろう。そう考えると、最低な僕は笹井君が憎くなってきて、同時に申し訳なくなります。僕には、笹井君みたいな魅力はなくて、悪いところばかり。
「今度、雅樹の家に泊まろう!!」
ある日、笹井君が言いました。行きたいと思いながら、笹井君と高永君の関係を勘繰る僕がいます。
「雅樹のお母さんの料理が食べたい~。宇野ちゃんも行きたいよな」
笹井君は行き慣れているみたいです。僕は頑張って、行きたいと言いました。
「おっしゃー!二人で押しかけようぜ!!」
僕の肩を抱いた笹井君に涙が出そうになりました。やっぱり、笹井君はいい人過ぎるくらいいい人で、高永君が好きになったとしてもおかしくないのです。僕にある考えが浮かびました。それは、高永君が笹井君を好きで、だから二人の時間を邪魔する僕を排除しようと意地悪をしているというものです。嫌な汗が身体から吹き出ている気がしました。
「仕方がないな。今度の土曜日な」
高永君の返事は僕を否定するものではなくて、僕はほっとして、嬉しくて、急にわくわくしだしてしまいました。現金です。
6
尚人の提案で俺の家に泊まることになった。
「懐かしのファミコン持って来た。それとも猥談を希望?」
尚人が笑う。
ひとしきりファミコンをし、風呂に入った後、夕食を食べた。
「恒例の、未成年の飲酒ターイム!!」
着替えとファミコンでよく鞄が膨れるものだと感心していた俺は、その真の内容を知り唖然とした。少し考えればわかった筈だが失念していた。
「駄目だ」
「雅樹、硬い!もっと柔軟な思考を持て!」
いつにも増してテンションが高い。勝手にしろと放置を決め込むと、あろうことか尚人は宇野に酒を勧めた。
「酒飲んだことは?」
「ない・・・」
俺の予想に反して、宇野はそれを飲んだ。
「おいし・・・」
一口、二口、くいくいと飲んだ。それだけでピンク色になる宇野。俺にもたれ掛かって来た。
「おい、嘘だろ・・・」
尚人を見ると楽しそうに笑っている。
「たかながく、ん、たかな、く・・・」
んぅと可愛く身体をよじりながら俺に密着してくる宇野。ついには木につかまるコアラのように俺に抱き着いた。
「はぁぅ、たかながく、しゅき、しゅ、き」
俺の首にほお擦りし始めた宇野。押し倒して、散々いじめて、ぐちゃぐちゃに犯したい衝動に駆られる。首に濡れた感覚。
「だいしゅきなの・・・」
宇野は泣いていた。不意に腰が押し付けられてぎょっとする。
「はぅ、あ、ぁ・・・は、ん、ん・・・ひ、にゃ」
とろけそうな顔で腰をすりすりする宇野に、俺は唾を飲んだ。
「うっわ・・・、えろいね」
尚人は宇野に勧めただけで自分は素面だ。
「ぁ、ぁ、にぁ、ふぁぁっ、しゅきぃ、しゅき、しゅき、いっちゃぅぅ・・・っ」
「は?」
びくびくし始めた宇野。俺は思わずティッシュを取って、宇野の股間、パンツの中に手を突っ込んだ。
「ひぁあんっ」
ティッシュの中に精を受けた。ひくっとした後、宇野は俺にもたれ掛かってくる。
「ん、は・・・たかなが、く・・・」
「・・・宇野はマジで雅樹のこと好きなんだよ。そんでもまだ冷たくすんの?」
7
お泊り作戦は、失敗に終わった。俺は宇野のあられもない姿を見ることができ(当分のおかずです)、楽しい外泊だった。しかし、雅樹の宇野に対する態度は悪い方に変わったのだ。・・・そう、雅樹は宇野にまともに接することができなくなった。
今まで雅樹がどうして宇野に冷たく接していたのかは俺の知るところでないが、今回は多分、気恥ずかしさだ。
「高永君は?学食?」
「・・・ああ。おい、尚人、行くぞ」
来いとぎらぎら睨みつけてくる暴君にあいあいさーと返事をする。宇野と二人切りになることを極力避けるようになった雅樹。恋の自覚を持ったのだと思う。雅樹の行動は青臭いものとなってしまった。だって、好きな子に冷たく当たって距離をとることでしか、いつもの自分を保てないだなんて!!小学生か!?俺だって宇野のことが好きなんだ。あんまり悲しませるようなら奪っちまうぞこの野郎。
・・・とにかく、自分が引き金を引いたことなど忘れるほどに、俺はこのお子様な美男子に腹を立てている。あんな可愛いのの愛を勝ち得て、どうしてそんな態度が取れるんだ。さりげなく俺を盾にして宇野の顔を直視しないようにしていたりするのである。そんな雅樹の態度は、雅樹のことが大好きな宇野にしてみれば拒絶も同然。俺は宇野の瞳が潤むのを黙って見ているしかなかった。宇野は、外泊以来、更に冷たくなった雅樹に困惑していた。この様子なら、何も覚えてないのだろう。
「なぁ、俺、雅樹なら宇野の望む恋人になれると思うんだけど。どうして、そうなっちゃうの?」
英語は少人数で授業を受ける。出席番号で二つに分けられたクラスの、宇野は前半組。雅樹と俺は後半組。宇野が別の教室に行った隙に聞いてみた。雅樹は言う。
宇野をめちゃくちゃに犯したくて堪らない。僕を性犯罪者にしたくないなら、見張っていてくれ。
あんまり辛そうなものだから、俺は何も言えなかった。気恥ずかしさでじゃないなんてなぁ・・・。宇野、お前、なんか凄いの好きになったらしい。サディストってやつ?
8
高永君は、僕と一緒にいたくないようで、いつも笹井君を呼んで、そっちばかりです。もし僕に生き霊があったなら、嫉妬に狂った生き霊が笹井君を殺していたかもしれないな。そう物騒なことを考えて、泣きたくなります。・・・僕は、笹井君はいい人だと、知っているのに。こんな僕を高永君が嫌うのは、もっともです。でも、傍にいたい。嫌われても、好きで。
部活の後、ノートを教室に忘れたことに気がついた僕は、部室でいつものように着替えて、野球道具一式を持って、校舎に戻りました。
「あれ?」
茶道部の茶室に明かりがついています。文化部は基本的に終わるのが早いのに、珍しいなと思いながら、何となく、中を覗きました。
「ぁ・・・」
高永君がいました。初めて見る着物姿に、僕はどきどきして、ぽーっと見つめました。いてもたってもいられなくて、僕は勝手に茶室に入りました。
「・・・宇野」
立ち上がった高永君に、僕は飛びついていました。高永君はバランスを失って倒れます。馬乗りになった僕を高永君は怪訝そうな顔で見つめました。久しぶりに、しっかり目が合っている。ただそれだけで、僕は感激して、自分を見失いました。もうどうにでもなれ。僕は高永君にキスをしました。キスをして、少し下に下りて、高永君のおちんちんに膝を押しつけます。
「っ、宇野、やめろ・・・」
うめき声のように出された高永君の言葉なんか耳に入らなくて、少しずつ大きくなる高永君のおちんちんに興奮していました。高永君を好きになってから、えっちなことに興味を持った僕は、お尻の穴に高永君のおちんちんを入れる日がくるのを期待していました。まさかこんな風にその時が来るとは思ってもいなかったけれど。もう、我慢できない。
「高永君、すき・・・」
高永君のおちんちんに手を伸ばしました。
「っ、宇野が、悪いんだからな」
「きゃっ!?、ふぇ・・・」
今まで馬乗りになっていたのは僕だったのに、天井が見える。高永君に押し倒されていました。
9
宇野にキスをしながら、服を脱がせていく。ネクタイで裸になった宇野の手首を縛った。
「ふぁ、ん、なぁに」
とろけそうな表情に、腰が痺れた。運動部のくせにふにふにと柔らかく白い体をしている。可愛い。酷くして、泣かせたい。俺は宇野の持ってきた野球道具に目をつける。バットを取り出した。
「なに、するの・・・?」
怯えと期待を孕んだ瞳。俺は、もう戻れはしない。
「きゃぅうっ、はぁ、あっ、やぁ、ひぁぁあーっ・・・」
びちっびちっと宇野の性器から白濁が飛び散った。
「・・・は、ぁ・・・たかな、く、ぼく・・・」
とろんとした表情。俺は再びバットの先で精液でべとべとの宇野の性器をぐりぐりといじめる。
「ん、ん・・・ぁぁん、ぃやぁ・・・」
宇野が身をよじる。手首を縛ったことは成功だった。バランスの取れない宇野は立ち上がることもできずに、畳の上で身体をくねらせることしかできない。
「いや?・・・嘘つきだな。気持ちいいだろ?大好きな俺にはしたないところをいじめられて」
宇野が赤くなって、うっとりした顔で俺を見た。小さく頷く。
「きもち・・・たかな、くんのこと、考えて、じぶんで、おしりも、いじゆ、の」
頭がかっと熱くなった。そんな所をいじる理由は、おそらく一つだけだ。やってみろと手首を解くと、宇野はぐちぐちと尻に指を入れた。
「ぁ、ぁっ、たかながく、たかな、く・・・」
「・・・っ、とんだ淫乱のマゾだな」
ぐりっとバットで性器を潰すと宇野は嬌声を挙げて射精した。
「ぁ、ぁ・・・はぅぅん・・・たかな、く、おちんち、ちょうだぃ・・・」
ひくひくとしゃくり上げる宇野。尻の穴を開いて見せている。ごくっと唾を飲む。
「くっそ・・・」
俺は着物のまま宇野に覆いかぶさった。
「ぁぁあんっ、あんんっ、きもち、しんじゃうよぅ・・・っ」
びくっびくっと宇野の中が痙攣する。
「はゃく、はやくぅ、だしてぇ・・・!」
宇野が腰をくねらせる。俺は宇野を突き上げて、イった。
「っは・・・」
「ぁ、どくどく、してゆ・・・たかながく、しゅきぃ・・・」
もう、楽な生き方なんかどうでもいい。認めよう。
俺は宇野が好きだ。そう、ずっと前から。
10
「宇野」
こくんと頷いた宇野が、雅樹の横に座る。ちゅっと雅樹が宇野の頬にキスをした。食堂にいた生徒皆が頬を染めてそわそわしだす。雅樹と宇野は最近ずっとこの調子で、最初は雅樹を狙っていた女達が宇野に嫉妬の目を向けていたが、あまりの雅樹の宇野への溺愛ぶりに近頃はただただ羨ましそうに眺めるのみにおさまった。
チッ、バカップルが。
いかん・・・取り乱してしまった。どうも、笹井尚人です。宇野を応援していた俺ですが、こうも毎日いちゃいちゃされては何だか腹が立つのである。
「ん、高永君・・・」
ピンク色のほっぺの宇野が恥ずかしそうにはにかむ。
「尚人、見んな」
・・・雅樹は今までの猫かぶりがどこへやら、俺様を隠そうとしなくなった。
「へーへー。俺が見ると可愛い宇野が減りますもんね」
「そうだ、減る」
「・・・」
絶句。・・・まぁ、幸せそうな可愛い宇野が見られるなら、何でもいいか。
あー、俺も恋人欲しい。