バスタブ
超能力と女装
1
風呂上がりの椎名凛(しいなりん)は用意されたバスタオルで体の水滴を拭った。肩甲骨まである長い黒髪も、丁寧に拭う。レースのあしらわれた紐で留めるタイプの黒いショーツと、お揃いのベビードールを身につける。子ども用の黒いスウェットを着て、風呂場を出た。テレビを見る母の隣に立つ。
「新しい下着、どう?」
にこにこと、凛の母は言う。
「ちいさいの・・・」
「嘘」
まさか、と言わんばかりに凛のスウェットのズボンを腿まで下ろした。
「吃驚しちゃったじゃない。これでいいの・・・完璧よ」
凛の白い肌をぎりぎりまで露出させるいやらしいショーツ。小さな布が辛うじて幼い男性器を覆っている。
「凄くいいわ、凛。可愛い」
微笑んでスウェットを上げる。
「・・・お母さん、僕のこと、好き?」
勿論よ、と凛を撫でた。凛は安心したように愛らしい顔を緩める。
凛の母は、息子に女装をさせる特殊な人間だった。職業は人形師。月に一体しか作らない人形は、一体あたりの平均売却価格が100万円。人形の服も制作し、凛のためだけだが、人間の服も制作する。凛の服は全て彼女の手製だった。勿論、下着も。
彼女は男物女物に拘らずに、凛に似合う服をデザインする。その結果、凛のクローゼットはスカートなど女物の服で溢れた。そんな彼女だが、凛が男性であることは認めているらしく、どんな可愛らしい羽織を制作する時も男物としてボタンとボタンホールをつけた。
「明日、スカートめくりされたら大変だわ」
まるで他人事の言葉。楽しそうに笑む。凛は母によって、小学校に女として通わされていた。バレたら終わり。そんな凛を不審に思う人間は、今のところいなかった。
彼女は、凛が2歳の時に夫と離婚している。養育について様々な点で勝っていた彼女は、あっさりと親権を得た。凛にとって、唯一の肉親である母は、ルールだった。決して逆らうことはない。母の愛だけは離すまいと、凛はしがみつく。普通じゃないことには、気づいていた。
2
膝丈の黒いスカートと、清楚な白いブラウス。黒い瞳、長い睫毛、柔らかそうな淡い桃色の唇、下ろされた黒髪は艶やか。静かで小さい花のような凛は、謎めく可憐な美少女と噂され、学校で有名だった。
「時間割りに変更はない。月曜から引き続き、放課後に個人面談を予定している。今日は桜庭、笹塚、椎名の3人だ」
迷いのない声に、うっとりと聞き惚れる。凛には、密かに思いを寄せる人物がいた。凛のいる4年1組を担任している教師、京極零士(きょうごくれいじ)その人。
「理科準備室で行う。待機する者は教室での自習を奨める。以上でSTは終了だ。日直」
日直の生徒が号令をかける。
「椎名、次」
放課後、凛の一つ前の出席番号の笹塚が教室に帰って来た。凛はこくりと頷いて、席を立つ。理科準備室へ向かう凛は、緊張していた。4年生になって初めての個人面談。それはいつも静かにしている凛にとって、初めてまともに担任と話をするイベントを意味した。それも、相手は凛が恋慕う京極零士。
「失礼します」
扉をノックして、中に入る。零士は椅子に座っていた。机を挟んで向かい合う、黒い年季の入ったソファーに掛けるように言われ、凛はどきどきしながら座った。
「椎名には、勉強面で俺から何か言うことはない。だが、対人関係に問題がある」
凛は女の子の振りをしているという負い目から、男女関係なく誰とも上手く付き合えない。そのつたなさが、かえって凛を高嶺の花にし、庇護欲にも似た感情を人から引き出すのだが、教師の目線から見ればその個性も異常。凛を担任してきた教師達は皆、凛への指導に頭を捻ってきた。
3
「友達を作らなければならないという決まりはない。しかし、椎名はそれでいいのか?」
零士は凛の意志を確認する。
「友達は、作っちゃいけないの・・・」
他人と関わることは、自らの秘密を露見させる可能性を高める。危機感は、何物にも勝っていた。そんな凛は、いつだって独りぼっち。手持ち無沙汰な休み時間はいつも本を読んで過ごしていた。
「なぜ?」
問われ、俯く。当たり前だが女の子の振りをしていることは教師に言えない。沈黙が続く。
「椎名、俺に何か隠していることはないか?」
きょとんと零士を見つめる凛。
「・・・言い方を変えよう」
何か、偽っていることはないか?
切れ長の一重の眼が、凛を見つめた。
零士は京極の家に稀に産まれるとされる、忌み子だった。人の心を読む特殊な能力がある。京極の遠い祖先は人間の心を読むとされる妖怪と契ったのだと言い伝えられていた。
瞳を見つめれば、その人物の思念が脳に流れ込む。あくまでも、眼が合っている人間に限られてはいるし、使いようによっては利にもなった。しかし、知りたくもない他人のプライバシーが流れ込んでくる状態には罪悪感しか感じないばかりか、学力や容姿の面で妬まれることが多い零士にとっては精神を消耗させるものでしかない。だから、眼鏡を掛けた。眼鏡を掛ければ、他人の思念が流れ込んでくることはない。例外はなく、高校からずっと眼鏡で他人の思念を遮っていた。
小学校に赴任した零士は驚いた。ある一人の生徒の思念だけは、どういうことか、瞳を見つめずとも流れ込んでくる。
それが、凛だった。
『ぅ・・・ぱんつ、おしりにくいこんでる・・・』
赴任して初めて生徒達と対面した着任式で、頭に流れ込んできた思念に眉を潜めたのは記憶に新しい。
凛が少女ではなく少年であることは、ばれていた。それだけではなく凛の恋心も、零士は知っている。
4
凛は黙ったまま。零士には動揺する凛の思念が絶えず流れ込んでいた。
「やれやれ」
零士は椅子から立ち上がり、凛の脇に手を入れて抱き上げる。ソファーに座り、凛を股の間に座らせた。背後から抱きすくめる。
「椎名」
耳に唇を近づけて、囁いた。甘く低い声に、凛は小さく震える。
「俺は超能力が使える。嘘は通用しない」
「・・・ちょ、の、りょく・・・?」
「そうだ。椎名のことなら何でもわかる」
零士の手が、スカートの中に忍び込む。
「だめ、だめ・・・せんせ、だめぇ・・・」
「ダメ?ダメなのは椎名だろう?スカートの下にこんなものを隠して・・・」
ぺろりと耳を舐められた。きゅ、と柔らかく性器を握られる。凛の大きな黒い瞳から、ぽろりと涙が流れた。
「これは何だ?」
さすさすとショーツの上から撫でられる。凛はいやいやと力なく首を振った。
「言わないつもりか?」
零士の手が凛の柔らかな秘密をきゅむきゅむと揉む。
「きゃぁん、ん、それ、ゃぁ、ゃ・・・ひゃ・・・ん」
髪を寄せ、首筋をべろりと舐め上げて、そのまま耳をくちゅくちゅと愛撫する。
「ぁ、ぁ・・・っ」
揉まれ、ひくひくと痙攣を始めたそれは、次第に立ち上がる。
「ひゃん、ぁ、ひ、ゃぅ・・・」
は、は、と息を荒くして、小さく腰を揺らす。零士は再び凛の耳に囁く。
「椎名の股に生えているこれは、何だ?」
零士は凛をいじめる手を止めて、ちゅ、と頬にキスをした。凛は震える。おずおずと唇を開いた。
「・・・おちんち・・・」
「・・・椎名は女の子なのにおちんちんが生えているのか」
「ふぇ・・・ちが、の・・・」
凛はぽろぽろと泣きながら首を振る。
「俺に揉まれて汁まで垂らして」
ショーツの上からぬめる性器を撫でる。
「いやらしい子だ」
5
「せんせ・・・ぉちんちん、やぁぁ・・・」
腰を震わせる。零士は凛の耳を愛撫しながら、ショーツの中で立ち上がった小さな性器をしごいた。
「ひぁぁん、らめ、らめぇ・・・!」
ぶるぶると痙攣する体。
「気持ちいいだろう?」
はふはふと苦しげに息をする唇を舐めた。
「ん、ん・・・ひきゃぁ・・・!」
びゅく、とショーツを汚した。
「・・・ぅ、ゅ・・・・・・」
ひくひくしながら腰を揺らめかせて、うっとりと射精の余韻に弛緩する。零士はブラウスのボタンを外した。ブラウスもスカートも脱がされて、薄いベビードールとショーツ、ニーソックスだけが残る。
「これが椎名の母親手製の黒い下着か。成る程、白い肌によく映える」
ベビードールにあしらわれたレースをなぞって、白い肩に唇をつける。ふにゃふにゃになった凛を抱き上げて、体勢を変えた。ソファーに組み敷く。眼鏡を外した。凛は今更ながらこの状況にときめく。とくとくと心臓が速く脈打っていた。
「きょ、ごくせんせぇ・・・」
呂律の回らない凛。零士は柔らかな唇と舌とを堪能するべく、口づけた。
「・・・ふ、ちゅむ・・・」
丁寧に口内を這い回る。凛はソファーに押し付けられるまま、快楽を受け入れた。
「ぷは・・・ぁぅ・・・」
指がベビードールの透ける薄い黒の上から、右の乳首を押し潰す。唇を離れた舌は、次は布越しに左の乳首をなぶった。
「ぁ、ひ・・・ぉっぱぃ、ちゅぅちゅぅ、きもち・・・」
小さな手を零士の髪に添えた。零士は応えるようにぽっちりとしている乳首を吸い続ける。
「ひぁあ・・・」
腰にぞくぞくする感覚。凛は柔らかな太ももを擦り合わせた。
6
精液でべちゃべちゃのショーツを少しずらして、零士は凛のお尻を可愛がる。
「なめなめしちゃ、いゃ・・・」
言いながら、唾液を注がれぐちゅぐちゅになったお尻の穴をひくひくさせた。零士は指を入れる。
「はぅ・・・んん、やら・・・」
「椎名のおちんちんは喜んでぴくぴくしているが」
不敵に笑って、ショーツの下で快感に震える性器を、更に布をずらして剥き出す。べっとりと湿ったまま、ぴょこんと飛び出した。じゅぷ、と口に含む。
「はひぃん、ひぁぁあんっ・・・でゅ・・・っ!」
ねっとりと包まれて、くちゅくちゅと扱き舐められる。あまりの気持ち良さに、幼い凛はすぐに射精してしまった。零士は性器を舌で扱き上げ、先端をちゅぅと吸った。
「ふゃ、ぁぁん・・・おちんち、びくびくしゅゆぅ・・・ぁん!」
穴をいじりながら、射精を終えた性器を再び口で愛撫する。
「はひっ、らめぇ、らめぇえ、きょ、ごくせん、せ、おちんちんおくちできもちくしちゃ・・・ぁ、ふぁ、んん、ん」
気持ち良すぎる凛は、ベビードールが捲れて晒された白い下腹部を痙攣させた。零士の脳に流れ込んでくる思念も快楽に正体をなくし、とろけきっている。性器から口を離して、凛の太ももを舐めた。
ベビードールを捲り上げて、零士は凛の胸をじかにいじる。
「・・・せんせ、の、おちんち・・・」
ぴとりと宛がわれた大人の性器に、凛はふるふると震えた。
「ぁ、ぁ、はぃってきちゃぅ・・・」
にゅく、と熱い肉が押し入る。凛はきゅっと瞳を閉じた。零士はゆっくりと自身を埋めていく。
7
「ぅ、ふ・・・」
ずっぷりと埋められた性器が熱くて、凛は身をよじる。
「せんせぃ・・・」
とろりとした瞳が零士を見つめる。瞳を合わせていることで凛の中の抽象的な思念が零士に流れ込んだ。愛しい気持ちが込み上げる。期待と不安が混じる思念のベースにあるものは、自分への純粋すぎる好意だった。目元に口づける。
「・・・椎名は可愛いな」
凛はぱちくりと瞬きして、頬を染めた。可愛くて、唇を重ねる。柔らかな尻たぶを揉んで、腰を使い性器を引いた。
「ちゅ、ん、ん、は、ひぁっ」
凛の体がびくびくと跳ねる。
「ここだったか?」
前立腺を擦り上げた。
「ゃぅ・・・っ、こしゅっちゃ、ら、めぇえ・・・っ」
思念も体も正直に零士を受け入れる。凛の愛らしい唇だけが偽った。零士は動きを止める。
「ふ・・・?」
潤んだ瞳が零士を見る。
「椎名、嘘はつくだけ無駄だと言わなかったか?どうして欲しい?」
唇を指でなぞった。
「・・・俺は、超能力が使える。その望みは、俺に実現可能だ」
零士は唇の端を上げる。
「言えば、叶えてやろう」
囁かれ、アナルをひくつかせる凛。おずおずと唇を震わせた。
「・・・ぉちんち、で、おしり、こしゅってほし・・・きゃぁぁあっ」
激しいピストン。凛は悶えて、じわわっと快楽に瞳を濡らした。
「はひんっ、ぁぁあ、ぁぁっ、せんせ、おちんち、しゅごぃの・・・っ」
零士の首に腕を回して、細い腰を淫らに揺らした。ニーソックスを纏った足がひきつる。
「きゃぅ、ひゃ、ぁ、ぁ、ぐちゅぐちゅ、きもち、でちゃ、でちゃ・・・」
零士はショーツに手を入れ、凛の性器を扱いた。
「きゃぅんっ」
びゅくびゅくと、小さな性器は精液を吐き出す。零士も中にたっぷりと注いだ。
8
最初は、純粋な好奇心だった。勝手に思念が流れ込んでくる、女装少年。授業中に何度も好きと告白されているうちに、子どもも男も対象外のつもりだったのが、清楚なスカートに手を差し入れて犯す妄想をするまでに至った。
妄想を実現した自分に呆れる。苦笑が漏れた。汗ばみ、精液まみれの裸の凛。ソファーに腰掛けた零士は今さっき犯した凛を抱き、濡れたタオルで拭っていた。床に落ちているベビードールもショーツもニーソックスも、卑猥に汚れもう使えはしない。
「はふ、ちゅく、ちゅ・・・」
セックスの後も続く甘い口づけに、凛はとろけきっていた。
「んふぅ・・・」
口を離されて、ひくつく舌が残る。凛は何か言いたそうに零士を見つめた。凛の股間の男の子を撫でて、零士は笑む。
「・・・明日も来ればいいだろう?」
理科準備室。凛は零士の前で下着姿になる。依然として、凛は女の振りをしている。個人面談以来、零士に向けられる凛の思念はいやらしいものも含むようになった。
「・・・今日はピンクか」
言いながら眼鏡を外す。凛を膝に乗せた。ちゅく、と唇を合わせる。
「道徳の時間、俺に乳首を舐められて射精する妄想をしただろう」
乳首を摘まむ。凛は頬を染めて、小さく声を上げた。零士を潤む瞳で見つめる。
「・・・せんせ、すきぃ・・・」
知っている、とただそれだけ返す。2人きりの時、思念と口に出す言葉が重なってきた凛。零士はそろそろ両思いだと教えてやろうかと思いながら、凛の乳首に舌を這わせた。
番外編:制服を纏う
1
失礼します、と声が聞こえた。教員達は作業を続けながら、ちらりとドアの方に目線をやる。口々に驚きの声を上げた。声の主である生徒に思い入れのある者は手を止めて席を立つ。
「髪、切ったのね。とっても似合ってるわ」
先月の卒業式で袴を着て自分を送ってくれた女教師が褒めてくれた。その隣の教師は5年生の時の担任だ。似合う似合うとデレデレしている。
長い髪をばっさりと切って、ショートヘアになった凛。恥ずかしくて、視線を泳がせる。
「お疲れ様です、先生。あの、京極先生はいらっしゃいますか?」
どきどきと心臓がうるさい。凜は理科準備室のドアを開けた。
「京極先生」
ソファーに座る零士が、紙袋を持って立ち竦む凛を見る。心配しなくてもいい、と笑った。持っていた書類をテーブルに置き、伊達眼鏡を外して凛に歩み寄る。短くなった黒髪を指で漉いた。
「良く似合ってる。入学式は6日後だったな。おめでとう」
零士はかがみ、髪にキスを落とす。凛を部屋に引き入れて、ドアに鍵をかけた。
「電車通学だったな」
零士が眉を寄せる。凛は頷いた。中学受験をした凛は、4月から隣の区の学校に通うことになっていた。
「男子の制服を着ると言っていたから、あまり気にしていなかったが」
これは、と学ランを着る凛を見つめる。紙袋に入れて持ち込んだ新品の中学校の制服を纏って見せた凛は、不安そうに零士を伺っている。
黒い襟と、細く白い首のコントラストが高潔で美しい。男性を象徴する要素を纏い、可憐さが一層引き立っているように思われた。凛の母親は、目立たないように女装をさせていたのかと勘ぐりたくすらなる。
「変ですか?」
細い眉を寄せて、首を傾げる凛。痴漢に遭わないか心配だと零士は思う。
「変なものか」
凛は嬉しそうに頬を染めた。クリーニングしてもいいように夏服を持ってきたことを、思念が明かす。零士が凛の瞳を見つめると、甘い期待に膨らむ思念が流れ込んだ。
最後に触れたのは卒業式だった。 学ランのボタンを外し、カッターシャツに手をかける。その清潔な眩い白を開くと、滑らかであたたかい素肌がある。慈しむように撫でると、凛が甘やかな吐息を漏らす。零士は微笑み、凛の望みどおり乳首に触れた。
「ひぁぁ・・・」
気持ちよさそうに震える。朱に染まる頬に唇をつけて、ズボンを脱がせた。光沢のある絹に刺繍をあしらい、サイドを紐で結んだショーツ。色は、華やかなサーモンピンク。
「・・・中学校には履いて行くな」
真剣に言われ、凛はこくんと頷いた。零士の唇にキスをする。唇を割って入ってきた舌を、味わう。
「ちゅ、ふ、・・・ぁ、はぁぁん・・・」
ショーツの上から揉まれて、凛は快感に爪先をぎゅっと丸めた。
2
「ぁァン・・・」
ソファーに座る零士の膝の上に、向かい合って座る凛。アナルにみっちりと埋まる零士のペニスに身悶える。
「ぐちゅぐちゅ、しても、ぃ・・・?」
零士が許可すると、凛はゆっくりと腰を上げた。気持ちよさそうに目を細めて、アナルにこすりつける。
「はぁ、ぅ・・・ぁ、ぁ、」
ぬちぬちと音を立てて、揺れる。零士は心地よい刺激の中で、快楽にとろける凛の表情を楽しむ。
「せんせ、きょ、ごくせんせ・・・」
零士の瞳を覗き込む凛。いくつものいやらしい要求と一緒に、とろとろした甘ったるい抽象思念が流れ込む。
わざとだった。凛が零士の能力を逆手に取っておねだりをするようになったのは、5年生の時から。抽象思念の存在など知らないが、目を合わせると零士のペニスがより熱くなることは身体で知っている。
「ん・・・せんせ、ぉっきくなった・・・」
嬉しそうに身を捩り、降ってきた唇を受ける凛。零士は凛の肌を吸いながら、下からの突き上げる。ギシギシと革のソファーが鳴く。
「ひぁっ、あっ、ぁん・・・っ、せんせ、ぁ、ん、ぃっちゃぅ・・・」
首に手を回し、ぎゅっと抱きつく。新しい制服の匂いと、凛の身体の匂いが零士の鼻をくすぐった。
「我慢しろ。・・・これも触って欲しいんだったな」
笑う。膨らんで汁を流すペニスを手に収め、先端に親指で触れる。湿ったいやらしい粘膜を優しく摩擦した。
「ひゃ、ぁ・・・んんっ」
突き上げと性器への愛撫に凛は悶える。
「でちゃ、でちゃぅう・・・っひ、やぁ、ひぁぁあーっ・・・!」
びゅくびゅくと零士の手の中で精を放った。
「・・・乳首もしゃぶって欲しかったんだろう?俺はまだイッてないし、もう一回だな、椎名」
掌から手首に流れた凛の精液を舐める零士。凛は震えながら、見惚れる。
学ランの上着を途中で脱がせたが、濃い黒の裏地に僅かに汚れが付着していた。凛のアナルから零士の精が垂れ、ソファーを汚す。気にもせず、零士はしどけなく自分に身体を預ける凛の耳を舐めた。綺麗な形をしていることに気づいた。どこもかしこも愛おしい。
零士は溜め息を吐く。思念を読み、否定した。
「・・・だめだ、椎名はもう在校生じゃない。小学校には来るな」
凛は声を出せない。想定していなかったわけじゃなかった。自分は零士のことを好きだが、零士は。ぎゅっと目を瞑ると、涙が頬を伝った。
零士は凛の髪を撫でながら、テーブルの上のメモにペンを走らせ、破る。住所と携帯電話の番号だと言った。
「好きだ、椎名」
凛の耳に吹き込む。恭しく、その手の甲に唇をつけた。
唇を離し視線をあげる。凛の美しい潤む瞳。流れ込む思念が、零士を魅了した。かつてあれほど憎んだ能力を、今は有り難いとすら思っている。零士は凛の涙を舐め取った。