top of page



飴の鞭



あるところに可愛らしい少年が男と暮らしていました。
少年は男が鞭だと言うものでお仕置きをされていました。

少年は鞭を使われる以前から男のことが好きでしたが、鞭を使われると、もっと男のことが好きになりました。鞭はたまらないくらい甘く、少年にとってお仕置きになっていませんでした。お仕置きが好きな奇妙な子どもだと思われるのを怖れて、少年はそのことを黙っています。



小学校4年生の染谷飛鳥(そめやあすか)の両親は仕事の都合で海外にいるため、母の弟が日本で飛鳥の保護者代わりをしている。飛鳥は、何か役に立ちたいと毎日彼に料理を振る舞う。
「っ・・・」
包丁を握る飛鳥は指先を見つめた。つぅ、と血が滲み出て、少しじんとした痛みがある。料理が得意な飛鳥だが、よくドジをする。塩と砂糖を間違えるという今時そうないミスをして、落ち込みながら一品丸々作り直したこともある。伯父に食べてもらうことを想像すると、気持ちがふわふわして失敗してしまうのだ。
「ただいま、飛鳥」
保護者である伯父の声に、飛鳥は指を隠して振り返る。艶やかな黒髪と、端正な美貌。仁科誠治(にしなせいじ)が飛鳥を見つめていた。落ち着いた雰囲気と圧倒的な存在感を持つ23歳の誠治は、仁科コーポレーションの若手社長である。昨年、社長だった彼の父親が亡くなった時に大きく暴落した仁科の株は、徐々に戻ろうとしていた。革新的ではあるが、保守的な人物も納得させる論理性に加え、伸びる利益が彼の判断の正当性を裏打ちする。早くも多くの人間に認められている。
「お帰りなさい」
飛鳥は髪と同じ茶色の瞳で誠治を見上げた。自然と頬が上気して、瞳が潤む。飛鳥は誠治が好きだ。好きな気持ちが表情や仕草から漏れてしまっている飛鳥だが、漏らしている自覚はなく、自分の気持ちは誠治に気づかれていないと思っている。そして、当の誠治もまた、飛鳥の気持ちを探るようなことをしたことはない。




「いい匂い。飛鳥、今日のメニューは何?」
スーツの上着を脱いでネクタイと襟を緩めた姿の誠治が、飛鳥の背後に立った。
「きょうは、クリームドリアと」
「これは、どうしたんだ?」
誠治は飛鳥の言葉を遮る。包丁での切り傷は、隠し切れずに見つかった。手を取られ、頬を染めた。後退り、逃げようとする飛鳥は知らずに内股になる。
「ちょっと包丁で切っただけです・・・。だから、ぁの・・・」
心配しないでという言葉は驚きに飲み込まれた。誠治が血の流れる指に唇をつけていた。そのまま口に含まれる。
「誠治さん、やぁ・・・」
くすぐったいのと恥ずかしいのとで飛鳥は涙声になった。指に心臓が移動したような感覚さえする。ちゅ、と吸われ、舐められた。
「ぁぅ・・・」
ぞくぞくする。違うものを舐められているような気になって、変な気分になる。誠治が指を離した。
「飛鳥、料理することを許す代わりに俺が飛鳥に約束させたことは?」
問われ、じわりと飛鳥の瞳が潤む。
「けがを、しないこと・・・」
「そう。そして、飛鳥がこの約束を破ったのは初めてじゃない」
誠治は静かにガスを切り、キッチンの電気を消した。飛鳥を抱き上げる。
「隠そうとしていたようだし・・・俺に心配させた飛鳥にはお仕置きだな」
耳元に吹き込まれた囁きに、飛鳥はひくりと震えた。




お仕置きは初めてではない。これからどうなるのかはわかっている。寝室のベッドに降ろされた飛鳥は羞恥と期待に小さく震えた。誠治が飛鳥の服を剥がしていく。白い肌が晒され、飛鳥はベッドの上で一糸纏わぬ姿になった。ベッドに乗り上げた誠治は、桜色の乳首に触れる。
「ん・・・」
ぴくっと飛鳥の体が跳ねた。両方を指でくりくりと弄られて、腰がじんじんと痺れる。
「ひ・・・ぁ・・・ゃ・・・」
胸を差し出す形の飛鳥は身をよじる。
「はぁ、ぅ、誠治さん・・・ゃぁぁ・・・」
伏せられた瞳から涙がつぅと流れた。耳に低い声が吹き込まれる。
「これはお仕置きだ。飛鳥に拒否権はない」
優しい瞳と視線が絡む。飛鳥はふるっと震えた。誠治の舌が乳首をねぶる。
「ひぁぁ・・・んン、は・・・」
「ピンク色でぷっくりして、舐めてやりたくなる。こんなにいやらしい乳首の男の子は他にはいないだろうね」
唇に乳輪を食まれ、舌先で先端をくすぐられた。恥ずかしくて、飛鳥はひくひくしながらもがく。
「ぅ・・・くふ、はぁぁ、ゃぁん・・・」
抵抗にならない抵抗をしながら愛らしく悶える。
「心配させる飛鳥が悪い・・・」
誠治は飛鳥を優しく押さえつけて、乳首への愛撫を激しくした。




「ん、ぁふ、ぁんん・・・ひ、ん・・・」
ひくひくと震えて、太ももを擦り合わせている飛鳥。毛も生えていない小さな性器はとろとろと蜜を流して腫れていた。
「乳首だけでこんなにして、はしたないな・・・」
誠治はくすりと笑んで、性器に触れる。
「ゃ、ひぁぁん・・・おちんち、さわっちゃ、ら、めぇ・・・っ」
飛鳥はピンクの先端を指で擦り上げられただけで射精した。
「ふ、ぁっ、ぁっ!ぁひぃん・・・ぅ、みゆく、でてゆ・・・くふ、ぅ・・・」
ぴちぴちと性器から白い汁を吐き出して、小さな体が快感に震える。手にかかった汁を誠治が舐めた。飛鳥は射精の余韻に恍惚として、その姿を見つめる。


誠治は飛鳥をうつ伏せにさせた。腰を少しだけ上げた状態の飛鳥の白いお尻に触れる。アナルにローションをたっぷりと掛けた。ちゅぷ、と指を刺してローションを塗りつけていく。
「ゃぅ・・・っ」
小さくお尻を振った飛鳥。
「ここかな」
「ひぁ、らめぇぇ・・・っ」
ぐちゅぐちゅと前立腺を擦り上げる誠治の指に、飛鳥の腰が跳ねて痙攣する。
「ゃら、ゃぁっ、へんなの、ぁ、ひ、なんかくりゅ・・・・・・ぁぁあぁんんっ」
ぎゅっとシーツを掴んで、飛鳥は絶頂した。誠治はくったりとして気持ち良さげに息をする飛鳥を抱き上げて、再び仰向けにさせる。
「お尻だけで気を遣るなんて、考えられないな」
「だって、だってぇ・・・」
飛鳥はぽろぽろと涙する。誠治は飛鳥の頬にキスをして、くちゅんくちゅんと先走りを垂らす飛鳥の小さな性器をしごく。
「だめなの、だめぇ・・・っひぁぁん・・・おちんち、くちゅくちゅ、きもちぃよぅ・・・」
可愛らしく身悶える。
「ぁ、ん、ひぅぅ・・・・・・おしりも・・・おしおき、してぇ・・・」
哀願する。
「お尻?」
端正な容貌に見つめられながら、飛鳥はおずおず白い足を開いて、お尻を掴む。くぱぁ、と汁の滴るアナルを開いて見せた。
「ぁぅ・・・せいじさんのおちんちんで、あすかのおしりに、おしおき、してくださぃ・・・」
耳元で、可愛いと呟きが聞こえた。




「きゃふ、ひゃ、はぁん、おちんちん、きもち・・・」
太く長い性器をアナルに受けて、飛鳥は快感に白くしなやかな肢体をくねらせる。
「ぁ、らめ、らめぇっ、ごりゅごりゅしちゃ、らめぇぇっ・・・はぅ・・・っ」
ふるふると震えて、びちゅっと精液を吐き出した。飛鳥はきゅぅっと中の性器を締め付けて、とろけた顔で誠治を見つめた。
「せいじさん・・・せいじさん・・・もっとおしおきしてくださぃ」
「いやらしい・・・本当に悪い子だ・・・」
逆光で誠治の表情はわからないが、与えられた熱が飛鳥を震わせた。


「ぁ、ん・・・はぅ、ぅ・・・せいじさん、ごめんなさぃ・・・」
アナルには逞しい性器が埋められている。ちゃぷ、とお湯に浸かる飛鳥は誠治に抱き締められながら、謝った。いつになく、いっぱいお仕置きをねだってしまい、お仕置きが好きな変な子どもだと思われてしまったと不安だった。
「何が?」
お湯に濡れた髪を後ろに流した誠治は白く柔らかな飛鳥の抱き心地に目を細める。飛鳥は正直に言おうと、緊張した。
「・・・じつは、ずっと、本当は僕・・・お仕置きがお仕置きになってないの・・・失敗はわざとじゃないけど、お仕置きされるのが嬉しくて・・・」
涙目で誠治を見つめた。ごめんなさぃと繰り返す。
「・・・お仕置きもついに廃止かな」
諦めるような表情の飛鳥から、誠治はずるりと性器を引き抜いた。
「ひぁ・・・」
ぴくんと震えた飛鳥に微笑みながら誠治は言った。
「どうして飛鳥はお仕置きが好き?俺じゃない誰かでもお仕置きして貰えるなら嬉しい?」
「そんなの、誠治さんしか、やぁ・・・」
飛鳥は涙を散らす。誠治は笑みを深めた。
「どうして?」
飛鳥は誠治を見つめた。
「僕が、・・・せいじさんを好きだから・・・」
ごめんなさいと涙する。誠治は飛鳥の涙を舐め取った。
「なぜ謝る?」
「ぅ、ひく、ふ・・・ぼくなんか、めいわく、だから・・・っ」
ちゅっと唇に唇が触れる。
「まさか。俺も飛鳥が好きだから、迷惑なんかじゃない。嬉しいよ」
やっと唇にキスができる、と誠治は飛鳥の唇を舐めた。ちゅく、と唇を何度も吸う。飛鳥はうっとりした。
「はふ、ぁ・・・」
名残惜しそうに唇を薄く開いたまま、飛鳥は誠治を見つめた。
「初めて?」
楽しげに笑う誠治に、飛鳥はこくりと頷いた。




飛鳥は快楽を追って腰を振る。
「ぁ、はぁ、んっ」
ずりゅりゅと何度も挿入される性器。飛鳥は誠治にキスをされながら、揺さぶられる。
「ちゅ、んむ、はぁ・・・ぁぁっ、ひぃ、んんっ」
じゅぷじゅぷと激しく犯されて、半狂乱であえいだ。前立腺を抉られて、お湯の中で誠治に抱き着く。
「ひぁぁぁっ、ゃぁあっ、ゃぁん・・・きゃふ、ぁ、ぁ、でりゅの、ゃぁぅっ」
涙を流して白い足で誠治にしがみつく。誠治は飛鳥を突き上げてイかせた。
「きゃぅうんっ、ぁ、ぁふぅ、ぁ、ん・・・っ・・・ひぁん・・・」
ぴくぴく震える飛鳥。お湯に精液を吐き出す。気持ちよさに、甘えるように誠治に抱きついた。びくびくと痙攣するアナルの締め付けに誠治も中にかけた。飛鳥にキスの雨を降らせる。



夜、携帯で秘書と通話する誠治に飛鳥がぎゅっと抱きついた。
「・・・あぁ、今度の土曜日に」
軽く挨拶をして、電話を切る誠治。飛鳥は恥ずかしそうにもじもじした後、誠治を見上げた。誠治は微笑んで、抱き上げる。ベッドに迎え入れた。今では、セックスのお預けがお仕置きになっている。

お仕置きだった行為が愛しあうためのひとつの方法であることを飛鳥が知るのは、もう少し後のこと。




男は少年が鞭を甘いと感じていることに気づいていました。男はお仕置きと称しながら最初から甘い鞭を使っていたのですから、当たり前です。お仕置きというのは半分嘘でした。

鞭などは初めからなく、男が少年に与えていたのは、いつだって甘い飴だったのです。

© 2008 Haruno All Rights Reserved.

bottom of page